ケシ

 今週は曇りがちのようです。花粉のほうもひと段落してくれたら幸いです。土曜日のこと、街路樹の足元にオレンジの花が咲いていました。

 ポピーのように見えるが、ポピーの葉はこんな形だったかなと思っていました。
 
 折があったので母に聞いてみると「それ、ケシと違う?」と。

 「ん、コカインとか取れるあれ?」「そうやと思う」と。

 そう言われれば妖艶な感もあります。しかし、麻薬の原料が本当に道端で育っているものかと、少し調べてみました。

 ポピーはケシ科で、花が大きいのはアイスランドポピー。少し小さいオリエンタルポピー(和名オニゲシ)など、多くの亜種があるようです。道端のはオニゲシでしょうか。

 一番小さいものはヒナゲシで別名虞美人草。「雛(ヒナ)」の名の通りで、可憐なだなと感じていたのは、この種でした。

 麻薬の原料となるケシとは親戚関係でした。母に聞いた後は何とも怪しく見えましたが、実際のところを知ると、そうは思わないから勝手なものです。

 紀元前200年頃の中国。秦の始皇帝が没した後、現れた英雄が項羽と劉邦。虞妃(ぐき)は項羽が愛した美しい女性でした。項羽が最後の戦いに出る際に自刃します。そのお墓に咲いたという逸話が虞美人草のいわれ。

 そう言えば司馬遼太郎の「項羽と劉邦」にあった気がします。読んだのは中学の頃ですから、20年以上前。ケシから良い話を思い出しました。

おみくじ 2008年

 住吉大社の近くに用事があったので、参拝してきました。快晴のなか、結婚式を挙げたばかりの一行が鳥居をくぐって行きました。

 白無垢も美しいものです。包み隠せないほど幸せな顔を見ると、こちらも笑顔になります。

 しかし「人生山あり、谷あり。頑張れ若者よ」みたいな心境になるのは、いい歳になった証拠でしょう。

 太鼓橋を渡る時は、慎重に歩かないといけません。

 この勾配ですから、十分に気をつけて下さい。もしこけてしまうと、恐ろしい迷信があるのです。

 私はそんな迷信は勿論信じませんが、十分に注意して、ゆっくり渡ります。

 一番の目的は、おみくじ。例年は初詣で引くようにしていますが、今年は遅くなってしまいました。

 何度も書きましたが、ここのおみくじは「大凶」含有率日本一と言われます。なにせ私も、引いたことがあるのです。昨年は、それに続く「凶」を引いていましました。すごいでしょ、と自慢したくなるくらいです。

 しかし、日本語は良く出来ています。「凶」という字は、□の上が開いていて中にカタカナの「メ」。今年は芽が出る年と解釈するのです。事実、昨年が災難ばかりだったかと言うと、そんな事はありませんでした。今年に繋がる準備が出来た気もします。

「何がでても、いいように解釈出来るから」と言い聞かせながら、ドキドキして引きます。この感じは、住吉大社こそです。

 ここ3年の結果は以下の通り。

2005年 中吉
2006年 大吉
2007年 凶

 今年の占いは、今書くと効能が落ちる気がするので、また来年書きます。

草野球

 昨日、長男と公園に行くと隣で、ソフトボールの試合をしていました。二人で少しの間、見ていました。

 中学校まではずっと野球部で、小学校の時はソフトボールも掛け持ちでやっていました。

 長らく試合などしていませんが、久しぶりにやってみたいと思いました。いい歳した大人が、最低でも18人集まるのは大変だと思いますが、互いに野次りあいながら進む試合が、とても良いものに思えたのです。

 野球はショートでした。三遊間のゴロを逆シングルで捕り、素早く一塁に送球すると、間一髪でアウト。体がどのくらい動くか分かりませんが、そんな想像をしていました。

 長男が大きくなったらキャッチボールでも、と思うのですが近頃の公園は大体球技禁止です。狭いところに赤ちゃんから小学生くらいまでが、ひしめき合って遊んでいるのですから仕方ありません。

 しかし、何とかしないとただでさえ少ない子供が、野球やサッカーをすることが無くなってしまいます。当たり前ですが、スポーツの醍醐味は、もし人に当たった……という場所では感じられないものです。

プレゼントのストーリー

 先週金曜日の夜。事務所に70cmはある大きな小包が届きました。

 送り主を見ると愛媛県にあるショップのようで、その名前しか無い。誰が送ってくれたのだろうと、電話しましたがもう閉店のあとでした。それで、問い合わせのメールを出しておきました。

 その小包を家に持って帰り、妻に「誰からやろう?」と。少しだけ包みを破ると、乗って遊べるパワーショベルなのです。このプレゼントのセレクトはあの方……

 子供はもう寝ていたので、その晩は開封せずにおきました。翌朝、子供に破った所から覗かせ、

 「誰が送ってくれたんやろう」と聞くと、「ん~、ヒゲのおっちゃん!」

 1歳のクリスマスにはキャタピラーのブルドーザー、2歳の時にはパワーショベル&運送用トラックの玩具をプレゼント下さった方です。

 「やっぱりそう思う?じゃあもう開けてしまおうか!」となったのです。

 ヘルメットもいたく気に入ったようで、いろんな物をすくいまくっています。

 明けて月曜日の朝、「備考欄にお名前を書き忘れてしまい……」と連絡が。やはり私達が想像した方でした。
 
 3年前のクリスマスの事。ホームパーティーに招いて頂いた上、家族皆にプレゼントを。私には芯ホルダーという筆記用具でした。

 聞けばイタリアで買ったと。確かイタリアに行っていたのはその年の9月。3ヶ月も前のことなのです。

 お呼ばれする時「何もっていったらええやろ~」とか言っていた自分が情けなくなりました。 

 絵画、写真、建築もそうですが、人の心を動かすプラスアルファーは、背後に感じるストーリーだと思っています。

 プレゼントも同じかもしれません。長男のパワーショベルには重機ストーリーが、私の芯ホルダーにはイタリアンストーリーが流れているのです。

今年の桜

日曜日とは打って変わって、今日は気持ち良い天気です。この週末に、先月生まれた長女が帰って来ました。入院していたのです。

結果的に、何かの治療をした訳では無ありませんが、ある数値が低く、入院して様子を見たほうが良いとの判断からでした。

出産は近くの病院でしたが、少し離れた総合病院へ転院したので、妻は毎日授乳に通っていました。

産後の母親は消耗しているので、随分大変だったと思います。

娘が一ヶ月半を病院で過ごす間、感じた事は「私には何も出来ない」でした。

ミルクを与える訳でなく、おむつを変える訳でなく。毎週日曜日に、3:00pmからの面会時間に行って2、30分抱っこするだけ。

深刻に考えてはいませんでしたが、それでもぼんやりした無力感があります。「今まで間違った事をしてこなかったのか?精一杯生きて来たのか?」等と自問したりもします。私自身が間違っていようが、いまいが、娘の症状に影響するはずも無いのに、そんな気分になるのです。

しかし、結局は自分の役割を精一杯果す事しかないのだな、と思うようになりました。一所懸命仕事をする。ただそれだけです。

桜が咲く頃までには、というのが願いだったので、今は心から喜んでいます。

やっとこれから家族4人での生活が始まります。しつこいですが、彼女が嫁ぐまで。

今年の桜は、嬉しくもほろ苦く感じられるのです。

経験がものをいわない時代

 車で出かけた時、渋滞にはまれば抜け道を探します。結果的に少し遅くなったとしても、知らない道を行くのは楽しいのです。

 私が学生の頃は抜け道を知っているだけで、結構自慢になりました。今はカーナビ時代なので、あまり意味がありませんが、同じように隠れ家的な店なんかも、重宝する情報でした。

 ふと考えました。以前なら教えて貰いたかった事が、Webの発達によって随分様変わりしたと。探そうと思えば大概の事が自分で探せるからです。

 便利ではありますが、問題もあります。人の経験を聞く事が、さして重要でなくなったのです。「相手の都合や気分に左右されない。良いことばかりでは」という声も聞こえてきそうですが、そこなのです。ここからは、ちょと七面倒くさい話です。

 コミュニケーションは、同じ認識を持った人とだけする為のものではありません。気難しい人から、何とかスムースに情報を引きだしたい。そんな時、工夫をするのです。

 「コミュニケーションの不足から戦争が生れる」とはアートディレクター佐藤可士和の言葉。他人の経験が重要な世の中は、少々面倒かもしれませんが、「他人は他人」と無関心になりようが無いのです。
 
 極論すれば、人の経験に意味が無いなら、人に意味が無い事になります。「自分」という人間は大切だけれど「他人」には意味がない。そんな理屈は成立しません。

 効率、便利、リスクヘッジ。全てビジネスベースでは正しい事です。しかし、人として最も重要だとは思いません。効率が悪いことに、人の心は動くと感じます。便利な道具は誰にでも一定の成果を与えますが、人の気持ちの入る猶予を奪います。危険にさらされた事のない生物が、本当の危険を回避出来るのか……。

 普段勉強に来る学生に言いますが、納得していないようです。自分で何でも出来る(または出来ると思っている)のですから、納得出来ないでしょう。しかし、物創りをする上で一番大事な部分はそんな所にあると思うのです。

 いつの間にか、私も面倒くさい人間になってしまいました。しかし、思っていることは現実です。現実を伝えるのはとても難しいのです。

恐竜ラボ

日曜日は長居公園へ。恐竜ラボというイベントがありました。

ここにある自然史博物館と植物園には時々来ていますが、こいう催しは初めてです。

入場料は1100円。長男が恐竜好きなので、楽しみにしていました。

 恐竜の複製はちょっとコミカルな感じ。

骨格標本も原寸大。肉食恐竜のアロサウルス。ティラノサウルスの前身にあたります。

恐竜図鑑を読まされているので、少し詳しくなりました。

 最後の部屋を出ると、子供が「もう終わり~」と。その言葉通り、ちょっと物足りませんでした。

 それで、そのまま、自然史博物館へ。

 植物園との共通券でも300円。値段のことばかり言って何ですが、それくらいここの常設展示は素晴らしいのです。

 しかも、恐竜ラボに人が流れているからかガラガラ。

 子供も満足気です。

 1時間くらい遊んで、植物園に出ました。

 春の花が満開でした。まずはタンポポ。

 ペンペン草と呼んでいましたが、正確には何と呼ぶのでしょう。

 キク科の花にはモンシロチョウ。

 ユキヤナギは、弾けるように咲いています。

 チューリップは赤が美しく。

 ヤマザクラは満開でした。

 昨日は雨の予報でしたが、午前中はもってくれました。ソメイヨシノは、来週あたりでしょうか。

 「書を捨てよ、町へ出よう」は詩人、寺山修司の著書。

 「書を捨てて、公園に出よう」です。

銀座、渋谷、新宿

 今日は春分の日。随分暖かくなりましたが雨模様です。

 さて、前回の続きを。

 早朝に表参道あたりを歩き、そのまま銀座に移動し建築を見て回ります。

 ディオール銀座は乾久美子の設計。

 メゾンエルメスはレンゾ・ピアノ。全面ガラスブロックです。

 ルイ・ヴィトンは表参道と同じく青木淳。

 ミキモト銀座2は伊東豊雄の設計。

 また地下鉄に乗って渋谷に移動。

 駅前のスクランブル交差点は流石に凄い人でした。後ろに見えるのはシブヤ109。

 ライズは映画館などの複合施設で北川原温の作品。

 次は新宿の都庁に確認申請の調査へ。丹下健三の設計です。ここからが本当の仕事。

 都庁内でまわれるところを全て調査し、クライアントとの打合せに向かいました。

 新宿駅に向かう道から、建築中のビルが。さて、誰の仕事か。

 昼過ぎから、夕方の6時頃までしっかり打合せし、東京駅に向かいました。

 調査と建築探訪で歩きに歩いた2日間。帰りの新幹線の中は、一度も目が覚めませんでした。こんな時の疲れは心地よいものです。

表参道まわり

 先週末は、出張で東京に行っていました。

 朝の6時の新大阪発に乗れば、9時の打ち合わせに間に合います。新幹線は本当に早くなりました。

 一日掛けて、建築確認申請の関係省庁調査に回りました。

 夜は気になる建築を見に表参道へ。原宿駅から東へ向かいますが、あいにくの大雨。

 まずは、ディオール。設計はSANAA。

 次は、同潤会アパートの保存でも話題になった、表参道ヒルズ。設計は安藤忠雄。

 建築の大半は地下に埋めこまれ、内部は表参道と同勾配のスロープで繋がっています。

 ルイヴィトン、設計は青木淳。

 TOD’S、設計は伊東豊雄。

 雨が激しくなってきたので、その他は後日にして、少し離れたキラー通りにある、最小住宅の名作を目指します。

 ずぶ濡れになりましたが、来たかいがありました。ひっそりと生えるように建っていた建築家・東孝光の自邸「塔の家」。

 全体を撮ることは出来ませんでした。

 翌朝は昨晩とは打って変わって良い天気。

 早起きしてまずは、丹下健三の名作、代々木国立屋内競技場へ。

 原宿駅を越え、表参道駅へ向かいます。

 昨晩見た、表参道ヒルズ。

 TOD’S。

 表参道駅の上にはONE。隈謙吾の設計。

 南に下ると、槙文彦の代表作スパイラル。

 東のエリアには、プラダブティック。ヘルツォーク&ド・ムーロンの設計。

 コレッティオーネは安藤忠雄の設計。

 ずっと北上して、再び「塔の家」へ。

 建築面積は僅か7畳ですから3.5坪。1966年竣工で狭小住宅の傑作です。

 街に埋もれるように建っていました。

 この後、爽快な気分で打ち合わせに向かいました。次回は銀座、渋谷、新宿編です。

京阪萱島

 先週、仕事で京阪の萱島に行っていました。

 地名は、寝屋川の中洲に、茅、葦といった植物が育っていたところから来たようです。

 駅は門真市と寝屋川市にまたがり、境界が寝屋川。この駅は日本の駅百選に選ばれているのです。

 その訳は、樹齢700年のクスノキです。

 ホーム、屋根を貫いているのです。

 このクスノキは萱島神社の御神木で、1972年の高架化される時、伐採の予定でした。

 それが市民の声によって免れ、保存されることになったのです。

 高架下になった、萱島神社も1980年の夏に再興されました。

 ちょうど紅白の梅が満開でした。

 川をまたいでいる駅は、阪神武庫川、阪急芦屋川などありますが、随分趣きは違います。

 しかしこの景色に、なんとも言えない愛着を覚えるのです。

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