地震

 昨日、3月11日(金)の午後3時前。大阪でも、今まで経験したことのない、ゆっくりと揺さぶられるような揺れを感じました。

 大阪の震度は3でしたが、まるで眩暈のような揺れで、念の為スタッフと机の下に入りました。徐々に詳細が分かってきましたが、初めての感覚に、若干胸騒ぎのようなものを感じていました。

 実は昨日入所したスタッフが1名います。彼の実家は千葉県船橋で、すぐに親御さんから連絡があったのです。

 三陸沖が震源地で震度7という速報はあったのですが、次第にかなりの広範囲にわたる、過去最大級の地震だったことも分かって来ました。

 どうしても16年前、1月17日を思い出します。私は社会人1年目で、一件目の設計事務所に勤めていました。大学時代は、甲南大学のスキー部と行動していた事もあり、阪神間に多くの友人がいました。

 建築を志していたにも関わらず、ただ事務所で店番をし、何の役にもたたない自分の無力感に打ちひしがれていたのです。その後西宮市役所へ行った際、その現実を知りました。

 新しいスタッフには「気になるなら帰ってあげれば」と伝えました。仕事とは人の役にたつ為の修行です。まずは近しい人へ、出来ることをして欲しいと思います。

 阪神・淡路大震災の時、地震後の市民の節度ある行動は、日本の道徳観の高さを示し、海外からも驚嘆の声がありました。

 略奪などが起こっても、全く不思議のない状況だったのです。

 被災された方は本当に大変だと思いますが、皆応援しているので、是非落ち着いて行動して欲しいと思います。

 反対に、テレビの後ろでVサインで騒いでいる少年達を見て、現実も知ります。電車が動かず、多くの人が家に帰れなくても、自分たちが生きていて、友人が居ればそれで良い。

 自分でなければ、家族でなければ、知人でなければ他人事という考えは結局、自分も幸せになれません。家族、街、国があってこその自分ですから。

 こんな事を考えるのは、彼らが真剣に仕事に打ち込んだ後だと思います。

 こんな時何かできないかと考え、昨年、応急危険度判定士の資格を取りました。建築士会から要請があれば、手伝いに行こうと思います。

 こんな時こそ、大人は大人の責任を果たす必要があると思います。子供達、少年達に示さなければならないのです。

一級建築士事務所 アトリエ m
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記