告別式

 今週の月曜日、妻の祖母が亡くなりました。

 1920年(大正9年)生まれで、およそ89年の生涯を終えました。27年先に亡くなった妻の祖父は、戦後間もない1947年(昭和22年)、北摂で電気機器関係の会社を興します。

 創業当時は物不足の時代で、釘を拾って歩いたこともあったそうです。祖母も油まみれになって働き、ひたむきに夫を支えて来たのです。

 女学校時代は、平野区にある教育大に通っていました。3年前に会った時、今は廃線となったチンチン電車のこと、近所の商店街にあった甘味屋さんのことを、懐かしそうに話していました。

 私が結婚したのは6年前で、会ったのは10回足らずですが、何とも親しみを覚えていました。何と言うか、本当に苦労して来た人の、優しさのようなものを感じたのです。
 
 現在、妻の叔父が継いだこの会社は、電磁式ポンプの業界をリードする会社になっています。今日の告別式では、仕事人としての敬意を込めて、親族としての感謝を込めて、送ってきました。

 人の死は必須です。その死は、それに係わる全ての人に、生とは何かを問います。そんな時、生は鮮やかに、そしてくっきりと浮かび上がってくると思うのです。