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違うことを恐れるな‐1377‐ 

 はじめに告知です。

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 予約不要ですので、気軽にお越しください。

 ゴールデンウィークの旅ですが、 <青森・秋田編><岩手・再び秋田編>とも長くなってしまいました。

 建築と街をまとめて終わりにしたいと思います。

【5月2日(火)】弘前

 青森空港から弘前に向かう県道。

 ポプラが真っすぐ伸びる風景は、北海道をおもわせるものがあります。

 リンゴの木はクネクネと人が踊っているようにも。

 土地土地で、全く景色が変わるものです。

 弘前公園には、前川國男の作品が多くあります。

 前川は、昨年世界遺産に登録されたル・コルビュジエに師事しました。

 日本における、近代建築の第一人者です。

 1976年完成の弘前市立博物館。

 翌年に完成した熊本県立美術館と同じく、赤茶のレンガのみで外観が形成されています。

 このあたりに、前川の潔さを感じるのです。

【5月3日(水)】 大舘(おおだて)

 曲げわっぱで知られる大館。

 秋田の内陸部に位置しますが、秋田杉を使った世界最大級の木造ドームがあります。

 大館樹海ドームは1999年の完成。

 設計者は国立競技場のコンペを、隈研吾と最後まで争った伊東豊雄です。

 餅網を曲げたような構造体が圧巻でした。

 後ろに見える山には、大舘なので「大」の字が。

 これでトリプル「大」とのこと。

【5月4日(木)】盛岡

 盛岡は北上盆地の北部に位置します。

 盛岡市のwebサイトには「望郷の岩手山」とありました。標高2038mの大変美しい山です。

 中心部の商店街で見かけた「北日本銀行大通支店」。

 六本木 久志さんという建築家の作品でした。

 総ガラスブロックは、どうしてもレンゾ・ピアノをイメージしますが、盛岡の透明感とは一致しています。

【5月5日(金)】秋田・大仙(だいせん)

 秋田市は東北の日本海側最大の都市。

 あきたこまちと細麺の稲庭うどんが有名です。

 秋田市街の中心にある秋田県立美術館。

 2012年の完成で、安藤忠雄の設計です。

 正面からは分かりませんが、背面は三角がモチーフとなっています。

 三角形の平面をもつエントランスホールにかかる階段は、それ自体がアートと言える美しさでした。

 ラウンジは水平窓が連なり、直下の水盤が浮遊感をかもしだします。

 ソファに腰掛けると、目線の先には千秋公園の濃い緑が。

 これまで見た安藤建築の中で、最も美しい窓だと感じます。

 堀の向こうに見える旧の県立美術館。

 現在は閉館となっているようですが、非常に面白い造形でした。

 最後は、秋田市と角館市の中間にある大仙市。

 酒どころの大仙市で300年以上続く奥田酒造は、銘酒「千代緑」で知られます。

 造り酒屋の店舗兼住居は1957年完成で、白井晟一の設計。

 大仙市のwebサイトにも紹介されていました。

 通りのある西は閉じ、北に開いているのが分かります。

 西側正面は縦板張りで、格子も縦。

 しかし完成して60年が経ち、老朽化が進んでいるところも見てとれます。

 時間に淘汰されない、また丈夫で長持ちする建築を創り上げることが、そう簡単でないことがよくわかります。

 命はいつか尽き、形あるものは必ず壊れます。しかし街は少しづつ変化をしながら、生き続けるのです。

 盛岡の駅前で、ガソリンスタンドに入りました。

 25歳くらいの女性店員に声をかけると「なまってますねえ~。どちらからですか?」と。

 生まれてこのかた、「なまっている」と言われたことがないので、その店員さんに「そんなになまってますか」と聞いてみました。

 「そうですねえ。私も盛岡郊外の実家に帰ったときは、方言がでるのですが、盛岡で働いているときは、いつも標準語なんです。それとくらべると……」

 新聞のコラムで、「書を捨てよ、街へでよう」と言った、劇作家の寺山修二は弘前出身だと知りました。

 ふるさとの 訛りなくせし友といて モカ珈琲は かくまでにがし 

 彼は47歳で世を去りますが、一生を津軽弁で通したそうです。

 地域の言葉は、教育で身につけたものではありません。

 街と同じく、脈々と受け継がれてきた、まさに生きた文化です。それらの違いをこの目で見たくて旅をするのだとも言えるのです。

 「違うことを恐れるな。簡単に同化するな」

 寺山修二はそう言っている気がするのです。

<目指せ、家族で47都道府県制覇>
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最後の難関、北東北<岩手・再び秋田編>‐1376‐ 

 前回は、5月2日、3日の青森・秋田編を書きました。

 今回は、岩手そして秋田に戻ります。

【5月4日(木)】

 朝7時に秋田の大舘(おおだて)を発ち、盛岡へ向かいます。

 大舘から東の小阪へ抜け、鹿角(かづの)まで南下する際は東北道にのりました。

 出羽山地と奥羽山脈に挟まれる広大な盆地は、なかなかみることのできない雄大さがあります。

 鹿角八幡平ICで東北道を降り、国道341号線でさらに南下。

 そして八幡平アスピーテラインで奥羽山脈を東へ抜けます。

 標高1600mからの景色は、遠く青森の岩木山を望むことができます。

 両脇にのこる雪壁も3mくらいはあるでしょうか。

 このあたりには東北屈指の名湯が連なります。

 中でも最も高地にあるという、藤七温泉によってきました。

 山頂付近の谷間にあり、秘湯の名にふさわしい雰囲気があります。

 ぶくぶくと源泉が湧き上がってくる泥湯。

 泥パック遊びもあり、子供たちもようやく温泉を楽しむようになりました。

 家族4人で入る混浴の露天風呂は、年齢的にはそろそろ最後でしょう。

 アスピーテラインを抜け、岩手県に入ります。

 青森に岩木山があるように、盛岡には岩手山があります。

 盛岡市内にはいると、中心部の商店街は歩行者天国になっていました。

 盛岡ということで、この日はちょっと奮発して焼肉。

 前沢牛が美味しくないないはずはありません。

 名物の冷麺も含めて、盛岡の夜を堪能したのです。

【5月5日(金)】

この日も早朝に盛岡をでて、秋田へ向かいます。

 46号線を西に向かうのですが、いくつか寄り道を。

 まず乳頭温泉に寄ってきました。

 なぜ乳頭温泉と呼ぶのかなと思っていましたが、まったくの直喩。

 乳頭山の麓にあるから乳頭温泉でした。

 最も有名な鶴の湯は朝10時からだったので、黒湯温泉へ。

 湯治場の趣きを色濃くのこし、茅葺きの自炊棟もあります。

 ここにも混浴露天風呂があったので、家族4人で入ってきました。

 もう、混浴に思い残すことはありません。

 ラムネと温泉卵があれば、子供たちは大満足してくれるのです。

 乳頭温泉を下って、田沢湖のたつこ像へ。

 村娘の辰子が永遠の美しさを願い、お告げ通り夜に泉の水を飲み、大きな龍に姿を変えました。

 今なお美貌を誇る辰子がいるという伝説から、「美」にご利益があるそうです。

 水深423.4m。日本一深い湖でもありますが、神秘的な景色です。

 さらに南下。東北の小京都といわれる角館(かくのだて)にも寄ってきました。

 桜が終わったとはいえ、沢山の観光客が訪れていました。

 そして最後は、秋田市内へ。

 中心部にある千秋公園は久保田城跡の掘が残り、美しい街でした。

 当初は桜が満開と聞いていましたが、それは叶いませんでした。

 それでも約1ヵ月遅れの春を楽しむことができました。

 東北における春の息吹は、長い冬の分だけ力強いものがあります。

 眼下に大阪城を望んだら、この旅も終わりです。

 4日間で青森、弘前、白神産地、大舘、八幡平、盛岡、乳頭温泉、角館、秋田をめぐる旅のルートを描いてみました。

 このルートは妻が考えました。そしていつも言われます。

 「あなたはどこに行きたいというだけで、あとは全部私じゃない」と。

 その通りで、返す言葉もありません。

 しかし、「行きたい」がなければ旅にでることはありません。

 もしこの日記を読んで、旅にでたいと思って貰えたらこれ程嬉しいことはないのです。

 47都道府県制覇の旅は、私なりの日本レポートだとようやくわかりました。

 最後に残ったのは宮城は夏休みに訪れようと思います。

<目指せ、家族で47都道府県制覇>
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最後の難関、北東北<青森・秋田編>‐1375‐ 

 娘が生まれて9年。

 家族で47都道府県制覇も、残すところ青森、秋田、岩手、宮城のみとなりました。

 このゴールデンウィークは最後の難関、北東北にやってきました。

【5月2日(火)】

 8:45am伊丹発の便で、青森へ向かいます。

 飛行機が小さいとは聞いていましたがプロペラ機でした。

 飛行機が苦手な私としては、緊張感が5割増しです。

 大川を見下ろし、いざ青森へ。

 青森空港は11℃。やや肌寒く感じますが、何より景色が一変します。

 本州ながら、北海道の景色に近いものがあるでしょうか。

 まず向かったのは弘前城。

 桜祭りが目当てでしたが、残念ながら「散り始め」でした。

 ところどころに、満開の桜もあるのはあるのですが。

 弘前城は改修工事中で天守閣が動かされていました。

 天守閣を曳家で動かしてしまうのが、凄いといえば凄い。

 子供にとっては、お祭りはどこであってもお祭りです。

 弘前にいると、どこからでも見える岩木山。標高1625m、青森県の最高峰です。

 津軽富士の名前通り、とても美しい円錐型をしています。

 こういった景色は、地域の人にとって、心のランドマークになっているのではと想像するのです。

 弘前から、日本海側の国道101号線を南下します。

 この日の宿は、不老ふ死温泉

 日本海に臨む、海辺の一軒宿です。

 海岸沿いから夕日を望む景色は、絶景の露天風呂でした。

【5月3日(水)】

 朝からさらに101号線を南下し、世界遺産の白神山地を目指します。

 白神山地は、青森と秋田の県境あたりに広がります。

 手つかずのブナの原生林が評価され登録に至りました。

 正確に言うと、登録地域の外になりますが、十二湖は気軽に散策が楽しめます。

 中でも青池は噂にたがわぬ美しさでした。

 紺碧とでもいえばよいのか、今まで見たことのない深く鮮やかな青でした。

 見たことのない景色が、まだまだこの日本には沢山あることに感激させられます。

 この日の宿は、大館市のはずれにある温泉宿。

 向かいには、配線を利用したレールバイクというアトラクションがありました。

 線路を走る自転車です。

 これが思いのほか気持ち良かったのです。

 山間部にはちょうど満開の桜も多くありました。

 大阪と比べると、季節を1ヵ月さかのぼったことになります。

 夕食は、大館市内の割烹で秋田名物のきりたんぽ鍋。

 ハタハタ鮨。

 ホヤと、土地の食べ物を十分堪能しました。

 北東北を回り、人の穏やかさ、温かさを感じます。

 このお店も、とても暖かい雰囲気でしたが、ゴールデンウィークで店内は満員。

 明らかにテンパっている感じで、料理がでてくるまでに1時間以上かかりました。

 東北の人は穏やかで温かいからよい。大阪の人はせっかちだから駄目とはならないのが面白いところです。

 人にも、地域にもそれぞれの良さがあるものです。

 北東北の旅。今日は朝から盛岡を目指します。

 続きはまた月曜日に。

<目指せ、家族で47都道府県制覇>
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