「女心と秋の空」とはよく言ったものです。
雲の形も目まぐるしく変化していきます。
一瞬とて、同じ形にはとどまりません。見ていて飽きることがないのです。
「リベンジ」という言葉が、一般的に知られたのは松坂大輔投手がインタビューで使ってからだと思います。
現在は中日ドラゴンズに所属しますが、当時は西武ライオンズで、文字通り日本の頂点に君臨する投手でした。
「リベンジ」は復讐すること、報復、仇討ち等を意味しますが、スポーツ等では、一度負けた相手に借りを返すという使い書い方が主流です。
私の記憶が正しければ、この使い方を初めにしたのは、格闘技業界だったと思います。
若い頃はプロレス、K-1、総合格闘技が大好きで、専門誌を毎週買う程だったので、おそらく間違いないと思います。
更に「アベンジ」という言葉も見つけ、調べてみると以下のような説明がありました。
リベンジが個人的な理由による復讐であるのに対し、アベンジは正義感による悪への報復という意味合いをもつ。
なるほど、だから「アベンジャーズ」だったのです。
「アベンジャーズ」は、アメリカの『MARVEL』(マーベルコミックス)から出版されたコミックです。
長男が大好きで、最新作も映画館へ観に行っていました。
これは長男が部屋に貼っているポスターです。
それで、筆箱も『MARVEL』。
それに影響を受けた娘も『MARVEL』。
この重石のようなものも『MARVEL』。
用途が何かは知らないのですが、確かに格好いいのです。
「マーベル」も調べてみるとは驚く、驚嘆するという意味でした。だから「マーベラス」は驚く程素晴らしいという意味だったのかと納得しました。
知っているようで知らないことばかりです。
松坂投手が「リベンジ」をインタビューで使った時、メディアは一斉に取り上げましたが、私は多少違和感を持っていました。
力と技がぶつかり合うスポーツの世界で、何となく私闘を連想させる「リベンジ」は合っていない気がしました。
例えば、当社が設計コンペで負けたとして、「次はリベンジだ」は、合っていない気がします。力不足で負けたので、復讐する必要などありませんから。
また、相手が「悪」な訳でもないので「アベンジ」もマッチしませんが、どちらかと言えば仕事は「アベンジ」よりでやりたいと思うのです。
リベンジよりアベンジよりで、マーベラスな仕事を、という感じでしょうか。
1980年生まれの松坂投手は現在38歳。
今シーズンの終盤、日本球界では「松坂世代」の引退が話題になっていました。
今年の活躍までは、何度も引退の声を耳にしました。それでもスタイルを変えながら、ここまで現役を続け、また、ファンから支持されてきたのです。
松坂投手の魅力は、この春にも一度書きました。
加えて言うなら、一流で居続ける人は「柔らかい」気がします。
上り詰めるまでは、死にもの狂いで頑張るしかないのだと思いますが、「居続ける」ということは変化し続けるということです。
雲が変化を望んでいる訳でなく、風や大気の状態が、そうさせるのです。
人は雲と違って意思があるので、全てが風任せとはならないでしょう。
しかし、抗うだけでなく変化することを意識しなければ、ただ疲弊するだけで、人生が終わってしまうかもしれません。
およそ私が不得手だった「柔らかい」。しかし、それは確実に、極めて大切なことのような気がしています。
■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm「回遊できる家」放映
■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園
【News】
■ 『住まいの設計05・06月号』3月20日発売に「回遊できる家」掲載
■『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売に「阿倍野の長家」掲載
■『homify』6月29日に「回遊できる家」掲載
■『homify』6月2日に「イタウバハウス」掲載
■『houzz』5月28日の特集記事に「あちこちでお茶できる家」掲載