2度目の人生‐1368‐

 今日の朝、神社の桜も満開でした。

 その下を歩くのは1年生か2年生か。

 今日から新学期という学校がほとんどでしょうか。

 土曜日はあいにくの天気でしたが、長男の入学式でした。

 中学校の制服姿を見ると、まずは大きくなったなという感慨があります。

 そして期待と不安。これは本人も同じでしょう。

 子を育てるというのは、人生を復習、追体験することに近い気がします。

 もう30年以上前のことですが、確実に自らの記憶がよみがえってくるものです。

 私は小さい頃、初めての環境が特に苦手でした。

 自分から声をかけることができず、なかなか友達が出来ないタイプだったのです。

 中学に入ってすぐも、なかなか遊びの輪の中に入っていけなかったことを覚えていま。

 そんなこともあり、長男にこう伝えてみました。

 「まずは自分から声をかけてみたらどうかな。みな緊張しているから、ちょっと勇気を出したら相手は喜んでくれると思うよ」

 この歳になって分かるのですが、初めての環境が得意な人などいません。
 
 ところが、視野が狭く、自分のことばかり見ているので、簡単に「苦手」とか「得意じゃない」とか言ってしまうのです。

 中学1年のときから、積極的に声を掛けられる生徒がいたとします。

 彼は元からそういう性格だったのではなく、過去に自ら行動を起こして良かったという経験を持っているのだとしたら……

 個性尊重の時代で、人はそれぞれといいます。

 しかし本当の意味での個性とは、厳しい現実に削られて、削られて、ようやくにじみ出してくるものだと思います。

 いずれにしても新たな門出です。

 楽しいことは問題ありません。厳しいこと、難しいことが起ったら、それらが自分を磨く砥石だと思えれば、少しは我慢強くなれるでしょうか。

 それが成長への1本道です。

 2度目の人生。私も成長できるよう、その砥石を積極的に拾いにいかなければなりません。