今週前半は晴れ予報が続きます。
梅雨の中休みですが、いきなり30度越えの連続。
少しは準備期間が欲しい気もしますが、洗濯物のことを考えると贅沢は言えません。
天王寺動物園越しのハルカス。
子供が小さい頃は、「困ったら天王寺動物園」というくらいよく来ました。
下の子供が中学生になり、「どこか連れてって」と言われなくなりました。バタバタとした子育て時代が懐かしくもあるのです。
おぼつかなく思いつめたること、すこしはるかさむ
(胸の思いをあなたに打ち明けて晴らしたい)
名前の由来となったという「伊勢物語」の一節です。
「晴るかす」は「晴らす、晴れ晴れとさせる」という意味で、大阪弁で言えば「笑かす」が近い使い方でしょうか。
再開した学校でも皆マスク越しですから、笑かすのはちょっと大変かもしれません。
それでも笑いを取りに行くのが大阪人。
頑張れ学生!なのです。
先々週、ジョギングコースでツバメの巣を見つけました。
民家の軒下で、ヒナがピーピーと鳴いています。
毎日通るので、成長をつぶさに見てきました。
エサやりに出くわした時は、立ち止まって見いってしまうのです。
しかしその成長のスピードたるや、驚愕に近いものでした。
みるみるまに丸々と太って行きます。
親鳥が近くにいる時は、一層高く、大きな鳴き声で「ピーッ!ピーッ!」と鳴くことが分かってきました。
電柱の影に隠れて待っていると(かなり怪しいですが)、親鳥が急降下してきました。
そして巣の前で一瞬ホバリング。
エサやりの瞬間です。
ツバメの巣だけが、なぜ民家の軒先に作られるのか不思議に思っていました。
中華料理の高級食材として使われる海ツバメの巣は、断崖絶壁にあるのをテレビで見たことがあります。
蛇や哺乳類などの天敵から卵やヒナを守る為ですが、軒の直下につくる理由を、親鳥がホバリングする姿を見て理解できました。
街で見てもわかる通り、ツバメかなりのスピードで飛ぶことができます。
飛行能力が高く、かつハチドリのようなホバリングまで可能。
軒がすぐ上に迫る環境なら、ツバメより大きな猛禽類やカラスは巣に寄り付けないでしょう。
ホバリングの能力がなければ巣に迫ることも出来ません。
テレワーク、リモート授業と新しい生活様式が求められていますし、私達も順応していかなければなりません。
ただ、ツバメのエサやりを目の前で何度も見なければ、その巣の在り方に気付くことは無かった気がします。
新しい生活様式を否定するつもりはありません。
実際にその場に立ち、感じることの質と量が落ちることはよく理解しておかなければならないとも思うのです。
「巣ごもり」という言葉は、今回一気に市民権を得、言葉のイメージアップを果たした感もあります。
ツバメは子育てが終われば巣を放棄しますが、人はそうは行きません。
巣作りの専門家として、もう少しこの親子を観察したいと思います。
何より、ツバメの設計能力と創意工夫に、もう完全に脱帽なのです。
■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に
巻頭インタビューが掲載されました
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