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なんてったって、はじめてですから‐1367‐

 先週末、「長田の家」の1年点検に行ってきました。

 竣工は2016年の3月。撮影は6月でした。

 コンセプトは「白いダイヤモンド」。

 東大阪市の長田は工場地帯です。この街に白いダイヤモンドを浮かび上がらせてみたい。そう思ったのです。

 敷地は角地で、トラックの往来が多いことから、1階北側は1mほどセットバックしています。

 音対策に加えて、トラックからの見通しも考えてのこと。

 道路側の窓は高い位置にきっていますが、これも音対策。十分期待に応えてくれているようです。

 南に高い社屋が建つこともあり、中庭型の住宅を提案しました。

 玄関前の長い庇は車の乗り降りの際、雨に濡れないよう考えたものでしたす。

 クライアントはメーカーの創業家に生まれ、何れは経営者となるでしょう。

 同じ街に住居を構えることを指し「働く覚悟」と言いました。

 子供さんたちは、いつかお父さん、お母さんの覚悟を感じてくれるでしょうか。

 撮影から10ヵ月経っても変わらず美しく、新たに加わった黄緑のソファと座布団がよく合っています。

 時計もシンプルなものを探してくれたとのこと。

 この家に愛情を注いでもらっているのが伝わってきます。

 以前の課題で、2階トイレで水を流すと、近くにある手洗いでウォーターハンマー現象が起こっていました。

 封水が引っ張られる現象ですが、これは手洗いに通気弁を付けることで解決しました。

 玄関ポーチ前の長い庇には、雨樋をつけようという課題もでました。

 いくつか改善点は上がりましたが、基本的にはとても楽しく暮らしていると言ってもらったのです。

 最後は、監督によるお掃除講座。

 汚れの取り方を、奥さんにレクチャーしてもらいました。

 この日、上2人のお子さんは外出中。

 一番下の次男君が途中で帰ってきてくれました。

 打合せ時は生後数カ月。いつもベビーカーに乗って、来社してくれたものです。

 彼がお母さんにおねだりしたのは、元祖ゴーストバスターズ。

 もう完全に大人です。

 クライアントと3時間は話していたでしょうか。

 その中で、一番記憶に残っているのが「なんてったって、はじめてですから」という言葉です。

 一生に一度、さらに最も高い買い物を、私達に任せてくれるというその期待と不安。

 こうしてクライアントの話を聞いていると、多くの気付きがあります。

 webサイトにも「長田の家」をUPしたので良ければご覧ください。

 「1年後の感想」も、かなり詳細に書いてもらいました。私が一番笑ったのは、訪れた方の感想です。

 芸能人のお家か!

 タレントさんの家も設計させて貰いましたし、決して芸能人を馬鹿にするつもりはありません。

 芸能人の方の家より、いいものになったのではと勝手に思っているのです。