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経験がものをいわない時代

 車で出かけた時、渋滞にはまれば抜け道を探します。結果的に少し遅くなったとしても、知らない道を行くのは楽しいのです。

 私が学生の頃は抜け道を知っているだけで、結構自慢になりました。今はカーナビ時代なので、あまり意味がありませんが、同じように隠れ家的な店なんかも、重宝する情報でした。

 ふと考えました。以前なら教えて貰いたかった事が、Webの発達によって随分様変わりしたと。探そうと思えば大概の事が自分で探せるからです。

 便利ではありますが、問題もあります。人の経験を聞く事が、さして重要でなくなったのです。「相手の都合や気分に左右されない。良いことばかりでは」という声も聞こえてきそうですが、そこなのです。ここからは、ちょと七面倒くさい話です。

 コミュニケーションは、同じ認識を持った人とだけする為のものではありません。気難しい人から、何とかスムースに情報を引きだしたい。そんな時、工夫をするのです。

 「コミュニケーションの不足から戦争が生れる」とはアートディレクター佐藤可士和の言葉。他人の経験が重要な世の中は、少々面倒かもしれませんが、「他人は他人」と無関心になりようが無いのです。
 
 極論すれば、人の経験に意味が無いなら、人に意味が無い事になります。「自分」という人間は大切だけれど「他人」には意味がない。そんな理屈は成立しません。

 効率、便利、リスクヘッジ。全てビジネスベースでは正しい事です。しかし、人として最も重要だとは思いません。効率が悪いことに、人の心は動くと感じます。便利な道具は誰にでも一定の成果を与えますが、人の気持ちの入る猶予を奪います。危険にさらされた事のない生物が、本当の危険を回避出来るのか……。

 普段勉強に来る学生に言いますが、納得していないようです。自分で何でも出来る(または出来ると思っている)のですから、納得出来ないでしょう。しかし、物創りをする上で一番大事な部分はそんな所にあると思うのです。

 いつの間にか、私も面倒くさい人間になってしまいました。しかし、思っていることは現実です。現実を伝えるのはとても難しいのです。

デスク

 以前から、働き良い机とは?と考えていました。それで今回、作り変えてみました。

 今のところ、L字の天板が最も広い範囲に手が届くと考えています。その内側は座る位置から離れ過ぎないよう、アールにするのがベストと考えています。

 向って右が私の席です。内側のアール部がないと肘を置く場所がなく、特に近年増えたキーボード打ちの作業が大変疲れるのです。体の動きに合わせれば、無駄なく空間を使えるという結論です。

 図面が出来たので制作しようと、付き合いのある材木店に聞くと「集成材は巾600くらいまで」とのこと。探していたところ「特注なら1300×6000まで可能」とある、広島の山根樫材工場のWebサイトを見つけたのです。

 2000×1300×30の内側をR600に切り取り、逆側には900×700×30の天板をつなげました。

 このエリアでの2人の仕事効率は随分上がったと思います。毎日のことですから「楽しく、気持ちよく働けるデスクにしたい」という目標が達成出来ました。

 以上が完成までの流れです。実は、特注の机は結構値が張ります。

 金額が合わない時は、クライアントにも頑張って机を作ってもらおうという、目論みもありました。それには、まず自分がやらないと、いう事です。

若者は

 今日でスタッフが一人辞めます。

 一ヶ月のオープンデスクを終え、修業生として残り、その後夜間の専門学校に通いながらスタッフとして働いてくれました。

 この1月の話し合いで、2月いっぱいと決まっていたで、突然ではありません。気まずい関係で終えることもありません。

 辞めると言った時には、気まずいだろうと思い理由は聞きませんでした。そうなった場合は、引き止めないと決めていたからです。

 一昨日、もう気まずい事もないだろうと思い、色々話をしました。多少気を遣っているかもしれませんが、「ここに不満は無いが、東京で挑戦してみたい」という事でした。

 彼は文系の大学を出て、卒業後、建築の専門学校に入学しました。面白い事を言っていました。飲食店でアルバイトをしている時、大学の卒業を隠したことがあったそうです。

 「お客さんの態度が明らかに違います。それから、学歴を外した自分とは一体何?と考えました」。自分に向き合い、仕事に向き合い、今に至ったのです。

 私はとしては、残って欲しいという気持ちも有りましたが、自分が選んだ道を歩むのが一番です。悔いや言い訳が残る人生は嫌ですし、私もそうして来たつもりです。

 彼には「麗しのサブリナ」でヘップバーンが言った言葉を贈ります。

 「人生とは何か。どう生きるべきかを知りました。傍観者ではだめだと。……もう、人生から逃げはしません」

 若者は荒野を行け。

銭湯

我が街には銭湯があります。大阪の下町は、小学校区にひとつある感じでしょうか。

半年振りに行って来ました。「銭湯」という響きが、すでに雰囲気を持っています。

『湯の町温泉』。どうですかこのネーミング。もちろん温泉は湧いていません。

靴箱はこのタイプ。この日は「3」が空いてなかったので「5」に入れました。1と3はいつも人気です。

ここは「傘立て」でなく「傘入れ」があります。

間違って持って帰る(あくまで勘違いで!)人が、よっぽど多かったのでしょうか。随分頑丈に出来ています。

電気風呂、寝湯、水風呂、露天風呂にサウナまでついて390円。燃料の高騰で大変でしょう。

私も思い出がたくさんあります。地域のソフトボール大会の後は皆で、実家が建て替えの時は毎日、大学生の時も友人が集まれば皆で行きました。

地域のコミュニケーションも、銭湯を核にすれば、案外スムースに進むかもしれません。裸の付き合いが一番です。

700円のスーパー銭湯より、390円の銭湯。たまに芳ばしい感じのお兄さんもいますが、それも含めてコミュニティーです。生活に密着していると言うことが大事。これは下町ならではの娯楽です。

標識 信号

 近所でのこと。道路標識が2つ並んでいました。

 うしろの標識は「自動車通行止め」。手前のは可動道路標識と言うようです。

 例えば高速道路で強い雨が降ってきた時、制限速度が80km/hから50km/hに変わったりします。どんな仕掛けになっているのかなと思っていました。まさか一枚ずつ張り替える訳にはいかないだろうし。

 たまたま、変わる瞬間を見掛けると、中心から回転して表示が変わるのです。写真のものは、その途中で壊れてしまったのでしょうか。しかし何に変わろうとして止まってしまったのか。

 決して正しいと思っているのではありませんと前置きした上で。ある女優がテレビで言っていました。「絶対車が来ない。絶対安全だ、と思ったら、私は赤信号でも横断歩道を渡る。安全かどうかは自分で判断出来る」と。

 間違いなく法律違反ですが、逆は真なりです。青だから絶対安全という訳ではありません。何が言いたいかと言うと、安全という大事な事を信号にだけ託すのは、ちょと問題なのかなと思った
のです。

 本来自分の身は自分で守るもの。信号を疑った事などありませんでしたが、機械ですから壊れる可能性だってあるのです。

年賀状のやりとりしか無い場合

 今年の年始は土日の関係で、今日が仕事初めの人も多いかもしれません。建築業界は総じて盆暮れの休みが長い傾向にあります。

 社会的には週休2日が普通になりつつありますが、土曜日が休みの建築現場はほぼありません。また、職人さんは地方出身者が多かった事もあり、盆暮れは帰省のため長く休む風習が残っているようです。
 
 年始の楽しみは年賀状ですが「あの人に出し忘れてた」などの失敗はあるものです。しかし、今年はやってしまいました。

 ”宮○”さんという方に”富○”さんと送っていたのです。それも10年以上ずっと。裏面にこんなコメントがありました。

 『いつも年賀状ありがとう。昨年結婚しました。でも、富○じゃなくて”宮”○なんです』

 結婚報告写真の横にこのコメント。もう一枚出そうかと思いましたが、良く会う人ならともかく、年賀状のやり取りしか無いので、来年詫びる事にしました。申し訳ないし、恥ずかしい。

 勿論、名前と顔を思い浮かべながらコメントを書いています。それが、10年程前に宛名をパソコンでプリントするようになった際、間違って入力したようです。便利なものには落とし穴があるものですが、言い訳も何もありません。いちよう表を見てみると

 ”守屋 昌紀 様”

とあります。間違いとしては私のほうが重罪ですが、ウソみたいな話。来年用のネタが出来ました。しかしこの間違いは他にも2、3あるのです。その人たちも10年くらいそのままです。

続・ガソリン

 続と言うほどでも無いのですが、昨日大阪府庁のある谷町4丁目あたりに行っていました。

 要するに大阪市内でも中心部です。

 ガソリンススタンドの看板には170円台の数字。私の車はハイオクではないのですが”少々上がってもしかたない”と思っていたものの……

 通りがかりで、近隣の価格帯を把握していないのに言うのもなんですが、この値段でユーザーは居るのでしょうか。

 ”どうせ高いなら、地域で一番高い店を目指そう”という方針があるんじゃないかと、勘ぐってしまうくらいの数字です。

 それとも中心部はこんなもの? 

人気者の条件とは

 先週、今年の流行語が発表されました。

 大賞は”どげんかせんといかん”と”ハニカミ王子”。

 しかし子供達の間では、間違いなく”そんなの関係ねぇ”です。

 早稲田卒という高学歴芸人、小島よしおのギャグと言うか、ネタと言うか。

 子供達は本当に良く真似します。長男の通う幼稚園でもみんなでするのです。

 ”おっぱぴ~”と発しながら真似しますが、本物を見た事が無いので微妙に違います。

 小さい頃から人を笑わせるのが得意で、人気者だったというのがお笑い芸人。関西なら皆にら”吉本行ったら?”といわれ続けたはずです。

 私が小学校の時でも、もてるのは、面白い子とスポーツが出来る子でした。ところが先日、面白いニュースを聞きました。

 アフリカの何処の国か忘れましたが、結婚の概念が明確で無い国で調査した結果、声が低い男性ほど子供が多かったそうです。

 いつ頃その価値観は入れ替わるのでしょう。それともアフリカだけなのでしょうか。面白いの価値とは、人気者の条件とは、もてるとは……一体なに。

もしも火事が起こったら

 先々週だったか、事務所の前が急にあわただしくなりました。

 サイレンが鳴り響き、救急車や消防車が3台、4台と……

 野次馬が集まりだしたので、消防士から”本件は火事ではありません”と事情説明が。近所の人が何かに挟まれ、身動き取れなくなったようです。

 そう言えば今年の夏、私の住むマンションでの事。

 夜の10時頃、火災報知器がけたたましく鳴り出しました。外に出てみると、下階から煙らしきものが上がって来ます。1階のホールまで下りると、前が見えないほど、煙が充満していたのです。
 
 急いで4階まで戻り、妻に身支度を命じ、寝ている子供を毛布にくるんでマンションを出ました。

 消防車がサイレンを鳴らしながら、続々と集まって来ます。私達はそれを返り見ることなく、近所の実家へ向いました。その晩はそちらに泊ったのです。

 翌日、マンションの住人に聞くと昨晩は小雨が降っていたので、中学生くらいの子が玄関ホールで花火をし、何かが少し燃えたとの事。

 建物の中で花火とは全く人騒がせな、と憤りましたがホッとしたのです。

 その晩私が持って出たのは、仕事カバンと2歳の長男、妻もカバン一つ。

 もしマンションにあるものが全部燃えても何とか生きていけるな、と話たのです。

 現在都市部に建つ建築の規定は厳しく、昔に比べる燃え難くなっています。

 しかし日本は元来木造建築の文化です。失火した場合でも故意だったり重大な過失が無い限り、責任は問われません。要するに、火事は十分起こり得るし、お互い様という発想です。

 いざと言う時、人が持てるものは僅かです。手は2つしか無いのですから。沢山持って出たいと言う人は、リュックサックに入れておかなければ物理的に無理なのです。

 当たり前ですが、地震や火事の備えをする事は、ネガティブな事ではありません。何が起こってもポジティブに生きるという意志だと思うのです。
 
 とは言え、実際の火事では無かったのですが、マンションを離れた時の気持ちは何とも言い表し難い感情でした。年末にかけて火の元にはご注意を。

冬が始まる

 ”いい季節になったなア”と言っているうちに、秋は足早に過ぎさろうとします。

 いつの間にやら冬の様相。温暖化が進むと春、秋が短くなるそう。最もいい時期が短くなるのは大いに困ります。

 事務所でも室内の気温が18℃を切るようになってきました。

 創る側の人間は、出来るだけ厳しい条件に身を置くべき、と思っていますが仕事が出来ないのも困ります。

 主な暖房はデロンギのオイルヒーター。数年前にクライアントから“デロンギはいいよ~”と教えて貰ったのです。

 オイルヒーターの特徴は輻射熱で暖めると言う点。輻射熱とは発生した熱エネルギーが電磁波となって空間を通過し、物体に当たり再び熱に変わる現象を言います。なので、熱風を送るエアコンとは根本が違うのです。

 燃焼しないので二酸化炭素を排出せず、空気を動かさないので、空気が常にクリーンです。最大の魅力は、点いているのか忘れてしまうほど自然な暖かさなのです。欠点は電気代がやや高くつく所。

 オイルヒーターもいろいろありますが、イタリア生まれのシンプルでちょっとかわいいデロンギ。タイマーもアナログな感じがとってもいいですよ。