当たり前にあるもの‐1340‐

 当社は今日が仕事初めでした。

 仕事初めは、昨日、今日が多かったでしょうか。

 1月3日に京都へ行く用事があり、平等院に寄ってきました。快晴に雪なら金閣寺ですが、青空で無風の平等院も捨て難いのです。

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 平等院は1052年、関白藤原頼道によって創建されました。

 今から千年近く前、頼道の考えた浄土をこの世に再現したのが鳳凰堂です。

 水面に映る姿まで愛でた、日本人の美意識がここに結実しています。

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 軽やかに持ち上げられた、両翼は軽快、かつ繊細。

 平安時代の人が見た時の驚きはいかばかりのものだったのか。

 昨年末にスタッフが2人退職し、人出不足がゆえ現行スタッフは大晦日も、元日も出社してくれていました。

 これは私がお願いしたものではありません。

 しかし、私が若いスタッフを育成できなかったからに他ならず、本当に有り難いという気持ちしかありません。

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 昨年末の12月29日は、現場からの希望で、昨年最終の打合せがありました。

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 この時期の現場は、本当に寒いのです。

 若い大工がベニヤのお盆に載せて、暖かいコーヒーを持ってきてくれました。それを棟梁にわたす姿が、何とも微笑ましく。

 「若い人が育って、いいチームなってるね。ウチはなかなか……羨ましいよ」と言いました。

 すると棟梁が「何言ってるんですか、ここにチームがあるじゃないですか」と。

 「そうやね、こうやってやる気のある人が集まってくれることに感謝しないといけないね」と返したのです。

 「当たり前にあるものほど、本当は一番大事」

 これは、ダウンタウン松本のブレーンであり、構成作家・高須光聖の言葉です。

 当たり前とは、自分が選び続けている現実ともいえます。また、人は知らない人を応援することはありません。

 組織も個の集まり。まずは自分に近しい人を大切にするしかありません。

 この単純な真理をどれだけ実行できるか。

 今年一年、いや今後の人生、本気でやろうと思うのです。