ケシ

 今週は曇りがちのようです。花粉のほうもひと段落してくれたら幸いです。土曜日のこと、街路樹の足元にオレンジの花が咲いていました。

 ポピーのように見えるが、ポピーの葉はこんな形だったかなと思っていました。
 
 折があったので母に聞いてみると「それ、ケシと違う?」と。

 「ん、コカインとか取れるあれ?」「そうやと思う」と。

 そう言われれば妖艶な感もあります。しかし、麻薬の原料が本当に道端で育っているものかと、少し調べてみました。

 ポピーはケシ科で、花が大きいのはアイスランドポピー。少し小さいオリエンタルポピー(和名オニゲシ)など、多くの亜種があるようです。道端のはオニゲシでしょうか。

 一番小さいものはヒナゲシで別名虞美人草。「雛(ヒナ)」の名の通りで、可憐なだなと感じていたのは、この種でした。

 麻薬の原料となるケシとは親戚関係でした。母に聞いた後は何とも怪しく見えましたが、実際のところを知ると、そうは思わないから勝手なものです。

 紀元前200年頃の中国。秦の始皇帝が没した後、現れた英雄が項羽と劉邦。虞妃(ぐき)は項羽が愛した美しい女性でした。項羽が最後の戦いに出る際に自刃します。そのお墓に咲いたという逸話が虞美人草のいわれ。

 そう言えば司馬遼太郎の「項羽と劉邦」にあった気がします。読んだのは中学の頃ですから、20年以上前。ケシから良い話を思い出しました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA