タグ別アーカイブ: うえだクリニック

建築家・守谷昌紀TV 待合と診察室も明るい「うえだクリニック」

『建築家・守谷昌紀TV』 ■

■■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演
■■6月9日 『住まいの設計チャンネル』 「おいでよ House」公開
■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載
■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載

メディア掲載情報

仕事は上機嫌で‐1731‐

連休明けの水曜日は、朝から「うえだクリニック」の1年点検でした。

打合せがいつも水曜日だったのは、クリニックの休診日だったからです。

この点検は、1年前の竣工時に仮約束していました。

クライアントは皆お忙しい方ばかりなので、かなり先でもアポイントを取るようにしているのです。

「うえだクリニック」が面する長尾街道は、兎に角人通りの多い活気のある道で、この日もかなり渋滞していました。

打合せ回数は46回。

何なら、通いなれた通勤路くらいのイメージです。

水路が整備されているこの目抜き通りには、松原警察署もあります。

お巡りさんの言葉通り、しょっちゅうこの制服をみるので、治安もかなり良いはずです。

何と言えば良いのか、活気あるこの街道の風景が好きなのです。

10時にクリニックに到着し、院長と近況報告をしていました。

非情にポジティブな院長なので、いくらでも話すことはあるのですが、建築会社の担当者が一向に来ない。

電話をしてみると「あっ!」と。

忘れていたそうですが、偶然近くにいたので20分後くらいに慌ててやってきました。

怒っても仕方ないので、そこはぐっと我慢です。是正箇所を整理して、2時間程で失礼したのです。

すぐ近くには、松原市役所に松原市消防本部もあります。

渋滞で止まっていると、装備をつけたままの消防士方がジョギングしていました。

少し暑さがましになったとは言え、普段からこうやってトレーニングをしているのでしょう。

極限状態で人の命を救うことが、気合だけで出来るはずもありません。

仕事とは準備が全てなのです。

予定が押した為、このあと急いで谷町4丁目まで移動しました。

既存住宅状況調査技術者講習に参加するためです。

宅地建物取引業法の改正で、中古住宅の売買の際に行われる重要事項説明に、既存住宅状況調査を実施している場合にはその結果について説明することが義務づけられました。

この調査を行うことができるのは、既存住宅状況調査技術者の資格を持つ者のみです。

この資格は、建築士の免許を持っている人がこれらの講習を受け、修了考査に合格しなければなりません。

最後の考査中にも関わらず、ラインの着信音を切らないおじさんが隣に居たり。

「考査中はスマホは電源を切るかマナーモードにして鞄になおして下さい」と言われているのに、試験中にスマホをいじっているおばさんがいたり。

何ともどんよりした空気が流れていて、早く帰りたくなりました。考査は満点だったはずですが(笑)

「Ohana」のクライアントが「僕は風水とかあまり気にしないけど、このスタジオの気が良いのは分かるんですよ」と言ってくれました。

気が何かを正確に表現することは出来ませんが、40歳頃から、気の悪い場所には行かないようになりました。

時間は命です。気の悪い空間で時間を無為に過ごした時ほど後悔することはありません。

50年掛けて、自分の向かう方向が少しずつ、少しずつ分かってきました。

気の良いクライアントと、気の良い空間を、気持ち良く創り上げる。これが私の生きる、また生かされる道だと思います。

 仕事をするときは上機嫌でやれ

帝国ホテルの料理長を長年務めた村上信夫さんの信条です。

さすがはムッシュ村上。よく分かっておられるとい言えば言葉が過ぎますが。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

僕は独りじゃなかった‐1713‐

 大阪で暮らして半世紀。

 それでも知らない街がまだまだあります。

 敷地調査に向かう途中、「今里」の交差点を通りました。

 あの五叉路の大きな交差点です。

 交差点の景色も広い!

 ちょっと爽快なくらいです。

 私は千日前通りを東から入ったのですが、その手前で見つけました。

  「そばの住吉 中華そば」

 看板が、その味を担保してくれているかのよう。

 控えめに「高井田ラーメン」と言う文字も見えました。

 このあたり出身の方が、凄く美味しいと言っていた老舗ラーメン店なのだと思います。

 特にラーメン好きでない、いえ正確に言えば、美味しいに決まっているので、辞められなくなっては大変と、あえて食べないようにしている私でも、入ってみたくなる店構えでした。

 更に西へと進むと、とてつもなく大きい煙突?

 地下鉄の換気口でしょうか。

 「今里ロータリー」という呼び方は、昔はチンチン電車の終着駅があって、ロータリーになっていた名残なんですよ、と地元の方が教えてくれました。

 今里は、もっとじっくり訪れてみたい、ディープ大阪な街だったのです。

 世の中には色々なwebサイトがありますが、建築家を集めたサイトも結構あります。

 そのうちのひとつが『homify』

 ドイツ発で、世界規模のサイトです。

 立ち上がってすぐの頃、ドイツから「登録して貰えませんか?」と電話がありました。

 こちらのサイトでは、常に上位に表示して貰っていますが、更に上に表示もあります。

 こちらは「Ad」と小さくマークが入っているので、広告です。

 それがあまり分からなくしているのは、ビジネスとしては理解できます。

 ただ、私はこの類の広告料は払ったことがありません。

 それでも、上位に表示されるのは「レビュー」と言われる、感想が沢山入っているからのはずです。

 アメリカ発の、『houzz』というサイトもあります。

 こちらは「大阪の建築家」というカテゴリーで20番目くらいでしょうか?

 『houzz』は住宅専門のサイトで、12名のクライアントがレビューをつけてくれたおかげで、何とかこの位置に居れるのです。

 少し前までは、5番目より下に下がったことは無かったのですが、同じような話で「ad」というマークが入っている会社が上位に入ります。

 そのマークがあるものは別扱いなので、2度、3度と掲載されるよう。

 広告料を払っていない会社としては3番目くらいでしょうか。上にあるのは、より「レビュー」が多い会社です。

 当社のwebサイトは、本当に頑張ってくれるので、建築家関係のサイトが立ち上がるとき、先方からオファーが無かったことは無いと思います。

 登録数が少ないときには、客寄せパンダが必要なので直接アプローチがくる。登録数が増えれば、有料広告を打ちませんかとアプローチがある。

 先方の話も分からなくはないのですが「では、初めに協力して差し上げた恩は、無かったことになってる」という気持ちも間違いなくあるのです。

 それはそれで癪なので、『うえだクリニック』の院長に「できればレビューをお願いできないでしょうか?」とメールしました。

 そのレビューが、本当に心から嬉しいものでした。

アトリエm、守谷さんを知ったのは、クリニックを新築し移転するため、インターネットでクリニックの建築経験がある建築家を検索しているときでした。 今まで、自宅の建築、クリニック開院時のテナント内装工事と大規模改装の計3回建築に携わり、その都度、違う設計士の方とご一緒させていただきましたが、次回もお願いしたいと思うことがなく、今回のクリニック建築の依頼先に悩んでいました。 そんな時、インターネットで検索していて目が留まったのが、アトリエmさんのHPにある「ゲツモク日記」でした。長年にわたり、月曜と木曜の週に二回、日記を書き続けるのは簡単にできることではありません。内容も機知に富み、守谷さんの人柄もにじみ出ています。これを見て、この方に会って話を聞いてみたいと思い、連絡して事務所を訪れました。 最初の訪問時に、なぜアトリエmに目が留まったかを聞かれ、「ゲツモク日記の継続力と内容から見えてくる人柄」と答え、「作品ではないんですね…」とガクッとされたことが昨日のように思い出されます。(もちろん、作品も魅力的だったのでオファーしました!) その後の定例のミーティングで、施主(私)の生い立ちから現状、仕事、家庭、趣味嗜好など、一見建築とは関係ないようなことまでお話しし、私や私のクリニックに対する思いを十二分に問診?されました。(これが設計の細かなところに反映されてきます) アトリエmや現場での打ち合わせは数十回、200時間は優に超えたと思いますが、あっという間でした。 設計の段階では、こちらの希望を第一に、できることできないことを教えていただき、そして、様々なプランやアイデアを提案していただきました。また、建築はコストとの戦いですが、設備等の価格の調整提案も様々なアドバイスをいただきながら一緒に考えていただけます。 設計から施工期間まで、次々と生じる問題点にも適切に対応していただき、消費税増税が決まっていたため、かなりタイトなスケジュールの中、クリニックの建物はもちろん、MRIやCT等の医療機器に関する特殊な設計・施工管理も、きっちりとしていただけました。 おかげさまで、令和1年9月、綱渡りのようなタイトなタイムスケジュールの中、無事にクリニックをリニューアルオープンでき、患者さんやスタッフからも好評をいただいています。 もうすぐ、移転してから1年になります。今振り返っても、忙しかったですが、楽しく有意義な時間でした。 10年後ぐらいに自宅のリノベーション又は建て替えを考えているので、その際には、是非、守谷さんにお願いしたいと思っております。

 友人ができても、こちらの熱量が上がれば上がるほど、最終的に友人は去って行きました。

 少しでも良くなって欲しい、少しでも成長したいという純粋な気持ちだったと思っていますが、そんなことを友達には求めていなかったのだと思います。

 リラックスして、楽しい話をできるほうが良いのだということも分かります。

 多分私は、しんどい人間なのです。

 そんな私が、どれだけ熱を込めても、トップギアに入れて話しをしても、全て受け止めてくれるのはクライアントだけでした。

 若い頃、彼女を除いては、生涯孤独なんだろうと思っていました。

 しかし「仕事」という島には、私の話を本気で聞いてくれる、もっと言えば、お代を払ってでも聞いてくれる方が居てくれたのです。

 クライアントとの関係が無かったなら、私の人生はどうなっていたんだろうと思います。

 よって、クライアントはクライアントであり恩人です。いつも、命以外の全てを捧げる覚悟をしています。

 今回は、機知に富んだ内容とは程遠い内容でした。

 それでも、本当に思っていること以外書きたくありません。暑い夏が始まるので、時には直球ど真ん中も投げてみたくなったのです。

 今日は海の日。

 こんなことを書きながらも、湖にやってきました。この話はまた来週に。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

夕景に始まり‐1681‐

 昨日、「うえだクリニック」当社のサイトにUPしました。

 2018年の8月にオファーを貰った計画ですが、ここまでくるとようやく一区切りです。

 3月半ばに撮影したのですが、天気は何とか粘り勝ち。

 今回は冨田英次さんという写真家に、初めて撮ってもらいました。

 一番の特徴は、やはりこの広い待合です。

 吹き抜けにある大開口はバルコニーの向こう側にあるルーバーで覆われています。

 ルーバー⇒バルコニー⇒待合と通過させることで、直射を間接光に変えようと考えました。

 その横にキャットウォーク状の空間があります。

 こちらも側面にある開口からの光を、より柔らかいものに変える効果を狙ったものです。

 最新鋭の機器を備えたMRI室は黄緑を基調としました。

 森の中にいるような気持になって、うたた寝していた、となれば素晴らしいのですが。

 診療科目によっては、光が邪魔になることもあります。

 しかし、今回はハイサイドを採用することができました。ハイサイドは東面が特に質が高いのです。

 前クリニックには無かったのが、2階のエリアです。

 本格的なトレッドミルのあるトレーニングルームは、シャワールームも併設しています。

 そしてスタッフルーム。

 キッチンが横にあり、ちょっとした調理が可能です。

 スタッフへの心遣いが、この2階建てのプランを生んだのです。

 スタッフの方も使ってくれていると聞くと嬉しくなります。

 院長は、マラソン、トレイルラン、富士山登頂マラソンまで走る、いわば鉄人。

 撮影の日も急にお願いしたのですが、かなりのスピードで走ってくれたのです。

 非常にポジティブな方で、今まで私が温めてきた案をいくつも採用して貰いました。

 トップライトは明るくなりすぎないよう、こんな配慮をしていると相談すると、OKがでました。

 開院後、患者さんからも「奇麗な」「立派な」「広い」「斬新な」等のお言葉を頂き、喜んでいただけている印象です、と言って貰ったのです。

 その院長が一番良いと言ってくれたのがこの夕景。

 夕景へのこだわりは、決して小さくありません。

 初めての作品「松並木のある家」が完成したのが1997年。

 この夕景で年賀状を作ると、ある人に「この門を設計したの?」と聞かれ、ずっこけたのです。

 2作目の「Spoon cafe」は1998年。この撮影は本当に苦労しました。

 フィルム時代だったので、2分くらいシャッターを開いていたと思います。

 阪急の門戸厄神駅前は、人通りも車の往来も激しく、さらに放置自転車の移動は中々の重労働でした。

 同じく1998年の3作目「白馬の山小屋」は、その名の通り長野県の白馬にあります。

 重鎮の写真家・川元斉さんも一緒に車に乗ってもらい、ここで一泊して貰いました。

 この頃お願いしていた川元さんは夕景が特に上手い写真家でした。

 2006年「下町のコンクリートCUBE」のこのカットは、今も名刺に載せています。

 先日もある会合で「あっ、この作品知ってます」と言って貰いました。

 最も好きなカットのひとつです。

 写真家によって、夕景は特に考え方がでるものです。

 望遠レンズで、池越しに撮って貰ったのは2008年の「池を望む家」

 こちらも重鎮と言ってよい、絹巻豊さんにお願いしたものです。このあたりが、デジカメとの分岐点でした。

 予算がない時は、自分で撮ったこともあります。

 2010年の「イタウバハウス」です。やはりちょっと腕が落ちます。

 最近は平井美行さんに撮って貰う機会が多くなりました。

 2017年の「さかたファミリー歯科クリニック」

 2018年の「トレジャーキッズたかどの保育園」

 そして2019年の「住吉区歯科医師会館」

 建築にとって開口部は、人の目のようなものです。

 目から感情が伝わってくるように、内部空間の雰囲気が漏れ出し、建物の印象を決定付けます。

 それゆえ、夕景の方が情緒豊かです。

 六甲山や生駒山から夜の街を見下ろした時、無数の光に人の温かさや息吹を感じるのに似ているかもしれません。

 夕景に始まった私の物創り人生ですが、いつか夕景で終わるのでしょうか。

 最高の一枚を求め続けます。

■■■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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【News】

■2月3日 『Houzzの特集記事』「阿倍野の長屋」が取り上げられました
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました
■4月1日発売『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

木となった聖樹‐1621‐

 近畿地方も、昨年の台風ではかなりのダメージを受けました。
 
 泉南地方は停電が長引き、設備設計事務所がなかなか仕事ができないと嘆いていました。

 現代において、電気がなければ仕事も全く進みません。関東地方において、少しでも早い復旧を願うしか出来ないのです。

 9月24日(祝・火)に移転、オープンする「うえだクリニック」。竣工一歩手前までなんとかこぎつけました。

 外構工事は足場がとれた後になります。

 外部土間の打設だったり、サインの準備だったりと、暑い中を真っ黒に日焼けした職人達が黙々と働いています。

 こういった人達の日々の仕事の上に竣工がある訳で、「必ずこのプロジェクトを成功させる」という強い気持ちになるのです。

 近くを通ったので「中庭のある無垢な珪藻土の家」の庭樹を見に行ってきました。

 こちらは建物前のヤマボウシと中庭にヤマモミジが植わっています。

 ヤマボウシは一度葉が落ちたことがあり、この暑さで少し気になっていたのです。

 足下まで日を受ける一本立ちは、最も条件が厳しいのですが、元気に育っていました。

 「Shabby House」においては、一度枯れてしまったことがあるのです。

 「Shabby」の言葉通り、「着古した」家を目指したこの住宅ですが、庭樹にもテーマがありました。

 シンボルツリーにはヨーロッパでクリスマスツリーに使われるオウシュウトウヒ(ドイツトウヒ)が選ばれました。

 2011年春の竣工後、奥さんと「古川庭樹園」まで行き、この一本を探してきたのです。

 これは2012年のクリスマスの写真。

 ライトアップされ、見事なクリスマスツリーとなっていました。

 しかし2013年の猛暑で元気を失い、2014年に枯れてしまったのです。

 2014年の5月、再度「古川庭樹園」へ。

 こちらの専務も一緒に回ってもらい、奥さんとこの一本を見つけました。

 一本立ちなので、もう少し日に強い方が良いだろうと常緑のヤマボウシ、「マウンテンムーン」という樹種にしたのです。

 少し土も改良して貰いました。

 最後に伺ったのは2015年の秋で、元気に育っているだろうかと思い出したのです。

 うえだクリニックにも植栽をします。僅か1本、2本の樹々が街に潤いを与え、建物に物語を付加してくれるのです。

 「Shabby House」はパリのアパルトメントを本気で目指そうと、ドイツトウヒを選択したのですが、今の日本は暑すぎたようです。

 あの樹には悪いことをしてしまいましたが、本物のクリスマスツリーがあったその景色は、心に残っています。

 むしろ、今は無いからより長く残るのかもしれません。

 「樹」は生きているものだけを指し、木材の言葉がある通り、「木」はあらゆる状態に使える言葉です。

 クリスマスツリーは「聖樹」とも言うそう。

 「木」となってしまったあのドイツトウヒを、何かの形で残す方法を考えれば良かったと、今更ながら悔いが残るのです。

 たった3ヵ月で本当にクリスマスがやってくるのかと訝りたくなる程の暑さですが、それがこの日本の魅力です。

 また、自然や宇宙は人知を超えたものである証拠かもしれません。

■■■『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載

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【Events】
■9月15日(日) 9:00~12:00 高槻高校文化祭にて
「頼れる卒業生」による無料相談コーナーに参加

【News】
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
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ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
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地域情報サイトに掲載されました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

銀を金に変える‐1618‐

 9月に入りました。

 取材の様子はUPしましたが「非宣伝下さい」とのことで、いきなり告知です。

 『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』9月30日発売に「回遊できる家」が掲載されます。

 300円なので、書店で見かけたら手に取ってください……でなく、良ければ購入下さいませ。

 「暦の上では秋」の言葉通り、気持ちのよい朝でスタートしました。

 週末、現場から「ちょっと急ぎで……」と連絡があり、始業前に寄ってきました。

「うえだクリニック」のリニューアルオープンは9月24日(火)。現場は最終盤に入っています。

 自動ドアも取りつき、壁の下地もほぼ完成。

 リクエストは、一旦確定を出していた外壁仕上げの確認でした。

 ワンサイズ大きな塗り見本を、左官屋さんに作って貰ったので確認して欲しいと。

 外壁もサイディングなど、工業製品全盛の時代です。

 工場で製作する工業製品は、どうしてもサイズに限界があります。しかし、品質の安定感はあり、施工の難易度は低くなります。

 左官仕事は現地で練った材で仕上げるので、広く美しい壁を作れますが、手仕事ゆえ、経験や熟練度で差がでます。

 折角の手仕事なので、念の為大きな見本を作成したということでした。

 こんなやる気のある相談なら大歓迎です。監督、私とも同じ意見で右を採用しました。

 現場仕事は手仕事が多ければ多い程、良くも悪くも差がでるのです。

 先日、子供が妻へ「誕生日プレゼントは何が欲しい?」と訊ねると、「料理を作って欲しい」と答えたそうです。

 よって、兄妹作の「焼飯パーティ」となりました。

 1回目はちょっと焦がしてしまったよう。

 2回目はとても上手にできました。

 子供だけでここまで出来るようになったのかと、感慨深いものもありますが、掛け値なしにとても美味しかったのです。

 私はアウトドア専門ですが、料理は嫌いなほうではありません。

 魚をさばく、焼肉、唐揚げ、お好み焼きといったレベルですが、焼飯にはそこそこ自信を持っています。

 その理由がこの言葉。
 
「銀を金に変える」

 台湾料理龍潭(リュータン)のオーナーシェフ、程一彦(ていかずひこ)さんが、今年亡くなられました。

 Facebookで繋がった学生時代の知人が、程さんに師事していたようで、その投稿で知りました。

 彼女は奈良テレビで料理コーナーを持っていたりと、とても頑張っているようです。

 学生時代、夕方のテレビ番組に程さんが料理コーナーに出演していました。

 偶然観たのですが焼飯の日で、先の言葉を初めて聞いたのです。

 美味しいパラパラ焼飯を作る方法は、冷ましたご飯を使う、一度冷凍したものを解凍、水で流すなど、諸説聞いたことがあります。

 残り物を入れるという、不届きな話も聞いたことがあります。

 また、中華鍋を大きくあおり、直接火を当てて油分を飛ばすなどの技術も必要です。

 しかし、程さんは「卵かけごはんを炒めるだけで、パラパラ焼飯は簡単にできます」と。

 銀シャリを黄金の焼飯にするので、「銀を金に変える」なのです。

 たかが焼飯、されど焼飯。

 医食同源の言葉通り、美味しく、健康な食事をすることは、医療行為と同等です。

 子供達も上手に作れました。

 日々の食事を、こんな簡単な言葉で良くしてくれた程さんに、なんだか感謝の気持ちを伝えずには居れないのです。

 私の仕事は、白い紙に建物を描き実現すること。

 「白を黒に変える」では負けたみたいなので「紙を幸せに変える」としておこうと思います。

 建築も料理も、手仕事と愛情にこそ差が出るのです。

■■■『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』
2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載

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【Events】
■9月9日(月)14:00~17:00 サンワカンパニー
<グランフロント大阪>にて「無料相談会」に参加
■9月15日(日) 9:00~12:00 高槻高校文化祭にて
「頼れる卒業生」による無料相談コーナーに参加

【News】
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
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『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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アトリエmの現場日記