御器噛り

 キタナイ話ですいません。面白い話が昨年末の新聞に載っていたので紹介します。

 それは、嫌われ者の「ゴキブリ」。この名前の由来ですが、黒い漆器を被せた姿から「御器被り」とか、食器にかみつく意味の「御器噛り」から来ているそうです。

 もともとは熱帯性の生き物で、木と紙などでできていた、日本家屋では冬を越せなかったのです。すきま風が通らず、暖房を備えた立派な家にしかいなっかったので、どちらかというと「立派な家に住みつく=富裕の象徴」と目されていたようです。童謡「黄金虫」(コガネムシは金持ちだ~♪)が実はゴキブリだったという説もあるとか。

 一般の家庭に出だしたのは100年前。ゴキブリは現在地球上に存在している昆虫のなかでは、もっとも長い歴史を持ち、3億年前から、ほとんど変わらない形態で生きてきました。日本人とは以外に浅い付き合いなのです。

 そう聞けば「御器被り」という字に、忌み嫌うニュアンスが含まれていないのも頷けます。しかし実際は、そうも言っていられないのですが。