脱稿、そして現在・過去・未来‐1311‐

 昨年12月に執筆依頼をもらい、先週末ようやく脱稿しました。

 B5サイズ200ページで約4万文字。写真や、図面があるので、文字数としては少なめなのだと思います。

 「一般の人と、建築家が近くなる本」が、出版社のリクエストでした。

 まずは、自分の人生と、大阪の下町のことから書き始めたのですが、妻が「あなたの人生に興味がある人がいるの」と。

01

 居るか居ないのか分からないけど、そこから書き始めるしかないだろうとスタートしたのです。

 一番時間がかかったのが、図面、写真の整理でしたが、今回使わなかった写真を少し上げてみます。

03-2

 昭和45年頃、家の前は砂利道で、前の空き地は土でした。

05

 舗装されたのが昭和50年くらいでしょうか。

 現在もこれからも、街は変化していきます。しかし、流通の進歩から、加速度を増した時代に幼少期を過ごしたのだと肌で感じます。

 書籍は、家創りのストーリーを紹介して行きますが、それとは別に、独立の流れから、初期の3作品についても触れている項があります。

07羽衣の家 1997年

09白馬の山小屋 1998年

08Spoon Cafe 1998年

 これらの3作品は、大学時代にスキー部にいたからこそオファーがあった仕事です。

13-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc

 その先輩方から、大泉緑地でのバーベキューに誘って貰いました。

 四半世紀前から、変わらぬ関係とが続いていることに、感謝と驚きに近いものも感じます。

19-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc

 まさか、高校の先生とは思えないサングラス姿で、6つ上の先輩が登場。

 ご近所なのでと急遽の参戦です。大阪でスキーをしていたなら、この兄妹を知らない人はモグリと断定できます。

 兄妹のお父さんが私の2番目のクライアトでした。

 数年前に亡くなられた時も、最後の最後まで、水の良い、白馬の山小屋で暮らすことを望んだそうです。

 そして現在は、長男であるお兄さんが、形見でもある白馬の山小屋に愛情を注いてくれているのです。

 書籍の中では、工事費と設計料が滅茶苦茶に安かったこと、更に、白馬までの交通費を下さいなど、怖くて言えなかった、という恨み節まで書いています。

 しかし、お父さんも笑って許してくれるだろうと思っています(勝手にですが)。

 お兄さんが「屋根とか壁とか、車を洗うみたいな感じで、洗剤で洗っているんだけど、いいやんな」と。

 家をカーシャンプーで洗うなど、聞いたことがありませんが「もちろん大丈夫です」と答えました。

 雨漏りやシロアリなどの問題も起こりますが、それでも築50年、リノベーション後18年の山小屋は愛されているのです。

 まだ思い出に浸る歳ではまだありませんが、これまでの人生を見返す時間があったことは、とてもラッキーでした。

 現在は、過去の影でしかありません。そして、未来は、今、この瞬間の積み重ねです。

 年末の出版を目指していましたが、脱稿が遅れたので、1ヵ月程伸びてしまいそう。

 また発売日が決まったら、ここで告知させて貰います。