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家族力と設計‐1627‐

 今週月曜日、『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』が発売されました。

 22、23ページに「回遊できる家」が掲載されています。

 web全盛の時代ですが、200ページの中の2ページとはいえ、実際の書店に並んでいるのを見ると嬉しいものです。

 巻頭特集の「関西の個性派さんのお宅、拝見しました」に10例ある中の2番目。

 特集をまとめたページには、子供さんが皆で回遊している写真が採用されていました。

 この雑誌が税別278円と極めて安いのは、広告のページが多くあるからで、ハウスメーカーやビルダーでない実例枠は、関西版とはいえ極めて少ないのです。

 その中で、編集部の目にとまり、先方からオファーして貰ったことは、私達にとって非常に嬉しいことです。

 「回遊できる家」は、昨年の3月に『住まいの設計』、4月には毎日放送『住人十色』、また住宅系のwebサイトの特集にも3度ほど取り上げてもらいました。

 正直ここまで露出するとは全く思っていませんでした。

 建築家を集めてあるwebサイトでみつけてくれたとのことで、2013年の4月にオファーを貰いました。

 そして、5月に初めて現地へ。

 折角南に庭があるにも関わらず、LDKは北東角の暗い場所にありました。

 一番条件のよい南には客間と玄関が半分以上を占めており、プランの方向性は考える必要さえありませんでした。

 この北の和室は現在子供部屋のある場所で、南面するLDKと一体の空間としました。

 切妻屋根の大屋根は中央が暗くなるので、ガラス瓦から光を中央に落としています。

 これが1階の建物中央に光を落としてくれます。

 既存の建物と環境をしっかり把握し、奥さんの要望を実現するということを真面目にすれば、それほど難解な計画ではありませんでした。

金額調整だけは骨が折れましたが。

 ただ、ここまで目に留まるということは理由もありそうです。

 奥さんの主な要望は

① 明るく風が通る

② 回遊できる

③ 子供とずっと仲良く

 でした。

 回遊するには部屋の周囲が動線で囲まれている必要があります。

 これは意外にハードルが高く、余程面積に余裕がなければ、「止めておきましょうか」となります。

 動線の一部を、玄関前の廊下と兼ねることでこのプランは実現しています。

 どこにでも売っている小物入れを上手く使っている収納は、取材の度にフォーカスされました。 

 お金の使いどころも良く心得ておられ、この無垢の収納棚はこの空間によく合っています。

 誰でも少し工夫すればできそう、というのもポイントでしょうか。

 8月にゲラが上がってきた際、チェックバックするとライターの方から以下のような返信を貰いました。

守谷さま

 お世話になります。○○です。

 早々にご確認くださいまして、どうもありがとうございます!

 問題ないとのこと、安心しました。

 誌面の動き、楽しい感じは、ひとえに□□様の「家族力」、そしてやはり、設計の妙だと思います。

 多くの実作を見ている、目の肥えたライターの方が「設計の妙」と書いてくれたことはとても嬉しかったのです。

 当初は1ページの予定だったのが2ページに増えたということもこのやり取りで教えて貰いました。

 で、考えます。

 それ程難解でなかったプランを「設計の妙」と言ってもらい、自分としては自信ありのプランがそれほど露出しないこともあります。

 他者が見たいものと、自分が見て欲しいものは違うことが多いのです。

 これを私は「ウィキペディアの法則」と呼んでいます。

 例えばあるお寺の歴史を調べる時、お寺の公式webサイトには、本人たちが伝えたいことが書いてあります。

 しかし、多くの人が知りたいことは、ウィキペディアのほうが分かりやすいのです。公式で正しいという担保がなかったとしても、です。

 このことを良く分かっておかなければと、いつも思うのです。

 初めて現地に行った際、奥さんのスクラップブックを見せてもらいました。

 「部屋の中に、こんな窓が欲しいんです」

 「スチールで製作できればこんな感じで繊細につくれるのですが、何とかコストが合えばいいですね」

 のような返答をしたと思います。

 実際はコストが合わずで、木で製作しました。

 スチールよりは少し太いですが、木としてはシビアにデザインしたしたつもりです。

 出来上がってみると、「この窓が好き」と言ってくれる奥様方の多いこと……

 勿論、もっとクールな空間が好きな人も居ますから、多数派かどうかは分かりませんが。

 もう3度も取材を受けて貰ったので、人がよいのに甘えるのも程ほどにしておかなければなりません。

 ゲラを奥さんにお送りした後、返信して貰ったメールを添えて「回遊できる家」のその後の物語は一区切りとしたいと思います。

 ご家族の思いと、設計が噛みあったとき、建築は極めて幸せな景色を見せてくれます。

 「子供とずっと仲良く」過ごされると思うのです。

守谷 昌紀様

 いつもお世話になっております。

 記事、見せて頂きました。

 子どもたちが沢山載っていて、とても嬉しかったです。

 記事も増やして頂いて本当に嬉しいです。

 子どもたちも友達に見せると張り切っています。私も子どもたちとの思い出のアルバムが一つ増えた気分です。

 いつも雑誌などご紹介頂きありがとうございます。

 まだまだ暑い日が続いていますので、お身体ご自愛ください。

■■■『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載

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【News】
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

『住人十色』の取材の取材<回遊できる家>‐1451‐

 本当に寒い日が続きます。

 今日は朝から、今年2回目の「回遊できるの家」行きでした。

 住宅誌に続き、毎日放送「住人十色」の取材が決まり、その打合せだったのです。

 ディレクター、放送作家、アシスタントディレクターと、3名が先に見えていました。

 いつも思うのは、テレビというメディアは本当にマンパワーによって創り上げられていくものだということ。

 各エリアごと、丁寧に家づくりのストーリーをインタビューしていきます。

 特に時間を割いたのが、ロフトとキッチンでした。

 構成作家の方が女性で、キッチン回りの質問が的確で、また面白いものでした。

 その質問は、ご夫妻の出会いから、仕事のキャリア、日々の暮らしと多岐にわたっていましたが、このあたりの進め方は、私とよく似ているなと思いながら聞いていました。

 物の収納に関しては、どんな切り口になっているか、特に楽しみです。

 打合せは、3時間みっちり。

 3名が帰られたあと、私も失礼したのですが、奥さんが「この氷、子供達が帰ってくるまで残っているといいけど……」と。

 ご夫妻とも、頭がさがるほどの働き者で、かつ子供思い。

 奥さんは「ずっと先ですけど、孫も集まってきてくれたら嬉しいんですけど」と、仰っていました。

 打合せの途中、ご主人が8歳の頃の写真を見せてもらいました。

 改修前の縁側で、お婆様と撮ったものです。

 現在の長男君と同じ年頃で、あまりにそっくりで驚きました。

 花が活けられた冬の縁側で、日向ぼっこをしながら、イヌにミカンをあげている。

 これ程幸せな、昭和の風景はありません。そこに手を入れるのがリノベーションなんだと、気が引き締まる思いもありました。

 家の数だけある 家族のかたち

 番組のサブタイトルですが、それらは引き継がれていくものなのかもしれません。

 お孫さんはきっとこの家のウッドデッキに遊びにきてくれると思います。

 取材は2月中旬、放送予定は3月24日(土)です。順次ここでお知らせします。