夏来る ゆくひとあり

 8月に入り、いよいよ夏本番を迎えました。

 今朝の新聞に作詞家・作家の阿久悠さんが亡くなったとありました。

 毎週土曜日の朝刊に”阿久悠 書く言う”というコラムが連載されており、一番楽しみにしていたのです。

 ところが今年の6月9日を最後に告知もなく、連載が無くなりました。残念に思いながらも、あまりにストレートな表現で”新聞社と揉めたのかな”くらいに思っていたのです。

 全く誤解を恐れない痛快な批評、現在の日本を憂う気持ちが書かれる文章は、彼の美意識の結晶でした。今朝の記事には”遺書のつもりで書いている”とあったのです。

 何枚もスクラップしていますが、以前日記に書いたものをを再掲載します。

 枯れる時には枯れ、朽ちる時には朽ちる。

 それが生き物の礼儀である。

 人間は有限の生命体でしかも、消滅するのではなく衰弱するように出来ている。

 2005年 11月5日 産経新聞朝刊 ”阿久悠 書く言う”より

 尊敬の念を込め、心よりご冥福をお祈り致します。

「夏来る ゆくひとあり」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    阿久悠さんて、ほんといろいろなジャンルに渡り曲を作られていて
    改めてすごい!と思いました。

    でね、女性として、いつまでも若くて綺麗なことは望ましいとは思うけど
    最近、アンチエイジングに対する考えを改めました。
    年相応に生きていけばいいんだなぁと思って。
    まさに、「枯れる時には枯れ、朽ちる時には朽ちる。
    それが生き物の礼儀である。」ってことかな。(オーバー?)

  2. SECRET: 0
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    >nachitojiさん
    ほんと凄いですね。新聞のコラムを読んでいる時も、世間の風潮に何か違和感を感じた時、その違和感をズバッと明快にしてくれるんです。その言葉がまた美しいという……。恐れ多いですが、凄く共感していました。

    ネガティブな事も認めるポジティブさというか、どんな現実も直視できる許容範囲の大きな人だなとも思っていました。

    文筆家として大ファンだったので、あの切れ味をもう読めないのはただただ残念です。

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