カテゴリー別アーカイブ: 11 日常

勝ってる社長は‐1739‐

 丁度一週間前、八戸ノ里駅で近鉄電車を降りました。

 駅前から少し北へ歩くと、何とも懐かしい感じの風景が広がっています。

 昭和40年代にタイムスリップしたかのよう。

 第二寝屋川に掛かる橋に立てば、何だか海沿いの街を歩いているような気分になります。

 小樽の運河を思い出すと言えば、ちょっと言い過ぎかもしれませんが。

 遅い時間まで仕事をする散髪屋さん。

 光が漏れる窓をみると、ついのぞいてみたくなります。

 誰も居ない工場を撮っているのは私くらいでしょうから、お許し下さい。

 こちらの会社、夜7時前にも係らず、沢山の社員さんが残業しています。

 業績好調な会社の製作現場を案内して貰いました。

 フッ素樹脂から様々な部品を制作する過程を、社長自らが説明してくれます。

 このマシンが特に格好いい。

 最新のものだそうですが、フッ素樹脂は粘りがあるので強いのですが、削りかすにも粘りがあり、人の手で取ってあげる必要があるそうです。

 しかしオートメーション化も進んでいました。

 ロボットアームの動きは、想像以上に早いのです。

 フランジという形状の部品。

 スイッチの一部になるそうですが、ふっそフッ素樹脂なので持ちが良いそうです。

 別フロアでは、女性が手仕事で「バリ取り」をしているところでした。

 どれだけ技術が進んでも、人の手は最も繊細です。

 また、こういった景色にホッともします。

 人が働く姿は、やはり美しいと思うのです。

 昨年解散となった盛和塾ですが、こちらの社長が元塾生が集まれる機会を作ってくれたのです。

 第二部は、「東大阪」屋上BBQです。

 「松茸まであるじゃないですか!」といきなり盛り上がります。

 後継塾ではないのですが、こちらの社長が中心となり、有志で勉強会を開催してくれているのですが、全く参加できておらず……

 皆さんに顔を忘れられないように、焼いて焼いてひたすら焼きました。

 鍋奉行ではなく、マスクをした炭奉行。

 ただ炭奉行はあまり嫌われないのが良いところなのです。

 準備も全てこちらの社長がして下さり、セレクトも量も絶妙でした。

 今年は高値となったサンマも、炭火ファアー。

 強火の遠火が理想ですが、何とか良い感じで仕上がりました。

 これで会費3千円。間違いなく足が出ているはずです。

 K社長、済みません。

 あまりにも楽しそうな写真なのでUPしてしまいます。

 勝ってる会社の社長は、やはり明るいのです。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

 

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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あなたの街の‐1736‐

 台風14号は、幸いにも本州から遠ざかる進路をとりました。

 今日も青空が広がります。

 内環状線を堺から大阪市内に向かって走っていると、白地に赤の「Furuta」の看板が見えてきます。

 子供の頃、レジのそばには必ずあった気がする「セコイヤチョコレート」。兎に角安かった記憶があります。

 この建物は工場のようで、調べてみると本社はお隣の生野区。ちょっと寄ってみました。

 なかなかに込み入った住宅街の中にありました。

 入口右の柱には「大阪税関指定保税工場」とあります。

 どういった意味なのでしょうか。

 前に流れるのは平野川。

 あまりきれいとは言えないですが、平野川と今川の合流地点でもあり景色が開けています。

 亀がユラユラと泳いでいました。

 彼にとっては、ここがマイワールドです。

 「♪フルタ、セコイヤチョコレート♪」のメロディも何となく思い出しました。

 飲食のメーカーで言えば、近くに「サンガリア」の本社があります。

 平野区背戸口は隣町で、当社から歩いて5分くらい。

 「♪いちにいサンガリア、にいにいサンガリア♪」のメロディといえば、分かる人には分かって貰えるでしょうか。

 ラムネやみっくちゅじゅーちゅがヒット商品。

 何度も聞いたメロディは記憶に刷り込まれているようです。

 日経新聞の裏面に連載される「私の履歴書」。

 私も楽しみにしているのですが、先月はアートコーポレーション名誉会長の寺田千代乃さんでした。

  ♪あなたの街の 0123♪

 ♪アート引越しセンターへ♪

 誰もが知るあのメロディです。

 創業間もないころでお金もなく、無名の若手に作曲を依頼したそうです。

 しかし作詞は別料金と知り、夫である寺田寿男さんと作詞したそう。詞というよりは作文に近いともありました。

 1968年の夫が個人事業として創業した寺田運輸から、50年でグループ売上げ1千億円にまで成長させたサクセスストーリーと言って良いと思います。

 サクセスストーリーはいつもワクワクするものですが、私が感激し、納得したのはこの電話番号の件でした。

 当時、引越しは電話帳や広告を見て電話で引越しを頼む人が殆どだったため、電話帳のできるだけ前にくるように付けた社名だということは、良く知られています。

 事業所のあった大東市で開設の申し込みをした際に、3つ提示されたものの1つが「0123」でした。

 ゼロから始める自分たちにぴったりと思い、この番号を選びます。

 事業拡大するため、まずは「06」のエリアを。東京進出を期に「03」エリアをと、この下四桁を交渉、順に入手していったそうです。

 東京のある「0123」の交渉の際、数百万円をふっかけられたことがありました。

 普段と桁が違うことに驚きましたが、寺田さん本人が交渉し、何とか折り合いをつけて譲って貰ったそうです。現在は500の「0123」を所持しているとのこと。

 アメリカ進出の際に、アート引越しセンターでは、美術品を運ぶ会社だと間違われたこともあり、「the0123」にブランドを統一します。

 単なる数字ではなくコーポレートアイデンティティとなったと結ばれていました。

 この粘りというか、熱意があれば、絶対成功するだろうことは、はっきりと分かります。

 クリニックを開業する際などは、ゴロが良かったり、覚えやすい番号を選ぶのが一般的です。

 そのような番号はすでに誰かが所有していることが大半で、電話番号の売買をビジネスにしている会社に依頼することもあります。

 そこに頼むことはあっても、まさか自分で交渉して回ったとは……

 もし大東市で「0123」が提示されていなかったらと考えると、「運」と言う部分もあるでしょう。

 しかし、地を這うような汚れ仕事をコツコツと続けた勝利だと感じるのです。

 自分の住む場所を決めたら、あとは行動するだけ。あの亀も私も同じです。

 非常に清々しいコラムでした。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

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■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
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仕事は上機嫌で‐1731‐

連休明けの水曜日は、朝から「うえだクリニック」の1年点検でした。

打合せがいつも水曜日だったのは、クリニックの休診日だったからです。

この点検は、1年前の竣工時に仮約束していました。

クライアントは皆お忙しい方ばかりなので、かなり先でもアポイントを取るようにしているのです。

「うえだクリニック」が面する長尾街道は、兎に角人通りの多い活気のある道で、この日もかなり渋滞していました。

打合せ回数は46回。

何なら、通いなれた通勤路くらいのイメージです。

水路が整備されているこの目抜き通りには、松原警察署もあります。

お巡りさんの言葉通り、しょっちゅうこの制服をみるので、治安もかなり良いはずです。

何と言えば良いのか、活気あるこの街道の風景が好きなのです。

10時にクリニックに到着し、院長と近況報告をしていました。

非情にポジティブな院長なので、いくらでも話すことはあるのですが、建築会社の担当者が一向に来ない。

電話をしてみると「あっ!」と。

忘れていたそうですが、偶然近くにいたので20分後くらいに慌ててやってきました。

怒っても仕方ないので、そこはぐっと我慢です。是正箇所を整理して、2時間程で失礼したのです。

すぐ近くには、松原市役所に松原市消防本部もあります。

渋滞で止まっていると、装備をつけたままの消防士方がジョギングしていました。

少し暑さがましになったとは言え、普段からこうやってトレーニングをしているのでしょう。

極限状態で人の命を救うことが、気合だけで出来るはずもありません。

仕事とは準備が全てなのです。

予定が押した為、このあと急いで谷町4丁目まで移動しました。

既存住宅状況調査技術者講習に参加するためです。

宅地建物取引業法の改正で、中古住宅の売買の際に行われる重要事項説明に、既存住宅状況調査を実施している場合にはその結果について説明することが義務づけられました。

この調査を行うことができるのは、既存住宅状況調査技術者の資格を持つ者のみです。

この資格は、建築士の免許を持っている人がこれらの講習を受け、修了考査に合格しなければなりません。

最後の考査中にも関わらず、ラインの着信音を切らないおじさんが隣に居たり。

「考査中はスマホは電源を切るかマナーモードにして鞄になおして下さい」と言われているのに、試験中にスマホをいじっているおばさんがいたり。

何ともどんよりした空気が流れていて、早く帰りたくなりました。考査は満点だったはずですが(笑)

「Ohana」のクライアントが「僕は風水とかあまり気にしないけど、このスタジオの気が良いのは分かるんですよ」と言ってくれました。

気が何かを正確に表現することは出来ませんが、40歳頃から、気の悪い場所には行かないようになりました。

時間は命です。気の悪い空間で時間を無為に過ごした時ほど後悔することはありません。

50年掛けて、自分の向かう方向が少しずつ、少しずつ分かってきました。

気の良いクライアントと、気の良い空間を、気持ち良く創り上げる。これが私の生きる、また生かされる道だと思います。

 仕事をするときは上機嫌でやれ

帝国ホテルの料理長を長年務めた村上信夫さんの信条です。

さすがはムッシュ村上。よく分かっておられるとい言えば言葉が過ぎますが。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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表紙、頂きました‐1729‐

 日の出の位置が、ほぼ真東になりました。

 週末には彼岸の入りを迎えます。

 日の出が遅くなるとともに、起床時刻も少し遅めになってしまいます。

 子供達には「早起きは3億円の得」と伝えているのですが、気持ちよく寝れているのでよしとしています。

 アルファブックスから9月11日に発売された『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」が掲載されました。

 出版社から、3月にメールが届きました。

 「リフォーム設計デザイン」の本を発行します。

 商業施設(飲食、レストラン、物販、サービスなど)
 住宅(戸建、集合住宅、オフィス、宿泊施設など)

 これまでにないリフォームデザインの本になります。

 リノベーション事例「回遊できる家」様を拝見しました。本書に掲載をお願いしたくご連絡しました。

 それで、こう返したのです。

 参加させて頂こうと思います。

 出来るだけ前のページで、出来れば表紙でお願いします(笑)

 「回遊できる家」と指名頂いたので、そうしようと思います。

 楽しみにしております。

 で、表紙の一番上を頂きました。

 出版も当然ながらビジネスです。

 私が頼んだからといって、「買って貰える」と感じる写真以外が表紙にくることはないはずです。

 よって、とても嬉しいことなのです。

 もし言っていなかったらどうなったのかは知りませんが(笑)

 この日曜日は、大阪モノレールに乗って彩都へ向かいました。

 万博記念公園駅で彩都線に乗り換えます。

 彩都線は、中国道の上空を通過し、更に本線と交差します。

 この複雑なレール構成で、かなり高い位置を通過するのです。

 スピードも結構出ていて、運転席後ろからかじりつきで見ていました。

 もうアトラクションレベルでした。

 彩都に来たのは2回目だと思います。

 大阪大学箕面キャンパスがあり、二級建築士試験の監理員をするためです。

 学科試験を合格した人だけが受験できる二次試験のような位置づけです。

今年の7月、建築士試験の監理員を初めて経験したことを書きました。

 コロナ下につき、席の使用率を減らすので使用部屋数は増えます。

 監理員も増員が必要となり、建築士会の分科会から要請があったという流れです。

 前回の学科試験は大阪経済大学が会場で、最新のキャンパスに驚きました。

 今回は国立大なので、やはり敷地が広い。

 かなり早めに行ったのですが、受付には列ができていました。

 学科試験を合格している人達ばかりなので、やる気が伝わってきます。

 製図試験は5時間でプランを練り、図面を仕上げなければなりません。

 ほとんどの受験者はギリギリまでガリガリと図面を描いていました。

 私が見ていると、未完成の人が結構いました。まずは完成させなければ合格はないはずです。

 ひとまず全体を成立させてから、描き込みをふやすべきで、声を掛けてあげたくなりますが、監理員なので勿論そんなことはできません。

 11時から4時まで、持てるものを出し尽くした後ろ姿からは、安堵が伝わってくるようでした。

 モノレールに乗る機会もなかなかありません。

 これは摂津あたりにある新幹線の車庫と言えばよいのでしょうか。

 圧巻の景色です。

 おそらく建築士試験の監理員は今年限りにすると思います。

 受験生を見ていると、実際に仕事とさせて貰っている有り難さをひしひしと感じます。

 そして、建築士を真剣に目指す人達がこれだけ居ることを素直に嬉しいと思うのです。

 ただ、厳しいことを言うようですが、資格は勉強すれば必ず取れます。

 もし本気で仕事にしたければ、軽々と合格しなければなりません。

 先輩風を吹かせて偉そうにすることは格好悪いことです。しかし、本当のことを言う大人が少なくなったという危機感もかなり持っています。

 耳に痛い意見にヒントがある。

 スターバックスの元CEO、ハワード・シュルツもそう言っているのですから。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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鏡に映る自分と向き合え‐1727‐

 昨晩は一雨降ったようで、今日は涼しい朝になりました。

 青柿には雨粒が残っていました。

 クーラーを入れずに寝たのはいつ以来でしょう。

 やはり自然の風で寝るのが一番です。

 明け方の空気は澄んでおり、清流のような清々しさがありました。

 高野槙などで知られる槙。以前はよく庭木に使われていました。

 近所の庭ではかなり採用されていますが、この時期に新芽がでるようです。

 ジョギングしているとあちこちに水溜りが出来ていました。

 それぞれが、鏡のように空を映しています。

 三種の神器に鏡が含まれるように、古代においての鏡は特別なものだったはずです。

 庶民は自分の姿を見たければ水面を覗き込んだのだろうか、などと考えていました。

 現代では、透明ガラスに「銀引き」という加工をして鏡を製造します。

 洗面所には必須の材となりますが、「光庭の家」では、間接照明を後ろに仕込み、収納として開くよう考えました。

 「サンルームと吹抜けのある家」の寝室にはパウダースペースがあります。

 こちらは開くと三面鏡となります。

 「White Eaves」はタイミングが合わずで、竣工写真が撮れていないのが残念です。

 バスルームの鏡も格好良く仕上げたのです。

 先日2ヵ月点検だった「ときめく紺色の家」のパウダースペースです。

 仲の良い母娘が並んでお化粧できるよう、こちらは可愛く仕上げました。
 
 鏡は使い方によって、様々な演出ができる強い素材なのです。

 吉川英治の三国志につぎのような行があります。

 人と人との応接は、要するに鏡のようなものである。驕慢は驕慢を映し謙遜は謙遜を映す。

 人の無礼に怒るのは自分の反映へ怒っているようなものといえよう。

 いつも言い聞かせているつもりですが、なかなかこのレベルに到達するのは難しいものです。

 と、言っているから難しいのかもしれませんが。

 娘さんがアマレスの五輪メダリストであり、ボディビルダーでもある、元プロレスラー・アニマル浜口さんはこう言っていました。

 毎朝、素っ裸になって鏡に映る自分と向き合え!

 どんな文脈だったのか忘れましたが、半分は理解できます。

 左右反転である点を除けば、鏡は嘘をつきません。

 姿だけでなく心まで映すという言い方もできますし、姿には心も反映されているという言い方も出来ると思うのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

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走る、曲がる、何より止まる!‐1723‐

 前回は創業の地、天王寺について書きました。

 そもそも天王寺へ行ったのは、自転車引き取りの為です。

 修理しながら、騙し騙し乗っていましたが、いよいよブレーキの効きが悪くなっていました。

 近所の自転車屋さんを2軒回るも「うちでは修理できません」とつれない返事。

 それで、購入した「MOVEMENT」まで車で運び、修理をお願いしていたのです。

 お盆期間を挟んでいたので、10日振りに帰ってきました。

 593年に、聖徳太子によって建立されたは四天王寺は、日本最古の官寺です。

 一般的に「天王寺さん」と呼ばれることが、あたりの地名となりました。

 四天王寺は朱色の五重の塔でも知られます。

 その南にある、「阿像」と「吽像」が守る仁王門。

 ここから南に下ったあたりに「MOVEMENT」はあります。

 そこまで行って購入したのには訳があります。

 創業と共に購入した無印の自転車に18年乗りました

 しかし、携帯を見ながら自転車を運転していた女の子がぶつかってきたのが致命傷となり、仕方なく乗り換えを決めました。

 色々探しましたが、希望の自転車が見つからず、こちらのお店に相談。この自転車を紹介して貰ったのです。

 2013年のことです。

 ところが1年前くらいに、焦る表情を浮かべながら、完全な信号無視で私に急に飛び出してきた、若いお母さんの自転車がありました。

 衝突を避けるために急ブレーキ。その時、前輪のワイヤーが切れてしまったのです。

 詫びるどころか、止まりもせずに行ってしまいました。

 衝突は何とか回避しましたが、ワイヤーが短くなったのでブレーキまで届かない。

 何ともやりきれない気持ちで、出勤したのです。

 その後、ギリギリまで引っ張ってブレーキと繋ぎ、無理やり乗っていたのですが、今度はディスクを挟むパッドの部分も擦り切れてしまったよう。

 後輪のブレーキもたるんだワイヤーを引っ張り、引っ張りしているとこの通りに。

 今回、前輪はワイヤー、パッドとも新品に。

 後輪のワイヤーも付け替えて貰いました。

 帰り道、上町台地からは下る一方で、暑さなど全く気にならない快適ライドです。

 ペダルも軽く、軽量のアルミボディにつきハンドリングも軽やか。

 何より適切に効くブレーキがこれ程心地よいものだったとは!

 ルンルン気分で、20分程かけて自宅へ戻ったのです。

 MOVEMENTの店長さんも言っていましたが「こんな時期なので、有り難いことに自転車の需要が増えているんです」と。

 街でも、電動自転車を見る比率もかなり増えました。

 今回は致命傷になりませんでしたが、マナーの悪い運転で危険な目にあったことがある人も多いと思います。

 人間の体は、自分が走れるスピード以上の衝撃に耐えれるようには出来ていません。

 世界記録、ウサイン・ボルトでも時速37.5kmです。

 住宅の3階の高さを8mと仮定し、地面まで落下した速度を計算してみます。

 自由落下の公式は以下の通り。

・v[m/s]=gt  (t[s]:時間)

・y[m]=1/2gt2

・g=9.8[m/s2]

 yに8を代入してみます。

・8[m]=1/2*9.8[m/s2]*t2 t=1.28[s]

・v[m/s]=9.8[m/s2]*1.28[s]=12.544[m/s]

 これを時速に直すと45km/h。

 2階からなら36km/hで、それ程怖さを感じないのは、人は敏感に本能で分かっているからだと思っています。

 スマホ見ながらのお嬢さん。暴走お母さん。

 自転車は人を傷つける可能性のある乗り物です。性能が上がった今は、生死にかかわることも稀ではありません。

 是非自分が止まれるスピードでとどめて貰うようお願いします。

 天王寺の仁王門から、MOVEMENTの店長……でなく、

 「阿像」那羅延金剛力士がにらみをきかしていますよ。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

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人が望む曖昧な周期‐1716‐

 長かった梅雨が明け、いきなりほぼ真夏日です。

 どこで聞いたのか、娘が「セミが鳴きだしたら梅雨は終わり」と言っていました。

 言われてみれば梅雨とセミはマッチしませんが、いずれにしても夏本番です。

 日経新聞だったかに「コロナ禍でなくコロナ下」とありました。

 建築設計においても、環境は全て受け入れ、良い所を探すだけ。

 これはすでに環境だと思うべきことのようです。

 この春、育児休暇から復帰したスタッフは、ほぼフルタイムで働いてくれています。

 この状況なので、子供を預ける保育園からは少し熱が上がると電話が掛かってきます。

 不安定な勤務状態は本人が辛いでしょうが、仕方ありません。

 先日は打合せ直前だったこともあり、子供をバギーに乗せて出社し、数時間仕事をしてくれました。

 1歳を過ぎた彼も、初めは機嫌よく遊んでいたのですが、もちろん飽きてきます。

 ぐずり出したので「バギーで外を歩いてきてもいい?」と聞くと「勿論大丈夫です」と。

 公園の木陰を散歩していると、あっという間に眠ってしまいました。

 昼間の木陰を散歩することなど滅多になく、私が気持ちよかったくらいですから当然と言えば当然です。

 木漏れ日について少し考えてみます。

 私の住んでいる街は、1970年前後に開発された住宅地ですから、公園の藤棚もほぼ同い年。

 年輪を重ね、「ふじ」などという繊細な雰囲気は全くありませんが、これも木漏れ日です。

 ポイントとしては、葉が揺れたり、葉の密度には濃淡があるので、一定ではないということでしょう。

 太陽は移動するので、一日で大きく変化もします。

 屋外なので空気が動いているという点も、「心地よい」という感情へ訴えかける大きな要素でしょう。

 ふた時代ほど前に「ファジー」とか「1/fゆらぎ」をキーワードにした家電が流行しました。

 扇風機などがその代表格ですが、物理で言えば「T=1/f」。

 Tは周期を示す記号で、「ファジー」は曖昧とか不確定という意味ですから「人が望む曖昧な周期、リズム」といったところでしょうか。

 電車に乗ると眠たくなるのは、レールの継ぎ目が引き起こすリズムあるガタンゴトン音が要因だといわれます。

 生物は全て海に起源を持っているので、波のリズムが遺伝子に刻み込まれているのかもしれません。

 人はスケジュールにびっしり縛られるのも嫌です。かと言って、全くルールがなければ自分を律するのはかなり難しいもの。

 時間、曜日、暦など、見れば見る程よくできているなと感じます。

 その源が、潮の満ち引きだったり、太陽のリズムからきていると考えると、こちらも当然のことなのかもしれません。

 人が望む曖昧。

 それが分かれば一番ですが、まずはリズムあっての曖昧で、さほど曖昧ではないのかなと考えたりするのです。

 芭蕉が夏草に故人への思いを馳せたように、私も祖父母が暮らした岡山の海沿いの街や、金毘羅さんへの参道沿いの家を思い出します。

 コロナ下という環境ですが、もう少しだけ落ち着いたら、瀬戸内海を見下ろす墓地と、像頭山を望む墓地を訪ねたいと思うのです。

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ちょっと相当ヤンチャな愛嬌‐1709‐

 平時なら青葉美しい季節ですが、今年は休まる時がありません。

 梅雨とは言え、これだけ雨マークが続く天気予報はなかなか……

 「令和2年7月豪雨と命名」という記事がありました。

 地域名が入っていない通り、九州から東海、東日本に至るまで、日本列島を覆う程の雨雲をみると、不気味にすら感じます。

 河川の氾濫によって、濁流に家や田畑をのまれた人達の気持ちを慮ると、やりきれない気持ちになるのです。

 近所の中学校は開校していたようですが、電車通学の我が家の兄妹は2日続けての休校でした。

 土曜も学校があった私達世代と比べると、ことしの登校日は半分くらいになってしまうかもしれません。

 縁あって、中学・高校の同窓会の世話役代表を引き受けています。

 開催日をオリンピックイヤーの12月30日と決め、2004年に第1回を開催しました。

 2016年の第4回が最多で64名の参加。

 同窓生270名のうち、100名くらいが参加してくれる会になればと思い、4年に一度だけ、母校と同窓生のために頑張っているつもりなのです。

 前々回から、会場は大阪マルビルの第一ホテル、開始時刻も17時に固定しました。

 そんな関係で、私が進行もさせて貰っているのですが、3時間程かけて参加者全員が、順に近況報告をするだけ。

 だけなのですが、とにかく楽しいのです。

 普段連絡を取り合っている訳でもないのに、完璧な間合いでつっこみが入り、盛り上がります。空間がとても温かいのです。

 今回案内を出すと、2割くらいの返信がありました。

 その中に、当時現代文を教えてくれた中條先生からのものがありました。

 この6月に『蒼穹』(そうきゅう)という俳句の句集を出版されたとのこと。1冊送って下さったのです。

 すでに重版されているとのこと。1句触れてみたものがあったのですが、俳句はあまりにも知識がなく、もう少し勉強してからにします。

 ご自身のブログにそのやりとりをUPして貰っています。

 宮本輝の『優駿』と志水辰雄の『散る花もあり』を教えて貰ったのが中條先生で、どちらもストーリーが刺激的なのですが、リズムの良さ、文章の美しさが印象に残っています。

 もっと正直に言えば、折角書くなら、このレベルまで行ってみたと、心のどこかで思っているのですが。

 私の印象としてこう書いて下さいました。

「モリヤ」という呼び名の響きとちょっと相当ヤンチャな愛嬌ですね。そのずっとあとになってビフォーアフターで匠(アゲイン)を伝え聞いて嬉しかったですね。

 当時のあだ名が「モリヤ」で、かなりソフトに書いて貰ったのですが「相当ヤンチャな愛嬌」という表現がすっかり気に入ってしまったのです。

 来年が定年とのことで、最後はこう結ばれていました。

 こんなに嬉しい教え子からのメールは本当に久しぶりです・・・楠葉の花屋さんと同期でその彼のことは「激務をぬって二、三度出席してくれたはずです。」と教えてくれました。

2021年の歳末には激務ではないと思いますが…万難を排して出席させていただきたいです。

 母校である高槻中学・高校をどう書くかは難しいのですが、近年共学となり、更に偏差値を上げていると聞きます。

 弁護士、医師、上級国家公務員と錚々たるメンバーに加えて、パチプロをしている同窓生がいるという話もあります。

 中條先生も参加表明をして下さり、そんなユニークなメンバーの前に立つ訳ですから、毎回何かしらの結果を出して、参加したいと思っています。

 2004年、「平野西の家」が初めてのテレビ放映。

 2008年、「境内の中にある家」が『スーパーニュース』で密着取材。

 2012年、「住之江の元長屋」ビフォーアフター』出演。

 2016年、阿倍野の長屋住人十色で放映。初めての著書出版報告。

 発売は2017年という裏技でしたが、オリンピックイヤーは特に結果にこだわるのです(笑)

 第5回は、1年伸びた5年分の成果、関西建築家大賞という結果を持って参加したいと思っています。

 同窓会の世話役は、楽しみであり、遣り甲斐であり、励みでもあるのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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人生に遅すぎるということはない‐1708‐

 2016年4月の熊本地震の後、飛行機で現地へ向かいました。

 JIA(日本建築家協会)が被害認定調査の支援活動参加者を募ったのです。
 
空からみた第一印象はやはり「水の国」でした。

 私が担当した震源地すぐ近くの嘉島町も、水が豊かで本当美しいところでした。

 実際、町営の湧き水プールがあるのです。

 当時は凄惨過ぎてこの写真はUPしませんでした。

 一緒に調査をした町役場の方たちは、日常を取り戻しておられるのか……

 今回の豪雨では、日本三大急流に数えられる球磨川が氾濫しました。

 球磨川は熊本市の南にある八代市に流れ込んでいます。

 九州上空で、大きく旋回したあたりのような気がします。

 火の国であり水の国である熊本に、一日も早く、平穏な日々が訪れることをただただ願うのです。

 昨日、建築士試験の監理員というものを初めて経験しました。

 新型肺炎の影響で、席の使用率を50%まで減らすことになり、会場が変更になりました。

 使用部屋数が増えると、必然的に監理員も多く必要になり、普段の体制では人手が足りなくなったそうです。

 建築士会の分科会から、監理員が足りていないという連絡があり、お手伝いすることにしました。

 会場は大阪経済大学。

 大阪市内にも関わらず、明るく、緑も多い。

 こんな機会でもなければ、訪れることは無かったと思います。

 昨日は2級建築士の学科試験でした。

 私は1級を25年前に一度受けただけなので、記憶があまりないのですが、学科試験は午前は3時間、午後3時間。

 受験者はヘトヘトになっていました。

 私達は3人の監理員で90名程を担当したのですが、ベテラン監理員の方が「午後は結構辛いよ~」と言っておられました。

 私はむしろ新鮮で、6時間かけてじっくり真剣な受験者を観察させて貰いました。

 個人情報に関わることは勿論書きませんが、学校を卒業してすぐの若者世代が一番多くはありますが、上は同年代の方々まで。

 幅広い年齢層が、同じ条件での国家試験に挑みます。

 一番驚いたのは、左利きの人が8%もいたこと。

 私達の時代なら、書くのは右と矯正されたのが、現在はそこまでしないのだろうと想像していたのです。

 いくらかの謝金と共に、お昼はトンカツ弁当。

 非常に美味しかったですが、オペレーションの関係で11時が私の昼食時間でした。帰る頃にはかなりお腹が鳴っていたのです。

 学科試験の発表は8月末あたりで、合格者は二次試験となる製図試験に臨みます。

 合格率は1級で8~12%、2級で20~25%となっていました。

 2級、木造建築士と、規模や種別に制限のあるものもありますが、業務独占資格と言われるものです。

 ある規模以上の建築物を建てるには、建築士が必ず設計しなければなりません。

 業務独占資格なので、免許さえとってしまえば、いくらでも仕事があるかと言えば勿論そんなことはありません。

 車の運転免許証と同じで、運転しても宜しいと言って貰っているだけで運転が上手いとは限りません。

 もっと言えば、2種免許を持っているはずのバスの運転手でも、運転が下手な人はいくらでもいるのです。

 1級建築士について尋ねられた時は、いつも「普通運転免許証と同じレベルです」と答えてきました。

 建築設計を仕事としたいなら、持っていて当たり前なので、謙遜している訳ではありません。

 これまでは「これが、弁護士資格や医師免許なら違うのでしょうが」と付け加えていました。

 現在進んでいる計画の半分が医師の方なのですが、「医学部に行っても、国家試験を通らないと、ただの体に詳しい人で終わってしまうんです」と笑っていた方が居ました。

 聞いた時に私も笑ってしまいましたが、なるほどその通りです。医師として生きるには必須ですし、持っていれば名医ともなりません。

 あくまでも必要条件なので、資格を語る人は最低ラインを見ているのだということが分かってきました。

 約90名のうち、何人が製図試験に進むのでしょうか。

 大変そうな顔をしている受験者に、「ちょっと視線を上げてごらんよ。必ず合格するから」と伝えて上げたかったのですが、勿論そんなことは出来ません。

 天災が起った時は、特に気が引き締まります。

 建築は幸せを実現する為にあるものですが、非常時にはクライアントとその家族の命と財産を守るという役割も担います。

 物創りにおいて、建築設計において、妥協など一切許されないのです。

 そうそう、同年代の受験者に安藤百福さんの言葉を贈ります。

 人生に遅すぎるということはない 

 彼がチキンラーメンを発明したのは48歳ですから。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
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においKY‐1705‐

 いつもと違う道で会社へ向かっていると、何か違和感が。

 分譲地ができたてのようです。

 ここは確か……

 奥山牧場だったところ。

 住宅地の真ん中に牛を飼っている牧場があったのです。
 

 ときどきのぞいていたのですが、一番新しい写真は2017年9月のものでした。

 もし書くなら、あることを書かざるを得ないので、ここで詳しく書いたことはないはずです。

 入口からのぞくと、いつ行っても愛らしい目でこちらを見つめてくれるのです。

 一番古い写真は2009年8月でした。

 長男が4歳の頃なので、一緒に見に行ったのだと思います。

 ネットで探してみると、大阪市内最後の酪農家で、堺に引越したようです。

2018年3月25日 奥山牧場 堺へ移転決断

大阪市内唯一の酪農家が、堺市内の酪農団地への移転を決めた。長年、住宅街で乳牛を飼養してきたが、規模拡大とともに牛にとってのより良い環境を求めての決断。全国で事業承継が課題となる中で親子で家業を守り、移転後は頭数を1.5倍にするなど「希望の持てる場所」。これまでの地域への感謝とともに、次代の担い手は酪農経営の明日を見据える。

市内で酪農を営むのは、奥山牧場(平野区)の代表、奥山雅則さん(61)と長男の恭平さん(30)。現在は乳牛を50頭を飼養し、年間約400トンを出荷している。

飼料も工夫し、近隣の食品工場の食品残さを飼料に活用するなど、経験を生かした高い乳質も評価されている。移転は6月を予定し、計画では84頭に拡大する方針だ。

 最後に寄った半年後には引越していました。

 市内に暮らし、すぐ近所で牛を見れることはそうないでしょう。

 愛くるしいうるんだ瞳をみるていると、何とも癒されます。

 ただ、済んだことなので書きますが、勿論臭い!

 私の家からは1km程離れているので、流石に届きませんが、風向きによっては数百メートル離れていても、あの独特の臭いが漂ってきます。

 建築基準法では、用途地域によって建築可能な建物の種類が決められています。

 あの場所に牛舎を建ててよいか、などの細かいことを調べたことはありませんが、ちょっとKYかな(古い?)、とは思っていました。

 テレビ電話での打合せが増えました。

 夏のこの時期、クライアントのお宅に伺う際は、やはり多少のエチケットは必要です。

 しかし画像から匂い(臭いではない)は伝わらないので、気が楽と言えば楽。しかし、リアリティがないと言えばリアリティがない。

 先輩の車の芳香剤の香り。

 冬と春の変わり目の朝の匂い。

 ある香水の匂い。

 匂いは一瞬で記憶を引き戻す、最も強いスイッチです。

 奥山牧場の臭いが懐かしいとは言いませんが、これで平野区も無味無臭の都会となりました。

 一番思うのは、それを許容していた近隣の人達が凄い、ということです。

 先にあったんだからしょうがない。そういう考え方が昭和の日本にはあったのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
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