前回、6月2日(日)に養老を訪れたところまで書きました。
昼前、孝子伝説と瓢箪の街をでて桑名に戻りました。
養老鉄道で45分程です。
朝一番の近鉄特急で桑名に到着したので、一度ここで乗り換えをしています。
この駅は、近鉄、JR、養老鉄道が同じ駅舎の中にあります。
通路の端々に、乗り換え用の改札があるのが見えるでしょうか。
ここにタッチするだけで乗り換え出来るのです。
桑名の街は、関西で言えば枚方くらいの雰囲気でしょうか。
乗り継ぎ駅なのでぶらぶらしようと思っていましたが、「六華苑」という近代建築があることだけ分かっていました。
鹿鳴館の設計でも知られる、イギリス人建築家、ジョサイア・コンドルの設計です。
駅から20分程掛けて歩いていくと「本日イベントの為休業」とあります。
聞くと映画の撮影だそう。
仕方なしに六華苑と隣り合う庭園、「諸戸氏庭園」だけのぞいてきました。
諸戸家は、米の仲買で財を成し、明治にこの庭園を手に入れました。
目の前で揖斐川と長良川が合流し、東海道唯一の海路、七里の渡し跡も残っています。
交通と流通の要所だったことが分かります。
この煉瓦造りの米蔵も明治期のもので、文化財に指定されています。
菖蒲池を中心とした回遊型の庭園で、その名の菖蒲が満開です。
白に淡い紫。
濃い紫と、緑のスラッとした葉に良く映えます。
推敲亭という草庵がポツンと建っています。
この時代の豪商は、何とセンスが良いのかと思います。
現代なら、秀吉よろしく2、3割は金ピカになっていそうなものですが。
横にある織部灯篭は古田織部考案と言われ、下部に見える人型の彫が見てとれます。
キリシタン禁制の時代、信者が用いたものが、茶庭の趣のひとつとして残ったとも言われているそうです。
昼を少し回りましたが、駅前まで戻り昼食をとることに。
満席の餃子屋があり、かなりいい感じだったのでのぞいてみると「今、満席」と、とりつくにべもなし。
いくら美味しくても、その感じはノーサンキューなので他の店をのぞきます。
懐かしのドムドムがありました。
昔、近所にあったので良く行きました。しかしハンバーガーもパス。
客入りの差がかなり激しく、一番入っている店にしました。
蕎麦と中華そばがメニューにあり、若干いぶかりながら入ったのですが、これが大正解でした。
ラーメンではなく中華そば。
出汁がしっかり効いており、あっさりにも関わらず味はしっかりで、とても美味しかったのです。
無駄なお金を使いたい人は居ません。客の入りとはつくずく正直なものです。
名物という「安永餅(やすながもち)」も頂きました。
寛永の時代につくられた旅人のお菓子ということで、餡子入りの餅。
江戸時代から売れ続けている訳で、間違いのない味でした。
電車で出掛ける時は、ジョギング用のスニーカーを履き、歩きに歩きます。
一日歩きまわって、行き帰りの電車で本を読んで、ちょっと美味しいものを食べて。
昔仕事を一緒にしたコピーライターの人が、「趣味はお出掛け」と書いていました。
私の場合は「遠出」でしょうか。遠ければ遠い程、ときめくのです。
大阪もインバウンド効果で潤っています。その時に、一番心象を左右するのは、人だということは、肝に銘じておいた方が良いと思います。
観光客がお金にしか見えていない店主のあなた。
ばれていないと思っているのは、本人だけなのですよ。
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