ビッグママ‐1061‐

 昨日は、1年振りに奈良の池原ダムへ。

 このダム湖での釣りが好きな事、一時、狂ったように通っていた話を昨年書きました

 大阪から車で運んだボートを、施設で降ろして貰います。

 小さなボートですが、バス釣り専用の装備を備えています。

 船上はフラットで動きやすく。

 足で操作できるエレキモーターが船首にあるのが一番の特徴です。

 ロッド、リール、ライン、ルアーと、無限の選択肢があります。

 季節感、水温、水質などから判断し、今日使う道具を選ぶのです。

 池原ダムは広大なダム湖です。

 どの場所で釣りをするかが、成果を大きく分けます。
 
 特にこの時期、バスは産卵を意識し、浅場にあがってくるのです。

 警戒心の強い大型の固体を、狙って釣れる可能性があるのです。

 水温は17.5℃。近くに新鮮な水を供給する滝のあるエリアを選択しました。

 透明度は5m位で、何とか産卵にからむバスを目視できそうです。居ました。

 ボートの陰を見るとすぐ逃げますが、また戻ってきます。明らかに、自分の気に入った産卵場所を意識しての行動です。

 60cmはあろうかという彼女と、一騎打ちする事に決めました。

 自分の知識と想像力をフルに働かせて、何度もアプローチします。

 15分程かけて、何とかフックアップ。

 強烈な締め込みを繰り返しますが、やり過ごしやり過ごしネットイン。もう、最高の瞬間です。

 3匹目の60cmオバーかと思いましたが、やや足らずの55cm、2kg。計測だけすませ、リリースしました。

 ここ池原ダムでは、日本記録を更新出来る可能性が、誰にも残されています。

 いい歳をした大人が、心ときめかせる、釣りの聖地なのです。

 夕方まで釣りをし計10匹の釣果。満足して池原を後にしました。

 バス釣りの是非は、昨年の記事に譲ります。

 作家・開高健はこう言いました。

 「釣った魚は、逃がしてあげなさい。そうすればあなたの心を泳ぎ続ける」

 この時期、もっとも大きいのはメスの固体です。これを、バス釣りの本場アメリカでは、ビッグママと呼びます。

 ビッグママとの真剣勝負に勝った、いや付き合って貰った帰り道。何度ももその光景を思い浮かべます。

 ラジオから「今日は母の日特集」と流れてきました。すっかり忘れていたので、吉野の葛餅だけ買って帰ったのです。

 ビッグママ。母はいつも偉大です。