イタリアより父きたる‐1274‐ 

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 先日、奈良へ行った際、ツバメの巣を見つけました。

 パン屋さんの軒先です。(コンビニではない)

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 写真を撮る私に、不審な目を向けるツバメの親。

 しかし、次に訪れた時は、巣が反対の軒先に移っていました。

 店の人が言うには「カラスがヒナを喰った」と。カラスも生きるのに必死。しかし、ツバメに同情してしまいます。その差はなんなのか。

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 先のゴールデンウィーク前、マルコのお父さんが来社してくれました。マルコが入社して2年。イタリアはラヴェンナからの訪問です。

 高校生の時から知っているという、マルコの彼女が案内して来てくれました。

 ラヴェンナはイタリアの東岸、アドリア海に面した古都で、ヴェネティアとフィレンツェの中央辺りに位置します。

 以下はマルコの写真です。

10センターオブシティ - コピー

 これがラヴェンナの中心街。

11バジリカディサンタアポリナレインクラッセ - コピー

 古代ローマから中世にかけて発展した港町で、現在は体積、埋め立てによって、内陸の町になりました。

 サンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂の完成は549年。

 初期キリスト教建築群は、世界遺産にも登録されています。実に1500年前の建築です。

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 壁面に施されたモザイクタイルは、トルコ以外なら、ヴェネツィアかラヴェンナにしかなかったそう。

 そのことからも、当時の隆盛が伺えるのです。

15テオドリコの墓 - コピー

 これは、ゴート族の王テオドリックが520年に建造した廟。西ローマ帝国、東ゴート王国が首都を置いた町なのです。

 ラヴェンナは古都だけあり、劇作家オスカー・ワイルドや、ヘルマン・ヘッセなども滞在しています。

 また、ダンテはフィレンツェでの政争にやぶれ、1317頃からこの街に滞在しました。そして、イタリア古典で最も重要な「神曲」を完成させたのです。

 イギリス、ロマン派の作家、バイロンは1819年から1821年までラヴェンナで暮らし、「ドン・ジュアン」と「ラヴェンナ日記」を書いのです。「ドン・ジュアン」の中でこう語っています。

 男にとっての恋愛は人生の一部でしかないが、女のそれは人生全てである

 バイロンの言葉に、恋愛を考えたのは遠い学生時代のこと。

 一方、オスカー・ワイルドはこう言います。

 夫婦の愛情というものは、お互いがすっかり鼻についてから、やっと湧き出してくるもの

 どちらも真実か、どちらかだけが真実なのか。

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 仕事終わり、皆で食事に行きました。

 美と食の国、イタリアから来たお父さんは「しめ鯖」まで美味しいと食べてくれました。

 愛情注いで育てた子供が、日本で働く気持ちはいかばかりのものか。

 人の親として、またトップとして、改めて気持ちを引き締めなおすしかありません。

 教育は結構なものである。

 しかしいつも忘れてはならない。

 知る価値のあるものは、

 すべて教えられないものだということを。

 皮肉屋、オスカー・ワイルドの言葉は、いつもウィットに、示唆に富みます。

 親が子に、リーダーが部下に全て教えられないことは知っています。それでも、伝え続けるしかありません。

 ツバメの子は生後何カ月で、自立していくのか。我が子は、マルコは……

 退かないと決めれば、未来は常に明るい。後は決めるだけなのです。