カテゴリー別アーカイブ: 02 ことば・本

稲盛和夫と夏の夜の夢

■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』■■■ 7月8日(日) に「匠」として出演します

 今週の土曜日は七夕。娘が笹を持って帰っていました。

 短冊には「じんくんとこうえんにいきたい」。

 じんくん、とは3歳上の兄。私が見ても、何と仲の良い兄妹なんだと思います。

 お隣の同級生が引っ越してしまった事もあり、より2人で遊ぶ機会が増えるのか……私達の頃は子供で溢れていたので、やや寂しい感もありますが。

 先週木曜日の夜。「カンブリア宮殿」に稲盛和夫さんが出演していました。

 司会は作家・村上龍。覚えているのは「限りなく透明に近いブルー」「コインロッカー・ベイビーズ」です。「69 sixty nine」はリアルタイムでした。日曜の夜に放送されていた「Ryu’s Bar」は大人の会話ってかっこいいなと、良く観ていたのです。

 彼は「私は稲盛さんのファンなので、JALの仕事は受けて欲しくなかった」と言っていました。では何故、稲盛さんは火中の栗を拾うことになったのか。

 2010年1月19日、日本航空(JAL)は2兆3億円の負債を抱えて経営破綻します。金融機関以外では戦後最大の負債。

 それを受けて、政府と企業再生機構が白羽の矢を立てたのが稲盛和夫さんでした。

 JALは1987年に完全民営化されたとは言え、親方日の丸の気質が抜けていませんでした。倒産したという意識が希薄で、傲慢なJALの幹部に、おしぼりを投げつけたこともあったと稲盛さんは笑っていました。

 稲盛さんは1959年、28人で京都セラミック(現:京セラ)を創業。町工場から、一代で1兆円企業に育てあげます。

 また、通信事業への民間参入が認められた際は、健全な競争を作るため、大手企業がしり込みする中、第二電電(現:KDDI)を創業します。1984年のことです。

 その際も、今回のJAL再建でも、持ち込んだのは、部門別独立採算性(アメーバ経営)という経営管理システムと、京セラフィロソフィだけ。システムと考え方で、企業を成長させていく。それが、稲盛さんが名経営者と言われるゆえんなのです。

 JALはこの秋、再上場といわれるまで、業績は回復しました。

 私は稲盛和夫さんが若手に経営を教える、盛和塾に入っています。年に数回、稲盛さんから講和を聞く機会があるのですが、この2年はJAL再生の話題も良くでていました。

 「私が目の前で日本航空の再建をやっているのです。そのような価値のあるものを皆さんへ開陳しているわけです。それなのに自分の企業の業績を低迷したままにしておくとはどういうことかと。キツいことを言うようですがが、帰ったら根性を入れて経営をして頂きたい」

 稲盛さんは今年で80歳。君たち若いのに何をやってるんだと、激を飛ばしたのです。

 番組内でも「人生でも、仕事でも、心のありようが一番大切」と言っていました。私が聞いた時には、この言葉には続きがありました。 

 「立派な考えの人は、立派な成果を残すし、いい加減な人は、いい加減な結果しかでていない。私が見る限り、30年という期間で見れば全てこの通りです」

 夏の夜の夢は、30年後に必ず叶う。長女の夢は、今週叶うはずです。

コンチキ号漂流記

 2週間前、和歌浦の地名の由来を書きました。

 紀伊半島には、ポリネシア語に由来する地名が多くあると教えて貰ったのです。

 更にポリネシアとインカ文明の繋がりの話し、「コンチキ号漂流記」のことにも触れました。

 早速子供にと、この本を頼んだのですが、古本しか見つけられなかったようです。

 小学校高学年用とあり、長男が読むのは少し先になりそうです。

 それならと、私が読んでみました。初版は1976年、1997年12月の34刷となっていました。

 これは1947年、戦後すぐの話し。ノルウェーの学者ハイエルダールが唱えた学説はこうです。

 ポリネシアの住民は東南アジアから移住してきたという学説は、潮流、風向きからすると航海が難しい。反対に、南アメリカからは順風、順流となり航海しやすい。

 ただし8000km弱あるこの大海原をどうやって渡ったのか。当時有ったとされる、バルサの筏でたどり着けることを証明出来れば、と考えたのです。
 
 インカ文明とポリネシア文明には似ている点が多くあります。サツマイモの呼び方が似ていたり、巨大建築物と巨大石造のモチーフが似ていたり。

 また、ポリネシアにある言い伝えでは「初めにこの島に住んでいたのは赤毛の白人で、分らない言葉を話していた。彼らを島に連れて来たのは太陽の子=チキだった」というものあります。

 更に、インカ帝国の伝説には「赤毛の白人の王は戦いに破れ、太平洋を西に去って行った。この王の名は太陽王ビラチャコと呼ばれた」というものがあります。ビラチャコの元の名がコンチキ(太陽チキ)だったというい事が分ったのです。

 これがハイエルダールを冒険に向かわせる、最終の動機になったのです。
 
 彼は5人の仲間とともに、太陽王の名をとった筏でペルーを出発しました。102日掛かってポリネシアの島にたどり着き、その可能性を証明したのです。その過程は刺激的で、楽しく活き活きとした彼の筆で描かれています。

 しかし現在の学説では、DNA鑑定の結果、やはり東南アジアが起源とされているようです。DNA鑑定などなければ良いのにと思うのは私だけでしょうか。

 本当に面白いノンフィクション作品だったな、などと思いながら眺めていると、カバーが少しはがれており、中身が見えました。

 この水玉デザインは!

 間違いなく、私の家の本棚にあったものです。

 それが何故、カバーが無くなっていたのかは分かりませんが全く同じ本だったのです。

 同じ本は読まない主義です。

 30年以上開いているとはいえ、名作は再読に耐えうる事を実感したのです。

 特筆すべきはこのデザイン。登場人物のジンベイザメをモチーフにしたものでしょうか。

 決して美しいとは言えませんが、読んでも気付かなかったのが、見た瞬間に記憶が蘇ってきました。

 水玉は一瞬で30年を超えたのです。

コミュニケーション能力

 平野区の中央部には平野郷と呼ばれるエリアがあります。

 平野郷は貿易で栄えた堺と同じく、戦国時代から商人が環濠を築き、自らの手で街を守ってきました。これらを環濠都市と呼びます。

 戦火を逃れた商家も多く、さらに行政も「HOPEゾーン」という、街並み保存の取組みをしているのです。

 趣旨を理解し、条件を満たせば、改修、新築に対して一定額の補助が出るのです。

 朝この辺りを走っているのですが、開店時には来た事がない亀乃饅頭は創業380年。

 看板は流石に風格があります。長く続くという自体が、信用に値すると言えます。

 個人に置き換えても、日本の社会は経験がものを言う、年功序列型社会でした。しかし、近年のIT革命もあり、高度情報化社会はやはり実力主義へ移行しつつあるのでしょうか。

 これらの功罪は常に論じられてきましたが、荒っぽくまとめると以下のようなものです。

 キャリア重視と言えば、能力ある若者の意欲が下がる。実力主義に徹すれば、とび抜けた成果はないが、確実な結果をコツコツ残す人が日の目を見ない。

 私は実力主義という言葉に違和感を持っていました。その違和感が何なのか、はっきりしなかったのですが、あえて言うなら努力主義が良いと考えていました。たゆまぬ努力を続けて人こそが評価される社会です。

 現実はそんなロマンティックなものでないと聞こえてきそうですが、それらも踏まえてもすっと腹に落ちる、そんな文章を読みました。

 以下は、経営コンサルタント、石原明氏のメルマガにあった質疑応答の概要です。

 Q. 経営者が考えるコミュニケーション能力とは?

 A. 相手の気持ちを察知できるということだが、能力というよりは姿勢。そういった性質が性格の中に備わっているかどうか。

 能力が「そういった性質が性格の中に備わっているかどうか」となれば、ニュアンスは幾分変わってきます。スパンの長い話になってくるのです。
 ここではコミュニケーション能力一点について論じられていますが、もっと広い意味に置き換えれる真理だとも思います。

 今一番良い選択ではなく、永続的に自分がベストと思えるかどうか。時間軸に重きを置く事で、良い答えが出るケースは多くあると思うのです。

 能力重視、実力主義などと言いますが、飛び抜けている人など、ほんの一握り。よって普段通常使われるべき言葉としては、姿勢、努力のほうがよっぽど良いと思うのです。

地頭

 昨年の後半は「タイタンの妖女」カート・ヴォネガット・ジュニアに手こずっていました。

 非常にシニカルでコミカル。読みごたえもあり面白かったのですが、何故かペースが上がらず。何か月も掛かってしまいました。

 一番最近読み終えたのは「国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―」。

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 ある方に勧められたのですが、あっと言う間でした。

 小泉内閣成立の際、外務大臣に就任したのが田中真紀子。「外務省は伏魔殿」の言葉に象徴される、外務省との確執劇がありました。丁度そんな時期の話です。

 外交官、佐藤優は対ロシアの専門家。特殊情報(インテリジェンス)を担当するのですが、これはいわゆる諜報活動です。

 同じくロシアに強いパイプを持つ鈴木宗男議員のブレーンとして関係を強めて行きます。

 2000年までに北方領土問題を解決し、ロシアと平和条約の締結を目指すという、共通の目標もありました。外務省内にもそんな空気があったとありました。

 しかし、政争、省内の権力抗争に巻き込まれ、筆者の言う「国策捜査」で偽計業務妨害、背任の容疑で逮捕されるのです。

 いわゆる「鈴木宗男事件」、国後島における「ディーゼル発電所」の件が主な容疑です。

 その後500日を超える拘留生活の中、検察との対決。検察官との取り調べの攻防。そして何故か育まれていく検察官との信頼関係。

 真相は分かりませんが、処女作であるにも関わらず、緊迫感が伝わってき、説得力もありました。拘留生活を楽しんでいる感さえありました。

 なかなか見えにくい裁判というもの。外交官という仕事。更に諜報活動のこと。初めて聞く事も多く刺激的でした。

 鈴木宗男が代議士を指して「地頭が良い」という表現が使われています。佐藤氏の造語のようですが、雰囲気はよく分かります。

 知っている、理解できるではなく、伝える事ができる、説得力がある、というのが私の「地頭が良い」像でしょうか。高学歴ではないが、このような人は実際にいます。

 インテリジェンスの世界では「秘密情報の98%は公開情報の中にある」という下りがありました。はっきりとは書いていないが、ヒントはちりばめられているという事です。

 しっかり新聞を読みこんでいれば、それらが見えてくる。行間を読むのが、諜報活動というのは映画と違うものの、非常に面白い話です。

 続けて「自壊する帝国」も読み始めたのですが、今頃になって、著者がかなりメディアに露出していることが分かってきました。

 新聞は読みますが、テレビのニュースや情報番組は見ないので全く分かっていなかったのです。その分新鮮ではありましたが。

リーダー考

 昨日、敷地調査に行っていました。

 附近を歩いて回っていると、ありました。

 知らない人の店をB級建築と言えば怒られますが、そんな言葉以外思いつきません。

 色合い、フォルムともとても良い感じです。

 その後通った大阪駅には菜の花が。

 気がつけば3月も最終週です。

 先週、作家・玉木正之氏のwebサイトを紹介しました。

 開口健、沢木耕太郎が好きだったからか、ノンフィクションを書いている作家が気になります。スポーツが題材になっていると、なお分かり良いのです。

 二宮清純はそんな作家のひとり。自身の主宰するサイトには、間違いなくお金をとれる文章が掲載、更新されています。

 以前、リーダーの条件を書いたコラムがありました。
 
 チームを3度日本一に導いた、元サントリーラグビー部監督、土田雅人へのインタビューで質問は「リーダーの条件とは?」です。

 解決力だと思う。失敗してもいい。その場で判断し、早めに手を打つ。後手に回っちゃダメ。

スピード感が大切。失敗したら、また次の手を考えればいい。懸案を放棄せず、ひとつひとつ解決していく。

 その道筋をきちんと示してあげれば選手達はついてくる。何もやらずに、ただ時間だけが過ぎる。そして手遅れになる。これが一番良くない。

 この半年、アトリエmを4人体制に戻そうと、随時面接を行ってきました。更に夏までには5人体制にしたいと思っています。しかしなかなか簡単ではありません。

 マジックのように、全ての問題を目の前で解決出来る訳ではありません。しかし、小さな組織のリーダーとして、立ち止まる時間は一切なくしているつもりです。

 何の手も打たず、行動を起こさないことがどんな結果を導くか……勿論過去に経験済みです。それで、元サントリーラグビー部監督の言葉に反応してしまうのです。

 仕事は分かち合ってこそです。また、本当に求められるものなら、受け継がれていくはずだと思っているのです。

仕事は好きの近くに

■■■オープンハウス開催■■■

 2月26日(日)午前10時~午後4時 「あちこちでお茶できる家」

 ※詳細は後日お知らせします

 先週金曜日、京都大学も秋入学に前向きというニュースがありました。

 世界基準は秋なので、優秀な人材を集めたいというのが主な理由。東京大学は5年後をめどに実現すると言っています。

 反対意見、理由も色々あります。高校生でも大学生でもない「中ぶらりん」の期間をどうするかというものには異論があります。

 推進派は、インターンシップにあてる、海外を見て回るなどを提案していますが、勿論賛成です。

 裕福な家庭はインターンシップもできるが、機会の少ない地方、余裕のない家庭はどうするのか、というのが反対理由。しかし、それら全て含めて、人生、仕事だったはずです。自分で切り開いていくしかありません。

 何より、仕事を始める前に一旦エスカレーターを下り、自分が何者かを見つめ直す時間は、絶対あったほうが良いと思うのです。

 秋入学を大学だけでなく、小学校から全部変える案もあるかもしれません。サクラサク、春の入学は季節感があり、良いものではありますが。

 アトリエの打合せスペースには模型を展示しています。

 これらは出来の良いもので、いわば一軍です。

 計画当初、模型は1/100くらいのものから創り始めます。

 最終形に至るまで、多く試作があります。

 模型は増える一方で、採用されなかったものは破棄せざる得ません。

 しかし、計画中のもの、手を入れている最中のものは、私の机の上に並んでいます。

 この模型に、人並みなら興味を示しているのが甥っ子です。

 長男と1つ違いで、4月から小学生。

 彼は年始に受験をしていました。両親、祖父母の心配をよそに、見事合格。

 直前にはその勉強もあり、色々と我慢していたようです。試験が終わったら、したい事に「家の模型作り」を上げていました。早速、材料の端材をあげました。

 これは長男作ですが、こんなのを作っては壊ししているのです。

 先日、オープンデスクに来ていた若者がいました。よく話を聞いてみると「本当は音楽の仕事がしたい」と。

 そんな時「そろそろ現実を見ないと」とは言いません。

 本当にやりたいのなら、どんな事情があるにしろ、何らかの行動を起こすべきです。

 一切気遣いは無用なので、オープンデスクを打ち切って、自分のやりたい事をすればいいのではと伝えました。

 打合せ中、背後から目線感じた時。甥っ子がのぞいています。クライアントは驚きますが、説明すると勿論笑って理解してしてくれます。

 長男とも、3年生になったら手伝いに来てと言ってあるのです。しっかり学べ甥っ子よ、という感じです。

 得意は好きの近くにある

 この言葉を聞いたとき、何か力がみなぎる気がします。出来るだけ多くの若者に伝えたいと思ていいます。

コラムの真髄

 先週の事ですが、読売新聞大阪本社へ行ってきました。

 読売新聞が運営する、専門家サイト「マイベストプロ大阪」のセミナーがあり、参加していたのです。

 社屋は西天満にあり、初めて新聞社なるものに入りました。

 エレベータ前にはガードマンがおり、やはりセキュリティーは厳しいんだなと思う反面、建物は意外に小ぶりでした。

 会場のモニターに案内映像が流れており、発行部数は1千万部弱で世界一とのこと。

 これは知りませんでした。

 セミナーの内容は、専門家サイトの活用方や、コラムの書き方など。

 地域は限定、得意分野に特化する方が良い。

 最もで、良く分かるのですが、日本全国、または海外でも仕事をしたいと思っています。

 求められれば、どんな要望に対しても、自分の回答をだせる建築家で有りたいと思っているので、それは自分のやり方でやろうと思います。

 このあたりに対しては頑固に行きます。

 その帰り、北新地のはずれにある、「クアー」というショットバーへ寄ってきました。大学の同級生が店を出しているのです。今年で7年目ですが、今回は約1年振り。

 「時々はキタに出てこいよ」と言われました。出来ればそうしたのですが、そんな状況がいつになればやってくるのか……それ程望んでいないのが原因なのですが。

 新聞社は違いますが、1月26日の産経新聞に以下のような記事がありました。少し要約しています。

 長嶋茂雄は立教大学に入学した頃から、日本のプロ野球をどう変えて行くかで頭が一杯だった。

 ユニホーム、ギャラ、野球の技術、あらゆる面でアメリカ、メジャーリーグを手本にしていた。そんな「ミスタープロ野球」も時代の制約からは逃れられなかったと言える。もし今、現役の選手だったら「世界一の打者になる」と海を渡ったかもしれない。

 レンジャースに移籍するダルビッシュ有(25)は札幌ドームのファンの前で、初めてメジャーを選んだ理由を語った。日本では真剣勝負をする相手が見当たらず、モチベーションを保つのが難しかったと。

 高度成長も、バブル経済も知らない今の若者はかわいそうだという声をよく耳にする。反面、恵まれた才能を生かし、懸命な努力を続ければ、世界を舞台に活躍できる特権を持つ世代でもある。

 テニスの全豪オープンで錦織圭(22)は惜しくも準々決勝で敗れたが、世界一の座が夢でない事を示してくれた。時代に恵まれず、それ以上に才能に無縁だった中年記者にも、若者達の挑戦を見守る楽しみがある。

 事実を伝え、時代背景をふまえ3人のスポーツ選手を例に上げ、コミカルな表現も交えながら、読者を前向きにさせる。今年読んだ中で一番のコラムでした。

 私は最後の「読者を前向きにさせる」というところにこだわります。

 どんなに情報を的確にとらえ、豊富な知識で鋭い評論をしても、読んだ人に何らかのプラスの影響を与えなければ、全く意味がないと考えます。何が起こっても、より良い未来を求め、生きる他ないからです。

 このコラムの筆者は才能に恵まれずとありますが、いやいやどうして。名前が知りたいくらいです。

 雑誌売上1兆円割れのニュースもあり、紙媒体が置かれる立場は、これからも厳しさを増すでしょう。しかし、人、才能が急に無くなるものではありません。

 新聞の面目躍如といったところでしょうか。

媚びない、群れない、属さない。そして辞めない

 「あなたにとってプロフェッショナル」とは?」という質問で終わるNHKのドキュメンタリー番組。
 
 その世界で一目置かれている人がその質問に答えます。昨年末、ある町工場の経営者の答えはこうでした。

 媚びない、群れない、属さない。そして辞めない。

 実現を信じて諦めない、辞めないことが大切と続けていました。
 
 人は、無力だから群れるの ではない。群れるから無力なのだ。
 
 これは「反骨のルポライター」竹中労のことば。

 日本で使うプロフェショナルという言葉には、その道のエキスパートというニュアンスが含まれます。誰にも出来ない課題を、解決、改善していく専門家と考えれば、常に孤独なものだと言えそうです。

 エキスパートであるから、その困難な課題がそこに持ち込まれるのですが、鶏が先か卵が先かという話で言えば、元々困難を避けていた人がエキスパートになる事はありません。

 進んで困難と孤独を求める。

 文字だけ見ると、まるで修行僧のようですが、ここに真理があるというのが、竹中労のメッセージだと思っいます。

 困難を解決した時には確実に達成感がありますし、成長できます。そもそも、困難だと思っていただけで、向かい合ってみれば、大した問題ではなかったという事が、大半なのですが。

 先々週、友人の作家が事務所に遊びに来ました。彼は大阪の公園で気流部という一風変わった活動をしています。
 
 その時の写真をUPしていました。

 

 事務所は未だスタッフ募集中。

 進んで困難を求める人お待ちしています。もちろん仕事中だけですが。

クリエイティブ

 昨年末ですが「イタウバハウス」へ1年点検へ行っていました。

 その際の現場日記に、光熱費のことを書きました。このタイメイングで、出来るだけ聞くようにしているのです。

 その時に教えて貰った金額が、調べてみると少し違ったと、クライアントからメールがありました。

 それで1年分の電気代、ガス代を整理して送ってきてくれたのです。

2011年 「イタウバハウス」
家族構成:夫婦、幼児2人、乳児1人
電気料金/ガス料金
1月  12,237円  /  8,899円
2月  10,864円  /  9,995円
3月  12,456円  /  9,078円
4月   7,870円  /  6,773円
5月   7,146円  /  5,416円
6月   9,134円  /  5,546円
7月  10,733円  /  4,113円
8月  11,081円  /  3,697円
9月   9,265円  /  4,116円
10月  6,699円  /  4,646円
11月  7,840円  /  5,272円
12月 11,445円  / 11,211円

この家は、建築関係の金額だけでなく、土地、土地売買に係わる諸経費、ローンに掛かる費用、テレビ、エアコン、カーテンにかかる費用など、いえにほぼ全ての金額をwebサイト、雑誌に公開させて貰っています。

その動機は、これから家を建てる人の参考になればというもの。私がお願いしたからではないのです。

「感謝」という言葉しか思い浮かびませんが、この言葉をジョブズは一回り大きな視点で使っていました。

 何が僕を駆り立てたのか

 クリエイティブな人というのは、先人たちが残してくれたものに感謝したいと思っているはずだ

 僕が使っている言葉も数学も僕が発明したわけではない

 同じ人類の先人たちが作ってくれたものなんだ

 僕は全力で心の奥底にあるものを表現しようとした

 先人が残してくれたあらゆるものに感謝しようとしてきた

 そしてその流れに何かを追加しようとしてきた

 そう思って僕は歩いてきた

-伝記『Steve Jobs』-

「同じ人類の先人が残してくれてた」というくだりに、軽い衝撃を受けました。

 当然ですが、建築家という仕事は私が発明したものではありません。この仕事が現在あるのは、先輩たちが脈々と引き継いできたからこそ。そういったことへ感謝の気持ちは持っていました。

 しかし、言葉や数学をつくりあげて来た人類の先輩に、感謝の気持ちを持つなど考えたことさえ無かったからです。

 creative(クリエイティブ)は創造的という意。それはある日突然で生まれるのではなく、先人たちへの感謝の気持ちがベースにある。

 ジョブズはその理想の高さゆえ、部下へはかなり厳しい人だったようです。しかし、彼が最も革新的な創造者であったのは、誰より強い先人への感謝の気持ちがあったから。そうであれば、納得できる気がします。

勤労と安楽と充実

 11月も下旬に入り、徐々に寒さも増して来ました。

 しかし今日は気持ち良い秋晴れです。

 築37年を迎える我が家には、縁側があり雪見障子で仕切られています。

 ここにいつの間にか小さな穴が開き、知らぬ間にのぞけるようになっているのです。

 経緯を聞いても、遊んでいたらなっていたとか、誰々が当たってしまったとか。真相は闇の中。

 すぐに貼り替えようか、とはならない理由もあり、そのままにしていると、妻が補修していました。

 寒さがちょっとはましになるだろうと。貼り替えへ至らない理由は、またの機会に書こうと思います。

 すっかり忘れていましたが、11月は文化祭の季節。

 長男が帽子を作ってきました。この感覚を大人になって持っていたら、ピカソかガウディーだな等と思うのです。

 昨日は勤労感謝の日。この時期になったのは、農業の収穫期というものもあるようです。

 「勤労をたつとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう」為の祝日とあります。

 依然全国的に失業率も高く、生活保護受給者は過去最高とも。特に大阪市は深刻です。今この理念を、眺めるだけの額にしてはならないと感じます。

 教育、勤労、納税は国民の義務ですが、勤労を義務と考えると、人生は一気に息苦しいものになってしまいます。

 今までで、一番充実していた時間はと問われると、多くの人は、最も苦しかった時期を上げるそうです。安楽は充実を生まないのです。

 そもそも仕事と言うのは大変なものです。だからこそ、仕事となりえ、それをやり遂げた人には感謝と報酬が与えられるのですから。

 生きるとは呼吸することではない。行動することだ。
 -ジャン=ジャック・ルソー- 哲学者

 人生は恐れを知らぬ冒険か、無のどちらかである。
 -ヘレン・ケラー -

 それをやりにおれが生まれてきた。 そのことだけを考えればよい。
 -アーネスト・ヘミングウェー- 作家

 行動あるのみです。

 勤労という言葉には、労働+真面目さを感じます。さらに、その先の成果は問わないというニュアンスも含まれていると言えば言い過ぎでしょうか。

 勤労を尊ぶ。この考えは、もっと声高らかに謳われるべきだと思うのです。