カテゴリー別アーカイブ: 02 ことば・本

人それぞれ

 いきなりですが、ずっと思っていた違和感を書いてみます。

 話が行き詰った時「人それぞれ」と、会話を終えるケースがあります。正直に言えば「それを言ってはおしまいよ」と思っているのです。

 一見言葉として問題ありません。他人を尊重しているようにも聞こえます。しかし、実際には関係を諦めた瞬間というか、コミュニケーションを拒否した瞬間というか……

 一人一人が違うのは当然です。人は誰もが生まれながらにして、唯一無二の存在です。絶対正しいもの、誰もが共感出来る事が、常にあるとは思いませんが、あるかもしれないという幻想はもっと大切だと思うのです。
 
 「分かってもらえないだろうなア」と思いながら話をして相手に伝わることは無いはずです。創作もデザインも全く同じ。誰かに分かって貰える、誰かとその思いを共有出来る、と信じるからこそ、多くの情熱が捧げられるのです。

 人は生まれながらに「真・善・美」を求めると言います。そうでなければ、真理を追求してここまで科学は発展しなかったかもしれません。善き心を求めるからこそ、神や仏という概念が生まれ、哲学や宗教が生まれてきたはずです。ましてや、存在しなくても命には影響の無い、美や芸術などは全く発展しなかったはずです。それらを人が求める事は歴史が証明しているのです。

 善き心は誰が見ても善のはず。それは人それぞれではないのです。

夢の条件

 夢に条件も何もあったものではないのですが、こんな話を聞きました。夢には3つ条件があるそうです。

 ここではあくまで仕事人としての夢の話し。

①考えただけでワクワクする事
 
 出来るだけ鮮明なほうが良く、その映像がカラーで詳細に説明出来るくらいでないとダメだそうです。

②自分らしい事

 意外に難しいのが自分らしさ。これは「苦労してもやってみたい事」という説明でした。これは納得出来ます。手を抜く姿が自分らしいと言っても「そうだね」とはなりません。自分らしいかどうかは、困難がフィルターになるのです。  

③世の中の役に立つ事

 仕事人としては必須条件と言えます。なので、小学校の時に描いた夢とは少し違うかもしれませんが、本質は同じような気がします。

 加えて、夢と幻の違いも聞けました。

 差は行動が伴うかどうかでした。こんな仕事がしたいと思っても、ベッドに寝ているだけなら、これは幻。ダイエットしたいと思っていても、何も始めなければこれも幻。

 夢は前向きに行動するためのエンジンもしくは燃料みたいなものです。但しシャボン玉のように壊れやすいものだとも。夢を壊すのも自分、抱き続けるのも自分。これだけは、人から貰えません。

 その夢を持続する方法は紙に書くこと、だそうです。
 
 全て簡単な事ばかり。しかし実際に行動出来るかで、すでに10%内との話しもあります。それこそ幻にしてしまうかどうかは自分次第……

進みだす

 現在は、1人がオープンデスクに参加しています。先日までは男女の学生が2人来ていました。

 20回で1クール。14回目を迎えた女の子が、朝一番に「今日で終えたい」というのです。理由を聞くと「やはり内定を辞退して、すぐに設計事務所の就職口を探したい」という理由でした。

 彼女は学校の先生から紹介して貰った会社から、内定を貰っていまいた。それでも迷う気持ちがあり、オープンデスクに参加していたのです。

 彼女はどちらかと言うと大人しいタイプに見えました。設計の仕事がしてみたいが、どんなものかを知らず、このまま就職して良いのか……と悩んでいたのです。

 研修中「紹介して貰った以上、やっぱり断れないですよね」と聞いてきたので「そんなことは無いと思う。自分の人生だけは自分が主役なんだから」と答えました。その時は、このまま就職するのだろうと思っていました。しかし、最後に下した決断は違いました。

 もし、親御さんが聞いていたら「この就職難の時代に、何を言うんだ」と叱責されるかもしれません。

 雇用について聞こえてくる話しは厳しいものばかりです。彼女が今から精一杯頑張ったとしても、思ったような仕事に就けるかどうかは分かりません。それでも、チャレンジしての結果なのか、せずの結果なのかでは、全く違うと思うのです。

 もうひとつ載せておきたいと思います。これは、全ての人へのメッセージだと思うのです。

 これまでに何度も耳にしてきた言葉で「一生懸命頑張った、力いっぱい努力して負けたのだから悔いは無い」というものがある。

 この言葉は、努力の限りを尽くした者が勝負に負けた時、相手の力が上回っていたことを讃え、自分への妥協が許されるものなのかもしれない。

 しかし、私は目標に向かって全力で努力した者にはその結果が必ず出ると信じて行動してきた。

 「やっていおけば良かった……」の人生なのか「やっておいて良かった」の人生なのか。ここに「全力に悔いなし」の背景がある。

サガン鳥栖ゼネラルマネージャー 松本育夫

 

変わる

 何年か前、車のCMで「変わらなきゃ」「変わらなきゃも変わらなきゃ」というシリーズがありました。

 その出演者のイチロー。野球の国別対抗世界一決定戦、ワールドベースボールクラシック(WBC)には並々ならぬ意欲を見せています。3年前、第1回大会の時も「なぜこの記念すべき大会に出ない人が居るのかが僕には分からない」「運命的なものさえ感じる」といったコメントもありました。

 予選リーグで韓国に負けた時の悔しがりようは、尋常ではありませんでした。その後、アメリカの思わぬ負けもあり、日本代表は決勝戦でキューバを下し初代チャンピオンに輝きます。

 今回の第2回大会では、昨年の北京オリンピックで敗退した日本代表チーム監督の星野さん続投の雰囲気を「オリンピックのリベンジの場でない」と暗に批判する場面もありあました。

 賛否両論ありますが、それを言えるのはキャリアのピークにあるイチロー以外に無かったはずです。

 第1回大会の監督は前ソフトバンクホークス監督の王さん。生涯ホームラン数868本。世界一多くのホームランを打った偉大な選手です。今回は体調と年齢のこともあり、日本代表相談役という立場となりました。先日テレビで、長嶋茂雄さんの長男、一茂さんとの対談が流れていました。

 「人は変わる。変われるでは無く変わるんです。調子がいいからずっと同じ状態でいたいと言っても無理なんです。ならいいほうに変わろうよと、僕はいつも言ってるんですよ」

 奥行きの深い、示唆に満ちた言葉です。まさに、諸行無常の響きあり……
 
 イチロー、海を渡った松坂と役者はそろいました。WBCは3/5が開幕。決勝は3/24です。楽しみになってきました。

何故か送る若者へのメッセージ

 今日は成人の日。正月休みが終わったと思ったら、また3連休。いつの間にやら、日本の労働時間は韓国、アメリカよりも短くなっていました。

 成人とは20歳を超えた人達のこと。社会的責任を負う年齢となります。この意味が、20歳の時には全く分かっていませんでした。

 社会的責任を負うというのはどういう事か。逆の言い方をすれば、責任を負える人であるという事です。しかし、これは消極的な表現です。

 積極的な言葉に置き換えると、社会の役に立つ、社会が必要する人、と言い替えれます。

 『人類は宇宙船地球号の乗組員である』

 建築家、バックミンスター・フラー の言葉です。

 若者よ、乗組員として必要とされない人生はつまらない。精一杯働こうじゃないか。そうすれば、自分の持ち場が必ず見つかるはず。

 成人してから18年。今はそんな風に思って働いています。

 ようこそ「素晴らしきこの社会へ」です。

ことばの力-含蓄編2-

 人生とは永遠に重心を探し続ける秤のようなものだ。 by ヘリット・トーマス・リートフェルト(1888~1964)

 ピート・モンドリアンの抽象画は、学生時代から興味がありました。単純であるが故に心惹かれるという、初めての体験でもありました。

 そのモンドリアンと同じデ・ステイルという運動に参加していたのがリートフェルト。その象徴的な色使いで構成されているレッド・アンド・ブルーというイスが有名です。

 このイスに座ったとき、意外な座りやすさに驚かされました。

 リートフェルトが設計したオランダのユトレヒトにあるシュレーダー邸は、世界遺産に登録されています。

 その理由は、人間の創造力が生み出した傑作である、そして西洋建築の歴史上の重要かつユニークな象徴であること。最も好きな建築の一つです。

 そこで初めの言葉に戻りますが、最近妙に感じ入っています。

 何においても、最もバランスの良い、美しい点があるだろうと思っていましたが、それはある程度範囲のあるものだとイメージしていました。

 しかし考えてみると、太陽と地球は万有引力と遠心力のつり合う一点に有るからこそ、私達は存在しているのです。この一点以外なら、宇宙の藻屑と消えたか、または太陽に呑み込まれてしまったか。

 極論すればバランスの取れたものしか、宇宙には存在しないはずなのです。

 人が創り出すものに、果たしてそこまでのバランスが保てるのか。それは分かりませんが、やはりその点は存在すると考えるほうが理に適っています。

 時代を超えて愛される建築を創りたい。評価は時間と時代の気分が下すものですが、ある点を探求して行きたいと思います。

 世界遺産。ずっと先かもしれませんが、大きな目標です。

言葉の力-みなぎる編-

 唐突ですが、有名な言葉を紹介してみます。

 君たちの時間は限られている。だから無駄に誰かの人生を生きないこと。最も大事なことは、あなたの心や直感に従う勇気を持つことだ。

 自分の内なる声、心、直感というのは、どうしたわけか君が本当になりたいことが何か、もうとっくの昔に知っている。だからそれ以外のことは二の次でいい。

「Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ、バカであれ)」
卒業して新たな人生に踏み出す君たちに、それを願って止まない。

―2005年6月12日、アップル社の創始者、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチより―

 とっくに学生ではありませんが、彼から見れば私も学生みたいなものです。

 これまでに、実務を体験するオープンデスクに何人もの学生が参加しました。私の主張も、ジョブズに同じです。そしてそう行動して来たつもりです。

 しかしどれほど、その気持ちが届いたのかを考えると、比べる対象にさえなりません。

 「何を言ってるのかが重要ではない。誰が言っているかが重要なのだ」 と言った人が居ました。

 そう考えれば当たり前です。よってこれも修行。現実とは、修行、修行の連続なのです。

人とことば

 人類は地球上で、他の「種」を圧倒してきました。現在は約66億人。それに次ぐ1m以上の生物は家畜の牛で約14億頭。

 地球上でこの繁栄を築いた理由の一つに「ことば」があります。そして「文字」。ことばで情報を共有し、経験を文字で残す。言葉こそが、遺伝子レベルではない進化を遂げさせたのです。

 その意味で言えば、言葉は特別なものと言えます。新約聖書にも「はじめに言葉ありき」とあるように。
 
 日本語の「ことば」は言霊が語源と言われます。魂が宿っているとの考えからです。良い言葉が良い行動を導くかは別としても、ネガティブな言動が、良い結果を導く事はありません。

 作家、五木寛之氏はある対談で「私は新聞は読まない。読んだってネガティブな事件が載ってるだけでしょ」と言っていました。

 繁栄しすぎた種は破滅をたどるのが自然のことわり。地球が誕生して46億年。延々と繰り返されて来たことです。凄惨を極める事件が頻発します。そんな記事を読んでいると、そんな気さえしてくるのです。

 言葉はこんな事を共有するために生れたものでは無いはずです。

ことばの力-生き方編-

 寒い日が続きますが梅は満開です。花は毎年暦通りに。淡々とした営みは、逞しくあります。

 唐突ですが、ことばの力-生き方編-です。「ことばの力」は一応シリーズで書いているつもりなのです。
 
 「たとえ嫌われたとしても真実の方を取る。真実が私の同志だからだ」 山本隆司
 「不幸せの時くたびれる者は、役に立たざるなり」 山本常朝(江戸時代 武士)

 社名統一でゆれる松下電器の創業者、松下幸之助は「成功は失敗の要因が蓄積している状態。失敗はそれを改善するチャンス」と言いました。

 言うは安し、行うは難しです。実行に移すかかどうかは、自分次第。自分を奮い立たせる為、偉人の言葉を求めるのでしょう。

商店建築増刊 クリニック&オフィス

 昨日発売された、『商店建築3月号増刊 クリニック&オフィス』「つるみ歯科クリニック」が掲載されました。

 セブンアンドワイで買う

 なかなか重厚な感じの仕上がりです。価格も¥3,150、厚み1cm以上。ずっしりと重みがあります。

 商店建築社の紹介サイトで、少し内容が見れます。

 信用している出版社に評価してもらうのは励みになります。

 進行中の現場では、今年一番の梅の花。僅かながら春の息吹が。