10月18日8(火)、広島東洋カープの黒田博樹投手が引退を表明しました。
1975年生まれの41歳。住之江区出身、上宮高卒となっていたので、生粋の関西人だったと初めて知りました。
特に広島ファンという訳ではなかったので、広島との接点は2011年の広島旅行と、2012年の講演に行った時くらいしかありません。
黒田投手の今年の成績が10勝8敗で防御率が3.09。
昨年に至っては、防御率が2.55。あの小さな広島市民球場での成績です。
また、メジャー最終年2014年の成績は11勝8敗。ヤンキースとの大型契約を蹴っての広島復帰に「男気」の文字が踊りました。
日米通算で203勝し、引退前の3年がこの数字ですから、ただただ称賛の声しか聞こえてきません。
スポーツ選手の引き際について、ボロボロになるまでするのか、惜しまれながら辞めるのか、という話があります。
スポーツ選手ではない私が言うのも何ですが、スポーツ選手が、スポーツ以外で、スポーツ以上の遣り甲斐、充実を感じることはないのではと思います。
余計なおせっかいを承知で言うなら、是非ボロボロになるまでやって欲しいと思うのです。
例えばサッカーの中田英寿選手の引退は、とても残念に思っていました。
能力があり、努力をし、成功し、しかも言葉を持っている。そんなアスリートはなかなか居ません。
ビッグマッチが終わったあと、web上で直接発せられる彼の言葉に、とても興味がありました。
しかし、今はそのブログも会員制となり、目にすることはなくなりました。
引退後のビジネスで成功したアスリートも居ると思いますが、小さい頃から周りより優れ、打ち込んできたスポーツ以上に、自分を表現するのは簡単でないと思います。
反対の言い方をすれば、その間、懸命に働いてきた人が、そう簡単にアスリートに負けてもいけないとも思います。
黒田選手にもっと頑張って欲しかったと言いたいのではありません。
ボロボロになってもおかしくない時期まで現役を続け、しかもこの成績を残した、プロ中のプロだと思っているのです。
上宮高校時代の監督は、コントロールが悪く控えに甘んじており目立つ選手ではなかったが、野球に取り組む真摯さは群を抜いており、誰もが一目置いていたとコメントしていました。
プロに行くとは思っていなかった、という言葉の通り、努力によってここまで登り詰めたのです。
スポーツ選手は早熟です。能力さえあれば、18歳でも億単位のお金を稼ぎます。
しかし、衰えない体を持つ人間は居ません。その中で、群を抜く安定感と、見事なまでの引き際を見せて貰いました。
引退会見等も見ていませんが、新聞に載る彼の顔をみて何とも清々しい気持ちになりました。
まさに男の中の男。
日本シリーズの第2戦。彼の雄姿をみたくなってきました。