柳宗理

 今日から明日にかけて、20年に一度の寒気団が日本列島に流れ込むそうです。

 私の人生で、未だ2度目しか経験のない寒さ。解るような、解らないような……本日の最高気温も3℃の予想。スキー場並みの寒さです。

 近所の庭にあるサザンカが、花を咲かせていました。

 日本海側では記録的な大雪になっています。

 例えばそこで暮らす老夫婦は、雪下しも思うようにならず、不安な日々を送っていると思います。

 人は植物と違い、関係しあって生きるもの。

 自分も必ず歳をとります。情けは人のためならず。元気な若者はこんな時こそ、奮起して欲しいと思います。

 昨年の12月25日にプロダクトデザイナー柳宗理さんが96歳で亡くなりました。本当に長寿ですが、作品を見るとそれが納得できるから不思議です。

 ティースプーンとヒメフォークのセットは、結婚式の引き出物にしました。

 手の感覚を大切にし、ただ純粋に機能と美しさを追求していく。

 個性重視という風潮とは一線を画しています。

 父は民藝の提唱者、柳宗悦。

 無名の職人による、郷土、生活に密着した工芸品の美しさを見出しました。

 その反発もあり、まずは純粋芸術のピカソうやクレーに夢中になります。東京芸大に入ると、バウハウスで学んだ水谷武彦の講義に非常に感銘をうけました。

 1つは、これからは機会・科学の時代だという事。もう1つは、美術、デザインは社会のため、用途のためにあるべきで、社会との関係性の中で生きていくという事。

 彼は代表作、バタフライスツールから、レコードプレーヤー、橋、ゴミ箱にいたるまでをデザインしました。プロダクトデザイナー柳宗理が追求したのはアノニマス(無名性)と用即美
の精神だったのです。

 用途にあった完璧なモノというのは、非常に健全である。

 在りし日の穏やかに見えるその容姿を見れば、柳宗理自身にもあてはまると言えるのです。

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