自分の名前が好き嫌い‐1062‐

 子供の頃、親へ名前の文句を言ったことがあります。

 「何でこんな名前なん?漢字が女の子みたいやん」と。

 親は「お祖父ちゃんが付けてくれた、とってもいい名前なんだ」と説明してくれました。長男の名前を考えるとき、漢字の謂れを調べ、今は祖父に感謝しています。

 時代は繰り返されるので、同じように子供から言われました。

 「何でこんな名前なん?友達に、ニン『ジン』ってからかわれるやん」と。

 「凄く考えて付けた名前で、いい名前なんだ。その意味は……」
んっ。前はスラスラと出てきたのに。

 「仁(じん)」は「人と人が出会って初めて湧き上がる、慈しみのこころ。愛情」という意味です。

 儒教では、人の常に守る道徳を五常と呼び、その中から選びました。

仁- 孔子の提唱した道徳観念。礼にもとずく自己抑制と、他者への思いやり。
 義- 利害をすてて条理にしたがい、人道・公共のためにつくすこと。
 礼- 社会の秩序を保つための、生活規範の総称。仁を行動に移したもの。
 智- 物事を理解し、是非・善悪を弁別する心の作用。
 信- 欺かないこと。言をたがえないこと。まこと。

 広辞苑で調べてみると、現代に欠けていないかを省みることになります。

 長男はすぐに友達を作ってきます。先週サッカーの合宿で、他校の生徒との相部屋でした。夜中の2時半まで遊んでいたそう。褒められたことか分かりませんが。

 非の無い名前などありません。良いところだけみればよいのです。

 しかし「名は体を表す」か、とも思います。ことわざの精度に驚かされるのは、40歳を過ぎてからなのかもしれません。

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