窓から

 6月も2週目に入り、梅雨入りの声も聞こえてきました。

 初夏の僅かな期間は、一年で最も窓が開けたくなる時です。

 四季のおかげで、多様な景色、豊かな食文化が日本には有りますが、居心地が良いのは人だけではありません。「虫」にとっても同じ。

 蚊を好きな人などいませんが、概ね女性は虫が嫌いなものです。反対に子供は、前庭のダンゴ虫で延々と遊んでいたりします。建築に係わるものとして、これは大きな課題です。

 ヨーロッパの住宅には、網戸はほぼありません。各国調べた訳ではありませんが、それだけ虫が少ないのです。

 ちなみに、日本語の「まど」は、「ま(目)と(門)」や「ま(間)と(門)」が語源とされ、のぞき穴のようなものを指しました。英語の「window」は、風(wind)を入れる目(穴)から成っています。

 住宅の第一回目の打合せの時のこと。

 「バルコニーに面する窓は、全部開けれるようにして、一体の空間にしたいんです」

 「それ気持ち良さそうですね!」という感じで計画は進んで行きました。

 大きな開口は気持ち良い。しかし、蚊を防ぐとなると大変です。

 「雑誌に載っているような住宅で、大開口に網戸って付いてるんですか?」

 「付いていない……ところも結構あると思います」

 以前は、網戸と言えば引違いが主流でした。

 現在は、開戸タイプ、折戸タイプ、ロール状に収納出来るタイプ。様々な種類があります。プリーツ網戸と呼ばれるものは、最大2mまで対応出来るものもありました。

 今回はこれらの組み合わせで、チャンレンジです。

 夢を実現するためにチャレンジ。新しいことを達成するには、、この構図以外にありません。