雨の街道を行く

 昨日は一日雨の予報。どこに出掛けるか迷っていたのですが、奈良の大宇陀へ行くことに。

 10年来気になっていた又兵衛桜を見に行く為です。結果は残念なものだったのですが……

 奈良盆地の南部を車で走ると、大和三山がどこからも見えます。

 その1つが耳成山(みみなしやま)。

 古代から神聖視してきたのが、現在でも納得出来る雰囲気があります。

 そのまま166号線を東に進み、桜井から山間部へ。

 この初瀬街道は奈良と伊勢を結んでいます。

 里山風景の中に、遅咲きの桜が所々に見えます。

 市のwebサイトに、半分散っていると出ていましたが、それでも少しの期待感を持ちつつ。

 ほぼ散り終っていました。

 又兵衛桜は大宇陀にある、樹齢300年、幹回り3mの枝垂れ桜です。

 その名は戦国武将、後藤又兵衛から取ったもの。彼は講談等でも非常に人気のある武将でした。

 司馬遼太郎や、池波正太郎等の歴史小説にも度々登場します。

 槍の名手という点では一致しますが、描かれ方は様々という印象。

 真田幸村らと共に、最後まで徳川方を苦しめ、夏の陣で自刃しました。しかし生き延びたという伝説も残っています。その地がここ大宇陀なのです。
 
 この樹があるのも、後藤家の屋敷跡と市のwebサイトにありました。
 
 2000年の大河ドラマのオープニングに登場したことで、有名になりました。私もそのニュースをどこかで見たのか、ずっと満開を見てみたいと思っていたのです。

 残念は残念ですが、来年の楽しみが増えました。

 奈良を訪れると、京都より過去を身近に感じます。太古のままとは言わないまでも、観光の香りがしないエリアが多く残っているからでしょうか。

 帰りは高速に乗らず、165号線、166号線と乗り継いで大阪に戻りました。これは奈良と堺、住吉を結ぶ古代の大動脈、竹内街道と重なります。

 車や重機など無い時代。必然的に高低差の少ない所が街道として発展します。よって、最短をトンネルに頼る今の道より、景色が優しいと言えます。

 至る所に歴史街道。これは関西の魅力と言えます。