過去という事件‐1115‐

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 先週の日曜日、義父の里で子供が柿とりをしてきました。

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 柿は果物としては珍しく、日本の固有種です。

 イタリア語でも複数は「カキ」。ただ、1つなら「カク」と言うそう。

 庭のセンリョウも、赤い実をつけていました。よく見ると、セミの抜け殻が。

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 セミの鳴き声が聞こえなくなり3ヶ月。殻が音を立てるはずもありませんが、全く気がつきませんでした。

  空蝉の 身をかえてける 木のもとに

 なほひとがらの なつかしきかな

 (蝉が殻を脱ぐように、衣を脱ぎ捨て逃げ去ったあなた
  その人柄が懐かしい)

 過去に一度だけ関係を持った光源氏と地方役人の後妻だった空蝉。慎ましやかな空蝉に、光源氏は惹かれ、更に迫ります。

 しかし、その身分や立場ゆえ悩み、上着だけを残し、音も無く逃げたと言う場面です。

 「源氏物語」は紫式部が平安後期に書いた小説です。このような光景をみて着想を得たのでは……

 千年の時を遡り、紫式部と私はつながりました。勝手な想像ではありますが。

 火曜日には、明治時代だろうという住宅の調査へ行って来ました。その古びた瓦、土壁の中で、確かに人は暮らしていました。

 梯子のように急な階段。電気もなく、背割り排水による汲み取りのトイレで、人々は確かに暮らしていたのです。

 未来は現在の”影”でしかないが、過去は現在を知る宝庫でもある。

 私は人の過去にふれてみたくなる。

 はるかに刺激的で魅惑的である”過去”という事件。

 -山本隆司- エディター

 百年、千年の時を越えて人の過去に触れてみたくなる。そういう自分が確かに居ます。

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