大きな壷の話

 今日は朝から雨。

 雲の高い秋空が一番ですが、時に雨も良いものです。

 5年ほど前に聞いた話を、ふと思い出しました。

 ある人が大勢の前で話をしています。彼は大きな壷を取り出し、その中に野球のボールぐらいの石を入れました。壷の上の方まで入れると、質問しました。

 「もう入らないと思いますか?」

 みんなはうなずきます。すると彼は小石を取り出して、中に入れ始めました。壷をゆすると小石が下に落ち、かなりの小石が入りました。やがて小石が上の方まで入ると、同じ質問をしました。

 「もう入らないと思いますか?」

 今度は、みんなも様子をうかがっています。彼は砂を取り出し、壷の中に入れました。砂が上の方まで入ると、また同じ質問をしました。

 「もう入らないと思いますか?」

 もううなずく人はいません。彼は水を取り出して、壷の中に入れました。水で一杯に入ると、こう言いました。

 「私が言いたかったことが、何だかわかりますか」

 一人が答えました。
 
 「どんなに過密なスケジュールでも、時間を細切れにすることで、さらに有効に使うことができるということでしょうか?」

 彼は、うなずきながら言いました。

 「いい答えですね。でも、そうではありませんす。私が言いたいのは、先に大きな石を入れなければ、後からは入らないということなのです」

 示唆に富んだ話です。重くても、大変でも、最も大切なことから行動します。砂で一杯になってしまう前に。