海洋小説

 先週、作家の白石一郎さんの訃報を新聞で見ました。海洋歴史小説の第一人者として高い評価を受けておられて、私も大好きな作家でした。
 1987年の直木賞受賞作品の「海狼伝」は、戦国時代に対馬で育った青年が海賊船に乗り込んで、海の男として成長する長編小説ですが、潮の流れや、風を感じることの出来る秀逸の作品でした。他の作品にも「戦鬼たちの海 織田水軍の将・九鬼嘉隆」など、素晴らしい作品がたくさんあります。
 小説はどんな時間、場所でも楽しめる、自分次第のエンターテイメントだと思います。ワクワクできる作品にめぐり合った時などは、なんとも言えない幸せな気分になりますし、その作品を書いている作家は、無条件に尊敬してしまいます。そして何より安い!
 次の作品を心待ちにしている数少ない作家が亡くなったのは大変残念ですが、多くの時間を楽しませてくれたこと、ワクワクさせてくれたことに心より感謝して、ご冥福をお祈りいたします。
 ちなみに現在読んでいる小説は、ジェフリー・アーチャー「ケインとアベル」です。