車で走っている時、思わず二度見してしまいました。
前面道路は6m程。狭めの二車線道路を走っていると突然現れるのです。
良く言えば「圧巻」、悪く言えば「唐突」といった感じでしょうか。
「アイセルシュラホール」とありますが、巨石を運ぶ修羅と、藤井寺市内で発見された船形埴輪をモチーフになっているそうです。
館内で働く職員の方が教えてくれたのですが、この資料は世界遺産登録前のものでしょう。
「百舌鳥・古市古墳群」が世界遺産に登録されたのは昨年夏のことでした。
中百舌鳥古墳群では、世界最大と言われる仁徳天皇陵がよく知られています。
しかし古市古墳群も密度では負けていないのです。
その真っただ中にあるアイセル シュラ ホールは、1994年の完成で類設計の設計です。
「ふるさと創生事業」に端を発したのだと思いますと職員の方は言っていました。
敷地はため池の一部を埋め立てたそうで、全周から建物を見ることができる珍しいロケーションです。
1階は憩い・集いのスペースで、喫茶コーナーがUFOのように張り出しています。
その部分は、USJにありそうな擬岩で覆われており、屋外階段となっています。
2階へ直接アクセスすることも出来るのです。
西には仲哀天皇陵を望みます。
2階は展示室になっていました。
近鉄電車に土師(はじ)の里という駅がありますが、これは古墳築造のエキスパートとされる土師氏の本拠地だったことに由来します。
展示室はなかなかに見応えがありましたが無料でした。
3階は公民館活動、教育研究活動のフロアでした。
東の池に面した側には、舳先のような窓。先に見えるのは二上山でしょう。
外から見返すとこんな景色です。
この部分は、船形埴輪に修羅を付加したようです。
日本人はどちらかと言えば暗喩的な表現を好みます。
これだけダイレクトに表現された建物は、1964年完成、丹下健三設計の香川県立体育館くらいでしょうか。
正面に立つとまるでロボットの顔のようでもあります。
職員さんに「凄い建物ですね」と声を掛けたら、「ちょっと古い資料ですけど」と言って、プランの入っているリーフレットを出してきてくれました。
リーフレットを見ていると、4階は開閉式の屋根付きゲートボール場となっています。
これは見てみたい!と思い「4階なんかは、まさか見せて貰えないですよね?」と訊ねると、「予約がないと無理なんです……」と。
当社のモットーに「特別扱いして貰おう!」があります。
媚びる訳でなく、お金を払う訳でなく、相手に興味を持つことで、そんなことが起るのではと思っているのです。
ただ、調子に乗り過ぎると駄目。引き際も肝心です。
色々教えて貰ったお礼を言うと「どうぞゆっくり見て行って下さい!」と笑顔で言ってくれました。
この「特別扱いして貰おう」ゲーム。思いのほか効能があるので、よければ試してみて下さい。
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