カテゴリー別アーカイブ: 04 建築

プロとアマの違い‐1703‐

 今日、明日はしっかりした雨が降るようです。

 近頃の雨はまとまって降るので、できれば梅雨らしいシトシト雨が希望なのですが。

 天の気分が私の思うようになるはずもなく、今朝もパラパラと降ってきました。

 少し遠回りしてツバメの巣の前を通りました。

 昨日、巣立ったようです。

 寂しい気持ちもありますが、もう3匹が過ごすには狭すぎる感もありました。

 自然界には、一切無駄が無いのだと改めて教えられます。来年も見れると良いのですが。

 近くの保育園の植込みでは、ビヨウヤナギが花を付けていました。

 この時期に咲く黄色い花は少なく、自然と目に入ってきます。

 初めて植栽に採用したのは「下町のコンクリートCUBE」でした。

 大阪で住宅を設計する場合、1、2本の庭木を選ぶことはあっても、庭をデザインする機会はそれ程ありません。

 「下町のコンクリートCUBE」は敷地の半分が庭だったので、植栽の本を買ってきて、また実際に庭樹園まで足を運び、私なりに勉強しました。

 正面にある中木はアオダモで、塀越しに見えているのはヤマモミジです。

 キッチンに立つと目線の先には、左からシロヤマブキ、ヒメシャラ、ビヨウヤナギ、キソケイ、シロヤマブキ。

 右手にヤマモミジが少し見えています。

 2006年、植栽工事の時の写真です。

 一緒に仕事をした造園会社の社長は自らクワを持つのですが、色々と熱心に教えてくれたのです。

 同じく2006年完成の「サロンのある家」の奥さんも、庭木にとても詳しい方でした。

 植栽工事は金額が合わずだったのですが、正面、裏庭とも、ほぼご自身で完成させた程。

 正面右端に、ひょろっと伸びているのはジューンベリーです。

 花、実、紅葉と三拍子そろった庭木で、2010年の「イタウバハウス」でも採用しました。

 何と言っても、ご主人お手製のルーバーがポイントですが、遊び道具でもあり、正面のマンションからの目隠しでもあります。

 ジューンベリーというくらいですから、この時期に実をつけます。

 収穫し。

 ジャムになった写真を送ってくれたのです。

 3~4mの擁壁の上に建つ「高台の家」

 こちらのご主人も、建物と同様、庭木にもこだわりのある方でした。

 シンボルツリーは中央のヤマボウシ。

 「サロンのある家」と同じく、減額で植栽工事がなくなったのですが、近所の庭木屋さんに通い、こつこつと植樹されたのです。

 多様な木々を上手く組み合わせ、配置されています。

 何本かあるスラッとして、葉がカールしたような木はハイノキ。

 常緑樹にも関わらず葉が細やかという点ではソヨゴと合せて貴重な存在です。

 こちらのクライアントに教えて貰いました。

 初めは砂場だったところはミニ農園となりました。

 「高台の家」の植栽図面の一部です。

 植栽計画を私がした訳ではありませんが、伺った時にメモをとり、図面化しておきました。

 樹木名の後に、落葉か常緑か、広葉樹か針葉樹か、花の時期と花の色が書いてあります。この図面では外していますが、内部資料には100点満点での評価付けもしています。

 プロとアマの違いは、それに掛けられる時間の量、すなわち仕事として選ぶのか選ばないのか、その一点だけのような気がします。

 これだけ自在に情報が手に入る時代なので、こだわりの家を建てようかというクライアントは、私以上に知識を持っていることは普通にあります。

 インテリアに詳しい奥さんなら「今の流行は○○ですよね」と尋ねられ、その言葉を知らないこともありました。

 しかし、最終目標はクライアントにとって幸せな建築を創造することですから、私が知っていても、奥さんが知っていても、どちらでも構いません。

 重要なのは全てを踏まえ、何を選択するかです。建築は多くの部位があるので、その選択は組み合わせによって無限に変化もするのです。

 初めは不安ばかりだった植栽計画ですが、今はむしろ楽しみにしています。最後の仕上げといった感じでしょうか。

 そもそも悪い庭木などないので、余程うがった見方をしなければ、失敗などあり得ないのですが。 

 お代を頂いて設計、デザインをさせて貰っているクライアントから、学ばせて貰ったことがどれだけ沢山あったことか……

 ビヨウヤナギを見かけてはYさんを思いだし、ジューンベリーを見てはTさんを思い出し、ハイノキをみてはHさんを思い出します。

 プロとアマの違いは、仕事として選ぶかどうかだけと書きました。もう一点だけ付け加えるなら、悪い木などないと知ることでしょうか。

 結果を出す為に皆が全力を尽くし、結果が出ないということの方が矛盾するのです。 

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載 続きを読む プロとアマの違い‐1703‐

STAY ATELIER‐1692‐

 ゴールデンウィークは、多くの人達と同じように何処にも出掛けずでした。

 胸を張って出掛けることが出来た時、その爽快感をイメージしながら、ここは「忍」の一文字です。

 子供達も同じですが、ようやくweb授業が始まり、すこしずつペースを掴んできたようです。

 ”STAY HOME”でなく”STAY ATELIER”。

 折角時間があるので目一杯働きました。

 ずっと滞っていた「私の家」計画は、一旦「両親の小さな家」となりましたが、再び建てることにしました。

 子供達も2日間だけ手伝いに来て貰ったのです。

 人手不足につき、自分達の家の模型は自分達で作る。

 長男が「僕、向いてないと思うわ~」と言い、無理だったら掃除に切り替えると。

 娘は手先が器用なので大丈夫のはず。

 要領を伝えておくと、思った以上に進んでいました。

 私にとってはATELIERがHOMEみたいなもので、昼ごはんは小さなキッチンで作ります。

 おでん風煮込みとハヤシライス。

 長男は辛口カレー。

 とても美味しいと喜んで食べてくれました。

 レトルトですが(笑)

 しかしご飯は鍋で炊きました。

 2合半炊きましたが、2人で殆んどを平らげたのです。

 ようやく授業が始まったので、休憩時間には宿題をしていました。

 学校が始まった時、その有り難さが身に染みると考えれば、こんな貴重な体験はそうありません。

 これからは「勉強しなさい!」と言わずに済むでしょう……とまではならないか。

 苦手かもと言っていた長男ですが、意外に上手。

 小学生にアルバイト代は出してはいけないそうで、娘にはお駄賃、長男にはいくらかアルバイト代を渡しました。

 「こんな楽しい上に、お金まで貰えて!」と、二人とも上機嫌で家に帰っていったのです。

 そこから2人で出し合って、母の日のプレゼントを買ってきていました。

 もし長男が現役で大学に入り、下宿したとすれば一緒に暮らすのはあと3年足らず。

 クライアントの幸せを実現するのが私の仕事なので、設計においては、家族を一番後ろ回しにしてきました。

 そろそろリミットが来たようです。

 やる以上は全力がモットーです。今年中には必ず建ててみせると、大見得を切っておきました。

 2011年のゴールデンウィークは、初めて4人でフェリーの旅にでました。

 9年も経ったのですからご飯も沢山食べるはずです。

A photograph is wonderful.

2011年5月 熊本/阿蘇

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

図面のUPは禊‐1689‐

 気温も25℃近くまであがり、本当に気持ちのよい季節になりました。

 激変の4月も今日で終わりです。

 普段は活気のある商店街も、この状況下で閑散としていました。

 普段はひたすらに会社で仕事をしていますが、今日は現場監理へ出ていました。

 近鉄の普通はかなり空いています。

 換気のために窓が開いていることもあり、気持ちのよい風がはいってきます。

 貸し切りに近く「ああ、気持ちいい」と、思わず声に出してしまいそうです。

 日の光を浴び、風を感じると気分は一気に変わります。

 誰もが日々の暮らしの中で、落としどころを模索し続けなければなりません。

 休業中の張り紙をする飲食店を多く見かけます。

 働きたいが働けない人達の心中は察するにあまりあるのです。

 現場は「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」のでしたが、手応え十分でした。

 この計画の設計図面が完成したのは、昨年秋の香港行きの当日、朝4時でした。

 フライトに間に合うギリギリまで描いていたことを思い出しますが、頑張った甲斐があったというものです。

 今年に入ってからは、2月にリノベーションの実施図面UP、そして今月は2つ新築の実施図面をUPしました。

 仕事において、1時間にどれだけの付加価値を生めるかを、「単位時間当たり採算」と言います。

 経営の師である、京セラ名誉会長の稲盛和夫さんに教えて頂いたものですが、ようやく当社でも取り入れることにしました。

 成果を時間で割り、うまく時間がコントロールできているかの指標とするものですが、スタッフに求める以上、私も自分の働いた時間を把握しておかなければなりません。

 23歳の年から建築設計の仕事を始めたのですが、働く時間は、長ければ長い程よいものだと思っていますし、気にしたこともありませんでした。

 しかし正確に時間を記録してみて、これはちょっと人に言っては駄目なレベルだと痛感したのです(笑)

 私は日に12時間は働くと決めていますが、それがすでに過労死ラインだそう。そもそも残業という概念がないので、全く問題ないのですが。

 物創りが神聖な仕事だとすれば、設計図面のUPは禊のようなもの。

 打たれる滝の水が、ここちよい水量で、快適な温度では駄目なのと同じです。

 1ヵ月半くらいは休みがなくても、良い仕事になると思えれば頑張れるのです。

 実はこのゴールデンウィーク、1週間池原ダムのバンガローを予約していました。

 しかし全国への緊急事態宣言で、宿泊施設から休業となりますと電話がありました。

 1ヵ月半は頑張れますが、2ヵ月はちょっとこたえます。2ヵ月以上にならないよう、もうひと踏ん張り必要なようです。

 ああ、早くあの湖面に浮かびたい!

A photograph is wonderful.

2014年6月 奈良/池原ダム

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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夢や憧れで終わらせるのではなく‐1683‐

 4月7日(火)19時からの安部首相の会見は、ネットでもリアルタイムで見ることができました。

 正直、初めてまじまじと顔を拝見した気がします。

 こういった状況ではリーダーの舵取りによって国の行先は大きく変わるはず。色々な意見があることは承知していますが、総じて言えば、立派な会見だったのではと思っています。

 2週間で感染のピークを越えることができるかは、私達国民ひとりひとりの自制心、道徳観、美意識に掛かっています。

 後に、都市封鎖なくこの感染症に打ち勝った国として、日本人の民度の高さ、真面目さが評価される時が必ず来ると思っているのです。
 
 昨日、『Sumikata』という冊子が3万部程郵送されました。

 東急リバブルから、関西地区のタワーマンションに住む3万世帯に直接届くとのこと。

 広告代理店からオファーがあったのは2月中旬でした。

 「自分らしい家に暮らす」という特集を組むので、作品写真の掲載とインタビューを依頼したいとのこと。

 「広告として貴社の紹介にもなりますが、何より守谷様の建築に対する想いを1人でも多くの方に紹介できる機会になれば幸いに存じます」

 こう結ばれていました。誠実さと熱意を感じる文面です。

 有料の広告は打たないと決めているので、無料は必須の条件です。

 それでも求められる建築家でなければ、本気のクライアントからのオファーなど来る訳がないと思うからです。

 広告代理店の方、ライターの方、そしてクライアントである東急リバブルの方が、当社に見えたのは2月下旬でした。

 どの作品を掲載希望か教えて欲しいと伝えましたが、それも私に選んで欲しいとのこと。

 タワーマンションと対極にあるような住宅が良いかなと、「滋賀の家」「高台の家」を選びました。

 「滋賀の家」は、お濠や土塁が残る元山城だった敷地が一番の特徴です。

 「高台の家」は自分達が「坂のある街に住みたい」と気づいたところから計画が動き出します。

 共に敷地、街、環境が、大きく建物に影響を与えています。反対の言い方をすれば、それらが建物を形づくっていったとも言えるのです。

 タワーマンションのほうが良い所もあるでしょうし、一戸建ての方が良い所もあるでしょう。

 家に良し悪しなどないというのが私のポリシーですが、特色はやはりあるものです。

 ライターはとても聡明な方で、楽しく2時間半程話しをさせて貰いました。

 写真のセレクトには一切口出ししないことにし、文章の校正も情報等だけにしました。

 折角なら、自身のセンスを遺憾なく発揮して欲しいし、もし私なら「伝えるプロである私に任せて下さい」と言いたいと思うからです。

 私はその道で生きてきたプロフェッショナルを信じていますが、めりはりの効いた上品な誌面にまとめ上げてくれました。

 サムネイルを載せますが、読んでみたいと言う方はこちらからご覧ください。

■掲載ページ

 冒頭に、こんなフレーズがあります。

 いつか見た夢や憧れで終わらせるのではなく

 これは私には言えないフレーズです。

 良くも悪くも世の中はピラミッド構造です。仕事をできる人の方が多数派ということはありません。

 懸命に頑張り、少しずつでも登って行けば、そのエリアは狭まってくると思っています。

 本当の頂上は一点ですが、付近まで登ればとても小さいエリアに一流の人がひしめいているはずです。

 タモリさんと歌手・井上陽水さんが友人だったり、ノーベル賞の山中伸弥元教授と、故ラグビー日本代表監督の平尾誠二さんが友人だったように、ジャンルを超えての関係も沢山生まれるでしょう。

 私が、私の会社が、山で言えば何合目にいるのか分かりませんが、僅かずつでも頂きへ向かっているつもりです。

 高いところに住んでいる人にも、私の想いが伝われば嬉しいのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に
巻頭インタビューが掲載されました

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夕景に始まり‐1681‐

 昨日、「うえだクリニック」当社のサイトにUPしました。

 2018年の8月にオファーを貰った計画ですが、ここまでくるとようやく一区切りです。

 3月半ばに撮影したのですが、天気は何とか粘り勝ち。

 今回は冨田英次さんという写真家に、初めて撮ってもらいました。

 一番の特徴は、やはりこの広い待合です。

 吹き抜けにある大開口はバルコニーの向こう側にあるルーバーで覆われています。

 ルーバー⇒バルコニー⇒待合と通過させることで、直射を間接光に変えようと考えました。

 その横にキャットウォーク状の空間があります。

 こちらも側面にある開口からの光を、より柔らかいものに変える効果を狙ったものです。

 最新鋭の機器を備えたMRI室は黄緑を基調としました。

 森の中にいるような気持になって、うたた寝していた、となれば素晴らしいのですが。

 診療科目によっては、光が邪魔になることもあります。

 しかし、今回はハイサイドを採用することができました。ハイサイドは東面が特に質が高いのです。

 前クリニックには無かったのが、2階のエリアです。

 本格的なトレッドミルのあるトレーニングルームは、シャワールームも併設しています。

 そしてスタッフルーム。

 キッチンが横にあり、ちょっとした調理が可能です。

 スタッフへの心遣いが、この2階建てのプランを生んだのです。

 スタッフの方も使ってくれていると聞くと嬉しくなります。

 院長は、マラソン、トレイルラン、富士山登頂マラソンまで走る、いわば鉄人。

 撮影の日も急にお願いしたのですが、かなりのスピードで走ってくれたのです。

 非常にポジティブな方で、今まで私が温めてきた案をいくつも採用して貰いました。

 トップライトは明るくなりすぎないよう、こんな配慮をしていると相談すると、OKがでました。

 開院後、患者さんからも「奇麗な」「立派な」「広い」「斬新な」等のお言葉を頂き、喜んでいただけている印象です、と言って貰ったのです。

 その院長が一番良いと言ってくれたのがこの夕景。

 夕景へのこだわりは、決して小さくありません。

 初めての作品「松並木のある家」が完成したのが1997年。

 この夕景で年賀状を作ると、ある人に「この門を設計したの?」と聞かれ、ずっこけたのです。

 2作目の「Spoon cafe」は1998年。この撮影は本当に苦労しました。

 フィルム時代だったので、2分くらいシャッターを開いていたと思います。

 阪急の門戸厄神駅前は、人通りも車の往来も激しく、さらに放置自転車の移動は中々の重労働でした。

 同じく1998年の3作目「白馬の山小屋」は、その名の通り長野県の白馬にあります。

 重鎮の写真家・川元斉さんも一緒に車に乗ってもらい、ここで一泊して貰いました。

 この頃お願いしていた川元さんは夕景が特に上手い写真家でした。

 2006年「下町のコンクリートCUBE」のこのカットは、今も名刺に載せています。

 先日もある会合で「あっ、この作品知ってます」と言って貰いました。

 最も好きなカットのひとつです。

 写真家によって、夕景は特に考え方がでるものです。

 望遠レンズで、池越しに撮って貰ったのは2008年の「池を望む家」

 こちらも重鎮と言ってよい、絹巻豊さんにお願いしたものです。このあたりが、デジカメとの分岐点でした。

 予算がない時は、自分で撮ったこともあります。

 2010年の「イタウバハウス」です。やはりちょっと腕が落ちます。

 最近は平井美行さんに撮って貰う機会が多くなりました。

 2017年の「さかたファミリー歯科クリニック」

 2018年の「トレジャーキッズたかどの保育園」

 そして2019年の「住吉区歯科医師会館」

 建築にとって開口部は、人の目のようなものです。

 目から感情が伝わってくるように、内部空間の雰囲気が漏れ出し、建物の印象を決定付けます。

 それゆえ、夕景の方が情緒豊かです。

 六甲山や生駒山から夜の街を見下ろした時、無数の光に人の温かさや息吹を感じるのに似ているかもしれません。

 夕景に始まった私の物創り人生ですが、いつか夕景で終わるのでしょうか。

 最高の一枚を求め続けます。

■■■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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時は、よく用いるものには親切なり‐1676‐

 先週末「Ohana」のクライアントと会っていたのですが、昨日は萱島を訪ねました。

 京阪萱島駅を貫く大楠木は、萱島神社のご神木でもあります。

 改札を出ると、すぐに出汁のいい香りが鼻をくすぐるのもこの駅の特徴。

 設計時、早く着いた時には思わず暖簾をくぐったものです。12年程前の話ですが。

 着いてすぐ、斜め45度から1枚撮りました。この角度が、環境をよく表しています。

 ご実家の一部を切り取って敷地としたのですが、連続するH鋼は、母屋への通風を確保しながら、外部スタジオを捻出しています。

 「35本とは流石に縁起の良い数字を選んでますね」と、お客さんに言って貰ってそう。

 意図したものでは無かったのですが。

 中央のオリーブは、残念ながら2018年9月の台風21号で倒れてしまいました。

 2年が経ち、小さな芽が増えていました。

 1階のレセプションでご夫妻と3時間程話をしていました。

 いつも「とても居心地がいい」と言ってくれるのですが、この季節は南面する窓が最も活きる時期。

 日のあるうちに2階の撮影スタジオものぞいてきました。

 磨き上げられた床に観葉植物。

 大切にされているのが伝わってくるのです。

 2階の大開口から南を眺めると、周辺の買収が進んでいることが良く分かります。

 隣接する府道の拡張が決定したのです。

 背景となる壁に通常窓は設けませんが、北側にL字の開口を切りました。

 自然光を積極的に取り入れることを試みたのです。

 その縦スリットから北の萱島駅方向をのぞきます。

 建物中央に向かって道路境界が迫っています。第1期の買収で残っているのはこの建物だけになりました。

 2009年秋に駅前店から移転し、写真スタジオの新たな可能性を探ったのがかやしま写真スタジオOhanaです。

 地域の人達に認識して貰い、建築費を回収し、さあこれからという時で、「はたと困った」というのが本音でした。

 しかし新敷地がほぼ決まったこのタイミングで、本格的な打合せも始動しました。

 新敷地から現Ohanaを見返してみます。

 初めて計画地に立った時、私の全てのセンサーが全方位に向けて全開になるのです。

 ご夫妻での打合せ後、クライアントとはこんな所へ行くことになります。

 そして、こうなって。

 こうなります。

 酔わなければ話せない間柄ではありませんが、ビールと共に更に夢は膨むものです。

 ある現場からの帰り道、現場監督がこんなことを言っていました。

 「早く帰ろう、1つでも手間を減らそうとする職人が居るけど、そんなに急いで帰って何をするんですかね」

 少しでも遅く帰りたいという訳ではありませんが、同感です。

 時は、よく用いるものには親切なり

-ショウペンハウワー

 19世紀のドイツ人哲学者の言葉ですが、人にしても、物にしても、お金にしても、乱暴で、自分勝手な人を好きになる理由がありません。

 また、同時代を生きた鉄血宰相、ビスマルクはこうも言っています。

 青年にすすめたいことは、ただ三語につきる。すなわち働け、もっと働け、あくまで働け。

 初めて読んだ時は笑ってしまいました。

 ゲルマン魂が、こんな言葉をはかせるのでしょうか。

 気が付けばこんな時間になっていました。

 春は色々なことが動き出す時です。青年と同様、私に出来ることは働くことだけです。

■■■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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灰色の巨塔‐1669‐

 フッターに書きましたが、2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞しました。

 Houzzの人から、案内等も含めて電話がありましたが、建築家のうち3%の受賞だそうです。

 多いのか少ないのか分かりませんが、選んで頂けることはやはり嬉しいことです。

 先週「ゴッホ展」に訪れた兵庫県立美術館は2002年の開館で、安藤忠雄の設計です。

 案内図をみていると「Ando Gallery」とありました。

 館の人に聞くと、一昨年に増築されたとのこと。

 早速のぞいてきました。

 こちらは1/200の住宅模型。

 六甲の集合住宅は木製模型でした。

 出世作、住吉の長屋は1/10のコンクリート製模型。

 茨木市の光の教会も同じくコンクリート製でした。

 鉄筋は入らないと思うので、少しクラックが入っていましたが流石の迫力です。

 長男は「ゴッホ展」より面白かったと言っていました。

 松下幸之助もマッカーサーも愛したという、サミュエル・ウルマンの詩「青春」をモチーフにしたオブジェも安藤忠雄がデザインしたものとあります。

 実物は丁度海側に見えていました。

 青春とは人生のある期間だけでなく、心の持ちかたを言う。薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな肢体ではなく、たくましい意思、ゆたかな想像力、炎える情熱をさす。青春とは人生の深い泉の清新さをいう。

 青春とは怯懦を退ける勇気、安易を振り捨てる冒険心を意味する。ときには、20歳の青年よりも60歳の人に青春がある。年を重ねただけでは人は年老いない。理想を失うとき初めて老いる。

 私も大好きな詩で、色々な翻訳を読んだことがありますが、今回は「Ando Gallery」版を記しておきます。

 帰ってから調べると、「Ando Gallery」の設計、施工費用の約5億2千万円は安藤事務所の負担で、市に寄贈されたとありました。

 安藤に憧れこの仕事を選び、RC打ち放しの建築でも、真っ向勝負と頑張ってきたつもりです。

 私を選んでくれるクライアントがいる以上、絶対に負けないつもりですが、彼はどこまでも走り続けるのです。

 私にとってはまさに灰色の巨塔。

 間もなく現場が2つスタートするので、現場日記の準備をしていました。

 ヘッダー画像をランダムに表示する機能があると分かり、何パターンか作ってみました。






 作品も80作に近付いてきました。

 模型もかなりの数を保管してあります。個展もしてみたい、作品集も出してみたい、そして美術館を設計してみたい。

 安藤さんとは29歳違いなので、現在78歳のはず。

 能力が足りない分は時間で補います。仕事がある限り、命が続く限り、現役で頑張るつもりです。

 理想を失わなければ年老いないとサミュエル・ウルマンが教えてくれてたのですから、それを信じるのみなのです。

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特別扱いして貰おう‐1663‐

 車で走っている時、思わず二度見してしまいました。

 藤井寺市立生涯学習センターです。

 前面道路は6m程。狭めの二車線道路を走っていると突然現れるのです。

 良く言えば「圧巻」、悪く言えば「唐突」といった感じでしょうか。

 「アイセルシュラホール」とありますが、巨石を運ぶ修羅と、藤井寺市内で発見された船形埴輪をモチーフになっているそうです。

 館内で働く職員の方が教えてくれたのですが、この資料は世界遺産登録前のものでしょう。

 「百舌鳥・古市古墳群」が世界遺産に登録されたのは昨年夏のことでした。

 中百舌鳥古墳群では、世界最大と言われる仁徳天皇陵がよく知られています。

 しかし古市古墳群も密度では負けていないのです。

 その真っただ中にあるアイセル シュラ ホールは、1994年の完成で類設計の設計です。

 「ふるさと創生事業」に端を発したのだと思いますと職員の方は言っていました。

 敷地はため池の一部を埋め立てたそうで、全周から建物を見ることができる珍しいロケーションです。

 1階は憩い・集いのスペースで、喫茶コーナーがUFOのように張り出しています。

 その部分は、USJにありそうな擬岩で覆われており、屋外階段となっています。

 2階へ直接アクセスすることも出来るのです。

 西には仲哀天皇陵を望みます。

 2階は展示室になっていました。

 近鉄電車に土師(はじ)の里という駅がありますが、これは古墳築造のエキスパートとされる土師氏の本拠地だったことに由来します。

 展示室はなかなかに見応えがありましたが無料でした。

 3階は公民館活動、教育研究活動のフロアでした。

 東の池に面した側には、舳先のような窓。先に見えるのは二上山でしょう。

 外から見返すとこんな景色です。

 この部分は、船形埴輪に修羅を付加したようです。

 日本人はどちらかと言えば暗喩的な表現を好みます。

 これだけダイレクトに表現された建物は、1964年完成、丹下健三設計の香川県立体育館くらいでしょうか。

 正面に立つとまるでロボットの顔のようでもあります。

 職員さんに「凄い建物ですね」と声を掛けたら、「ちょっと古い資料ですけど」と言って、プランの入っているリーフレットを出してきてくれました。

 リーフレットを見ていると、4階は開閉式の屋根付きゲートボール場となっています。

 これは見てみたい!と思い「4階なんかは、まさか見せて貰えないですよね?」と訊ねると、「予約がないと無理なんです……」と。

 当社のモットーに「特別扱いして貰おう!」があります。

 媚びる訳でなく、お金を払う訳でなく、相手に興味を持つことで、そんなことが起るのではと思っているのです。

 ただ、調子に乗り過ぎると駄目。引き際も肝心です。

 色々教えて貰ったお礼を言うと「どうぞゆっくり見て行って下さい!」と笑顔で言ってくれました。

 この「特別扱いして貰おう」ゲーム。思いのほか効能があるので、よければ試してみて下さい。

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ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
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『houzz』4月15日の特集記事
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「風情」は凄い‐1653‐

 先週木曜日に、「ならまち」を訪れたことを書きました。

 奈良市観光協会のwebサイトにはこうあります。

 ならまちは世界遺産である元興寺の旧境内を中心とする地域を指します。

 奈良の町屋全体をそう呼ぶのかなと思っていましたが、エリアを指すものでした。

 電車で言えば近鉄奈良駅から南の商店街を抜けたあたり。

 コンビニも町屋に入っています。

 三条通り沿いにある南都銀行本店。

 東京駅や奈良ホテルの設計で知られる、辰野金吾の弟子、長野宇平治の設計。多くの銀行を設計しています。

 「南都と呼ばれる社寺のまちから商業のまちへと変化していき、現在に至る」という説明もありました。

 銀行名はここからきているようです。

 広い間口の家が多く、これは京都と反対。

 ゆったりした雰囲気なのは、このあたりが影響しているでしょう。

 風習として残るのが「身代り申(さる)」。

 「庚申(こうしん)さん」のお使いである申をかたどった魔除けが軒に吊るされています。

 家の中に災難が入ってこないよう身代わりになって貰うのですが、背中には願い事も。

 良いも悪いも背負って貰い、申し訳ない感じがしなくもありませんが。

 普通の店舗にも吊るされているのが、何だかホッとします。
 

 中心である元興寺(がんごうじ)まで南に下ってきました。

 現在の何倍もの規模を持っていたようで、ならまちエリアがほぼ境内だったそうです。

 東門の先に見えるのが、国宝・極楽堂です。

 この日は来訪者も少なく、ゆっくり見ることができます。

 南に回ると、寄棟屋根であることが分かりました。

 石仏・石塔群の「浮図田」。

 石は語らずとも何かしらの意思が伝わってくると感じるのは、決して言葉遊びではありません。

 西隣に建つのは禅室。こちらも国宝です。

 極楽堂を見返すと、西面屋根の一部は色が違うのが分かります。

 元興寺は718年に飛鳥の法興寺(飛鳥寺)が平城京に移されたお寺です。

 その法興寺(飛鳥寺)は、日本最初の本格的伽藍を持つ仏教寺院で、聖徳太子と同時代を生きた蘇我馬子が593年に創建しました。

 この部分の屋根瓦は、その頃の物で1300年の時を超えて存在する「日本最古の屋根瓦」なのです。

 現存する世界最古の木造建築は法隆寺ですが、建立が607年で、火災よって再建されたのが8世紀。

 木材としては元興寺の方が古いものだという研究もあるそうです。

 それだけの風格、風合いを感じさせるものでした。

 先日の「M-1グランプリ」でも審査員を務めたダウンタウンの松本人志さん。

 彼のコメントは常にニュースになる程、最も影響力を持つ芸人です。

 その彼に誘われて放送作家になったという高須光聖さん。自身のwebサイトでこんな事を書いていました。

 「風情」は凄い。これは日本独自のもの。同じアジアの国々にも無い。

 この黙して語らぬ凛とした空気。なんとも言えぬ落ち着いた感じは日本という国にしか存在しない。

 これはたった一軒だけでは作れないここに住む多くの人が、店が、個々で感じ取って景観を作っている その一体感が風情を作っている。

 まさに空間が作り出す共同芸術なのかも。

 メモに2007年とあるので、今も掲載されているのか分かりません。また、一字一句合っていないかもしれません。

 「ダウンタウンがいなければ……」などと言う人も居ますが、彼が関わってきた番組のキャリア、そして文章を読んでいると、間違いなく一流の香りがします。

 それは、元々才能があったのか、放送作家という過酷な仕事が彼を鍛え上げたのか、幼少期から知る松本人志の影響なのか……

 おそらくその全てだろうと想像しています。

 建築においてはプロですが、風情をここまで的確に、平易な言葉で表現するのは簡単ではありません。

 街だけでなく、人の能力も感性も、ひとりでに出来上がるものではないと感じます。

 大阪で暮らし、京都で学び、奈良で風情の奥行きを知る。

 社会に対して、周辺に対して、良い影響を与えられる仕事人でありたいと思うのです。

 ただ、あれはどう考えてもコーンフレークですが。

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アンフィールドが欲しい!‐1652‐

 昨日の日曜日は大寒でした。

 寒さはこれからが本番ですが、日が長くなっていく分岐点でもあります。

 その未明、クラブワールドカップの決勝戦があると知り、テレビで観戦していました。

 各大陸のクラブ王者が世界一を争う大会ですが、ヨーロッパ王者のリヴァプール(イングランド)と、南米王者のフラメンゴ(ブラジル)の対戦でした。

 イングランド・プレミアリーグで、2年連続得点王のモハメド・サラーはエジプト出身。

 また同チームのサディオ・マネも昨季の得点王で、セネガル出身。

 見覚えがあるなと思っていたら、2018年のワールドカップで日本と対戦し、ゴールも決めた選手でした。

 試合は延長戦で、ブラジル人のロベルト・フィルミーノが決めたゴールでリヴァプールの勝利。

 見事クラブ世界一に輝きました。

 試合後、香川真司も見出したユルゲン・クロップ監督が選手と抱き合っているシーンが印象的でした。

 解説によると、彼は試合後には全ての選手に対してこういった表現をするそうです。

 プレミアリーグ優勝まで上り詰めたドイツ人監督はとても笑顔がチャーミングな人でした。

 さすがに世界最高峰のリーグに、国籍などという縛りは関係ないのです。

 熱狂的で知られるリヴァプールのサポーターも歓喜の声を上げていました。

 その本拠地がアンフィールドです。

 このワールドクラスの選手が揃う中に、南野拓実選手が移籍する訳ですから、サッカーファンならずともその活躍を期待せずにはおれません。

 あまりサッカーに詳しくない私が、いくらかリヴァプールのことを知っているのは、「千葉の家」のクライアントに教えて貰ったからです。

 写真も計画の初期段階で送って貰ったものでした。

 「千葉の家」のファサードは、レンガの壁、大きな開口、そして金属屋根で構成されています。

 クライアントからの要望は「アンフィールドを作って欲しい!」でした。

 エントランス正面にあるジグソーパズルもアンフィールド。

 階段を上がると、マジックミラーの後ろにあるのがキッチンとダイニングです。

 幸いにも北向きだったので、思い切った大開口がとれました。

 南に向かって天井の高いリビングがありますが、ロフトを備えています。

 ここはご主人の趣味の部屋であり、サッカーミュージアム。

 「リヴァプールは夢、レイソルは生活」とはクライアントの言葉です。

 日本に居る時は、柏レイソルの熱心なサポーター。

 そして数年に一度、アンフィールドまで実際に応援に行くのです。

 その経験の中で「家を建てるならアンフィールドのような外観がいい」と思うようになったそうです。

 実際のスタジアムにも、試合に向かう選手が「バンッ!、バンッ!」とパネルを叩いてからピッチへ出ていく空間があるそうです。

 「○○みたいな家がいい」と聞くと、「何かを模すのではなく、唯一無二のものにしませんか」と思います。

 しかし、こちらのクライアントと話しをしていると、アンフィールドこそが世界一なのだと分かってきました。

 その中で、住宅のスケール感に抑え込み、素材の良さを引き出すことに腐心したのが「千葉の家」です。

 広辞苑で「モチーフ」を引くとこうあります。

 絵画・彫刻・小説などにおいて、表現の中心的な動機となるものごと。

 おそらくこの計画においては、表現の中心ではなく、アンフィールドは家を建てたいという動機まで担っていたと思います。

 昨年、「千葉の家」にテレビ取材のオファーがあり、少しやり取りをして以来お話しはしていませんが、昨日は祝杯を上げられたと思います。

 世界中のリヴァプールファンに心からお祝い申し上げます。

 これが私とリヴァプールを繋ぐ唯一のストーリーですが、人の縁とは不思議なものです。

 千葉からクライアントが訪ねてきてくれなければ、朝方までテレビの前で応援することは無かったと思います。

 今年もついに10日を切りました。

 顔上げて、世界を見てラストスパートです。

 私だけがワールドクラスになれないという法律はありませんから。

 

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