昨日は朝一番の新幹線で東京へ。
「四丁目の家」の1ヵ月点検でした。
こちらはまた現場日記にUPしたいと思います。
夕景撮影まで時間があいたので、六本木、麻布周辺へ建物を見に行って来ました。
まずは地下鉄の六本木1丁目から南に歩き、麻布台へ。
「和朗フラット」は1936年頃(昭和11年)に建てられた木造アパートです。
1号館、2号館、4号館が現存し、現役の賃貸アパートなのです。
こちらは、年末建築相談に見えた夫妻から教えて貰いました。
建て主が大工とのんびり作った感じが出ています。
窓の形状、色遣いは当初のままなのか、その名の通り、優しい外観です。
アパートにつき、中には入れず。
飯倉片町の交差点まで戻り、東を見ると東京タワーが目の前。
その足元にみえるのが「ノアビル」です。
先日見学に行った「びわこ北寮」の白井晟一設計です。
桜田通り、外苑東通りの飯倉交差点に建ちます。
哲学的と言われる作品の真骨頂と言えるような建築です。1974年の作品。
こちらも日曜につき、中には入れず。残念です。
現在のオフィスビルとはかけ離れた形態に惹かれるものがあります。
曇天の空に、黒の外壁と、レンガの陰影が強い存在感を放っていました。
美しく、品格を感じさせる、まさに名建築です。
こちらを「玄人好み」とするなら、対極にあるのが東京タワーでしょうか。
私が前回来たのは35年ほど前です。
上野動物園に初めてのパンダ、カンカンとランランが来たのが1972年。
その行列に並んだ記憶があるのです。
高さ333m。
大展望台は150mにあります。そこへ向かうエレベーターで、足がすくんでいました。
開口部から見えるその鉄骨の細いこと。
「デザインとは、いらないものを切りすてること」はサン・テグジュペディの言葉。
その感覚を、身を持って感じました。
怖いもの見たさついでに、ガラスの床も撮っておきました。
上に乗りません。
3月1日にスカイツリーが完成しました。
東京タワーは、観光施設として残されるようです。
通天閣も設計した内藤多仲の最高傑作。出来るならそうあって欲しいものです。
東京に名建築は数あれど、もし一つ上げるなら東京タワーだと思っています。
エジプトと言えばはやはりピラミッド。
ランドマークたりえる建築は、やはり大きいものなのです。誰もが知っているという意味では、高い、と置き換えても良いかもしれません。
それがスカイツリーにうって変ることになります。私はスカイツリーが美しい建築(塔)だとは思っていません。
しかし、そういった視点とは違う迫力で、街のシンボルになって行くのでしょう。高さは世界一なので勿論クリア。後は時間が解決してくれるのでしょうか。
震災からまもなく1年。
東京タワーの最上部はその時の揺れで曲がったままです。
もし同じ事があっても、スカイツリーではこのような事は起こらないでしょう。
それは間違いなく良いことですが、美さやしなやかさと引き換えにしていると感じるのです。