一昨日は文化の日で祝日。朝から狭山池に行っていました。
大阪狭山市は、大阪府の中央、やや南に位置します。このあたりは、早くから人が住み始めた地域ですが、水源の乏しい地域でした。
狭山池は日本最古のダム式ため池で、7世紀には整備が始められています。
その狭山池の歴史を紹介するのが狭山池博物館。安藤忠雄の設計です。
飛鳥時代から平成に至るまで、推古天皇、行基、重源、片桐且元らによって改修を重ねてきた歴史が、紹介されています。
池のほとりからアプローチすると、巨大な水盤が出迎えます。
時間によっては、両側から滝のように水が落ちてくるのです。
展示では、なんと言っても、高さ15m、幅60mの堤の断面を移築しての展示です。
この施設は、無料。しかし、そういう場所にありがちな、退廃感は微塵もありません。
駐車場は併設されていませんが、少し離れた公園の駐車場があります。こちらも無料。
3階にはカフェがあり、食事も出来ました。
牛スジのカレーは、サラダ付きで450円。かなり美味しかったです。ハヤシライスも同じ値段で、本格的な味でした。
スタッフとして、知的障害者の方が、社会勉強をしているので、もし失礼があればお許し下さいとありました。
しかし、むしろ清々しい感じさえありました。屋上庭園を見ながら、子供も完食。
円形ホール、水盤、角度の触れたキューブなど、安藤の手馴れた手法です。
しかし、非常に好感を持ちました。
彼はインタビューで「我々のやっている建築は、現代建築の中では、もう古典の部類にはいる」と発言していました。
無限の選択肢がある中で、選ぶ自由もあるし、選ばない自由もある。
「直線とは人間の意志である」
彼の言葉の中で、一番好きな言葉です。
狭山池を一周歩きました。ここに来て、建築設計は本当に夢のある仕事だと思い、更に身の引き締まる思いがしたのです。