人とことば

 人類は地球上で、他の「種」を圧倒してきました。現在は約66億人。それに次ぐ1m以上の生物は家畜の牛で約14億頭。

 地球上でこの繁栄を築いた理由の一つに「ことば」があります。そして「文字」。ことばで情報を共有し、経験を文字で残す。言葉こそが、遺伝子レベルではない進化を遂げさせたのです。

 その意味で言えば、言葉は特別なものと言えます。新約聖書にも「はじめに言葉ありき」とあるように。
 
 日本語の「ことば」は言霊が語源と言われます。魂が宿っているとの考えからです。良い言葉が良い行動を導くかは別としても、ネガティブな言動が、良い結果を導く事はありません。

 作家、五木寛之氏はある対談で「私は新聞は読まない。読んだってネガティブな事件が載ってるだけでしょ」と言っていました。

 繁栄しすぎた種は破滅をたどるのが自然のことわり。地球が誕生して46億年。延々と繰り返されて来たことです。凄惨を極める事件が頻発します。そんな記事を読んでいると、そんな気さえしてくるのです。

 言葉はこんな事を共有するために生れたものでは無いはずです。