やってみる、などない‐1065‐

 大阪は昼前から雨が降り出しました。

 植え込みのツツジも、雨濡れて尚鮮やかに。

 この3月、プリッカー賞の発表がありました。建築界で最も権威あるされる賞で、今年の受賞者は坂茂でした。

 1979年にハイアット財団によって設立された同賞を、日本人は7名が受賞しています。

1987年 丹下健三
1993年 槙文彦
1995年 安藤忠雄
2010年 SANAA(妹島和世、西沢立衛)
2013年 伊東豊雄

 坂茂の作品では、阪神淡路大震災のあと、神戸に紙管で作られた教会が記憶に残ります。建築は、権力者のためだけのものであってはならない、という哲学が貫かれているのです。

 新聞で彼がこう語っていました。

 世界でも稀なことに、日本人の学生は授業をさぼる。学生時代は楽しく過ごし、社会に出れば鍛えてもらえるとでも思っている。

  考えてみてほしい。野球でもサッカーでも、プロを目指す人は日々、厳しいトレーニングをする。建築も同じ。繰り返し課題に取り組みトレーニングをしなければ、プロにはなれない。

 真剣勝負を繰り返している彼からすれば、学生の態度が目に付くのだと思います。

 しかし、どのような基準をもってプロとするのか。何をもって真剣勝負と呼ぶのか。自分で決める他ないのです。

 先日、入所試験に来た若者は、2日目で辞めました。このようなことを繰り返していると「間違っているのは自分なのか」と思えてきます。一方、27歳のイタリア人は、黙々と穏やかに仕事を進めていきます。

 「12ダンメマデ、カイダン、チョクセンデスカ?」

 イタリア、スイスで2年の実務経験があり、コミュニケーションこそ片言ですが質問は的確です。反対に、建築設計図面は世界共通だと、私に分からせてくれるのです。

  Do, or do not. There is no try. – Yoda
   「やる」か、「やらない」かだけだ。「やってみる」などない。

 銀河系を守るなら、このぐらいの言葉が必要なのです。

 では、私たちの目指すところは。勿論、やる以上は一番を目指します。

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