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真っ赤に流れる

 5月31日の新聞に、アンパンマンの作者、やなせたかしさんの記事が載っていました。

 1919年(大正8年)東京生まれ。4歳から両親の郷里、高知で暮らします。現千葉大学工学部を卒業、兵役を経て三越の宣伝部にデザイナーとして入社しました。

 1953年(昭和28年)に退社。その後、漫画、舞台美術、作詞など多くの仕事を経験します。昭和48年に「詩とメルヘン」を創刊。30年間編集長を務めました。

 「正義はすぐにひっくり返るが、パンをあげる行いはいつも正しい」

 1973年(昭和48年)、54歳の時に初めてアンパンマンを発表。63年にアニメ化され、人気漫画家になったのです。現在91歳で現役。引退しようかなと思った頃に受けたのがアンパンマンの仕事です。今はこれが天職だと思うとありました。

 「なんのために生まれて、なーにをして生きるのか」

 テーマソングもやなせさんの作詞ですが、テーマは非常に重いものです。

 そこに至るまでの道のりは平坦でなかったようです。退社後は漫画の仕事がなく、何でも引き受けたとありました。その中の一つが「手のひらを太陽に」の作詞。

 「あれは漫画の仕事がほとんどなくて辛い時代に、夜、懐中電灯で手のひらを透かしてみたら血管が浮き上がって見えたことからできたんです。自分は元気がなくても血は赤いんだなあって。懐中電灯ではさまにならいから、太陽にしたんですが、まさかあんなに売れるなんて思ってもみなかったですよ」

 気分に関係なく、いつも真っ赤な血が流れているのです。