タグ別アーカイブ: 南禅寺

数字と心の微妙な関係‐1471‐

 誰もがふれたくなる、大谷翔平選手の活躍です。

 高校をでて5年間、日本のプロ野球では前人未踏の2桁勝利、20本塁打という結果をだし、昨冬アメリカへ。

 高校時代よりメジャー挑戦を表明していましたが、二刀流を容認、支持した日本ハムファイターズに入団しました。

 その際は、甘いルックスもあってか、才能は溢れるが意思の弱い若者なのかなと思っていました。

 メジャー初打席で初球を安打。初登板初勝利。2試合目でホームラン、3安打も驚きましたが、2戦連発とは。

 「お見それしました」としか言いようがありません。

 流石はイチローをして、世界一の才能と言わしめた選手です。

 野球少年だった私にとって、伝記で読んだ名選手、ベーブ・ルースを超える選手を、実際みれるかもしれないことに心躍るのです。

 3月に立ち寄った南禅寺には国宝「方丈」があります。

 妻面にある入口をくぐり、左へ曲がると方丈庭園が見えてきます。

 江戸時代前期に活躍した茶人、小堀遠州作と言われています。

 最小の素材で表現をする枯山水の庭園ですが、中でも彼の作風は「きれい寂び」と言われます。

 庭に「空間」という概念を持ち込んでいるのがよく分かります。

 廊下を進むとこちらも国宝の小方丈があります。

 その前に広がる小方丈庭園は、別名「如心庭」。字の如く「心」字型に庭石が配置されています。

 柴山全慶老子が、「心を表現せよ」と熱心に指導したそうです。

 裏へ回ると、更に庭園が続きます。

 竹と荻で構成された垣は「南禅寺垣」と呼ぶそう。

 人の心を動かすため、足を運んで貰うために、常に創意工夫を重ね続けてきた手跡が見えるのです。

 先のピョンチャンオリンピックでは、スノーボードとアルペンスキーで2つの金メダルを獲得した選手が現れました。

 チェコのエステル・レデツカ選手ですが、アルペンスキーをしていた私としては、両種目オリンピック出場だけでも想像を超えているのに、2つの金メダルとは……絶句したのです。

 大谷選手のファイターズ入団時、日本球界で名選手だった多くのご意見番が、二刀流に対して懐疑的な見解をだしました。

 伝説的な名選手ばかりですからアドバイスは聞くべきだと思いますし、プロの世界は甘くないという論調も十分理解できます。

 その中に、「どっちつかずになるのでは」というものがありました。

 1日24時間、1年365日はみな平等です。その限られた時間の中で、投手の練習も、打者の練習も精一杯やれば、どっちつかずという表現は合っていないかもしれません。

 投手に打ち込めば、200勝以上できるかもしれません。

 打者に絞れば、700本以上のホームランを打てるかもしれません。

 しかし、それは「数字」というものに重きを置いた視点だと言えます。

 人生において最も大切な、幸せや充実は心が決めます。

 自身の充実や、観客の感激にフォーカスするなら、大谷選手の選択は、極めて当たり前のものとも言えます。

 ピッチャーだけしか、打者だけしかやってはいけないと言われたら、多くの少年は野球を辞めるでしょう。

 その選択を100年もの間、トップアスリートたちがしていなかったことになります。

 いくら仕事が充実しているからといって、給料を払えない会社に入ってくれる社員は居ません。

 よって、普遍的価値を生む数字もとても大切です。

 それでも、数字を越えたところへ行ききってしまった、大谷選手をみると、新たな勇気が湧いてきます。

 体は大変でしょうが、少しでも長く頑張って欲しいと思います。

 100年に一度のスーパースターを観ることで、やはり心に従いたいと思えるのです。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
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『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
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『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記<</a

蹴上インクラインでレンガ積みの粋をみる‐1465‐

 毎年この時期、ウェスティン都ホテル京都を訪れます。

 盛和塾の勉強会があるからですが、これだけの天気に恵まれたのは初めてです。

 手帳をみると、日曜日には「彼岸」の文字が。

 火曜日の三条蹴上は24℃まで気温が上がり、 まるで初夏の陽気でした。

 ホテルの前には、蹴上発電所があります。

 琵琶湖疎水を使って発電するものですが、明治24年(1891年)から現在に至るまで現役だそうです。

 三条通りを挟んで、向かいには蹴上インクラインがあります。

 インクラインは琵琶湖疎水を使って行き来する船を運ぶもので、橋の上に現在もレールが残っています。

 台車の上に船を乗せ、その上に人や荷物載せて運んだのです。

 インクライン下のトンネルをくぐると、南禅寺へ抜ける小路があります。

 5分程歩けば南禅寺。

 日本三大三門に数えられる、南禅寺三門。

 空、無相、無作の三解脱門を略したものと南禅寺のwebサイトにありました。

 境内は苔むしており、雰囲気があります。

 そんな中に突然現れる水路閣。

 この上を琵琶湖疎水が流れています。

 修学旅行生や、インスタグラマーが様々なアングルで写真を撮っていました。

 私も今更ながらインスタグラムへ写真を上げ始めました。彼らの随分と後輩になるわけです。

 行きには気付かなかったのですが、インクライン下のレンガ積みが、素晴らしく美しいものでした。

 螺旋状にひねられているのが見れるでしょうか。

 「ねじりまんぽ」というそうです。

 上を、船を積んだ台車が通るので、その重さに耐えられるよう、こういった積み方をしたようです。

 アーチとは、組積造の建造物に開口部を設けるため考えられたものです。

 それをより立体的に連続させたこの積み方が、より強度を上げることは、見た感じからも伝わってきます。

 「凄い」という感じです。

 architect(建築家)の語源は、ラテン語のarchitekton(アーキテクトン)だと言われます。

 「arche」と「teckton」からなる言葉ですが、更に二説に分かれます。

①「arche」 はアリストテレスの説いたアルケー「原理」を差す。

「teckton」はテクニック等も同じ語源で、「長けた」などの意味。

 よって「原理を熟知したもの」という説。

②「arche」 は窓や開口をつくる為に生まれたアーチを差し、転じて芸術を差すようになった。

「teckton」は「熟練した、一番」などの意味。

 そこから「一番目の芸術」を意味するという説。

 大学時代に、ゼミの先生から教えて貰ったのですが、どちらも重い言葉ですし、身が引き締まる気がします。

 しかし、どんな難しい問題でも、原理原則と向かい合えば、答えが導き出せるとも解釈できます。

 盛和塾の塾長、京セラ名誉会長の稲盛和夫さんは、「儲かる、儲からないでなく、人として正しい行いかどうかで、経営判断をしなさい」と言います。

 「それで利益がでればいいが、商売とはそんな甘いものではない」という声も聞こえてきます。

 しかし、一代で京セラを1兆円企業にまで育てた結果が、全てを示していると言えそうです。

 レンガ=brickは、ヨーロッパでは最も安価な素材です。そこから生れる原理原則に基づく美しさ。

 物創りには、こんな可能性があるので、この仕事を選んだのだと思うのです。

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