タグ別アーカイブ: 池原ダム

ひと休み、ひと休み‐1614‐

 2019年のお盆休みは8/10(土)~8/18(日)と告知していました。

 私以外の3人は、妻の実家に帰省していたので私は会社合宿としました。

 会社で自炊しながら仕事することをそう呼んでいるだけなのですが「響き」って大事だと思うのです。

 週末は合宿解除で、長男と釣りに出掛けました。

 台風10号が通過したあとで、濁流の吉野川は濃霧に覆われています。

 池原ダムもおびただしい水量を放水中。

 国道169号線も至る所から水が噴き出しており、猛威の爪痕を目の当りにします。

 命あってこそなので無理は禁物ですが。

 水位が高い池原ダムは、湖が一気に大きくなります。

 増減水が激しく、時々によって湖岸の景色が変わることも飽きない理由かもしれません。

 台風後はフレッシュな水が供給される、最上流部と流れ込みが定番です。

 備後筋の最上流=バックウォーターにやってきました。先行するのは一艇だけ。

 普段は投げさせていない、15cmほどある大きなルアーをつけたタックルを渡しました。

 なかなか上手に投げるなと思っていたら……

 ものの5分で、1本目を捕獲。

 40cm弱の元気な魚で、自分なりに考えてやり取りしていました。

 この後、私にもヒットしたのですが、残念ながらバラシてしまい……

 しかし最低限の仕事はこれで終了。肩の荷が下りたのです。

 日も上がり、気温が上がってきたので一度バンガローにやってきました。

 長男の楽しみとしては、食事の比率も大きいはずで、先に夕食の準備をするためです。

 最近、野外では鍋でご飯を炊いているので、米を研いで水につけておきます。

 これで芯が残るリスクはかなり減。

 結局夕方は釣れずで早めに上がり、2人焼肉パーティです。

 食が細いなと思っていましたが、歳と共に大分食べるようになりました。

 喜んで食べてくれたので満足ですが、つい「ご飯はどう?」と聞いてしまいます。

 長男が「普通に美味しいよ」と。

 お誉め言葉なのですが、感謝の押し売りをしてしまいそうになるのをちょっと我慢するのです。

 翌日も、2匹目のドジョウを狙い備後筋のバックウォーターへ。

 この日は二艇の先行者があり、三番目あたりにボートポジションをとりました。

 追ってはきますが残念ながらバイトには至らずでした。

 その後は長男の観光も兼ねて移動。

 隣の川筋の最上流にあるのが坂本ダムですが、オーバーフローした水が爆風とともに落ちてきます。

 なかなかの迫力ですが、涼しくも飛沫が凄いので撮影終わりで退散。

 こちらは同じ川筋、最大の流れ込みツキ谷です。

 虹が掛かっているからと、子供はスマホで撮影。

 しかし魚は釣れず。

 早めの昼ごはんにしました。

 父手製のオニギリも作っていたのですが、カップヌードルカレー味が食べたいと。

 昨日焼いておいたタンのマフィンサンドとで昼食ですが、なかなかカップヌードルカレー味には勝てないのです。

 食後は湖上で昼寝。

 長男もiPhoneで音楽を聴きながら昼寝。

 釣りたいのは釣りたいですが、仕事ではないので楽しければ全てOKです。

 「一休さん」のセリフではありませんが「ひと休み、ひと休み」なのです。

 タカかワシかトンビか。

 山上湖ではトンボも沢山飛んでいました。

 世はアウトドアブームと言います。

 小さい頃から、野球、釣り、スキーと、外で遊ぶのが好きでした。

 今でも休みがあれば野外で過ごしたいと思います。

 芥川賞作家でエッセイの名手、無類の美食家で釣り好き。様々な側面を持つ作家、開高健は著書にこう記しています。

 木のように立ったままで私は頭から腐っていく。部屋の壁が倒れかかってくるように感じられる瞬間がある。

 白い紙が鋼鉄の罠に思えてくる。空白と沈殿で指一本持あげることもできなくなる。指紋で意識が混濁し、萎えきってしまう。そんなときである。

 だからだ。おおいなる野外へ出ていくのは。

 -開高健- 『オーパ、オーパ!! 国境の南』より

 開高にとって、私にとっても、野外こそが給油所で、今風に言えばパワースポットなのです。

 彼は大阪市大の出身で、幼少期を東住吉区で過ごしました。4年前に生誕85年の展示会へも行きました。

 私の住む平野区は、もともと東住吉区から分かれた区で、私の戸籍には東住吉区とあったはずです。

 とんでもない輩が東住吉区に住んでいたそうですが、評判を落とすのは止めて欲しいものです。

 前に割り込まれて嬉しい人は居ませんが、そんな人ほど普段はダラダラしているのは間違いありません。

 もう始末に負えない訳で、できる限り視界に入れないよう努力するしかないのです。

■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送

■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載

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【News】
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
■『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました
大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

家を出てする修行はない‐1610‐

 全て自分の望んだ通りの人生となる。

 誰かに呪文を掛けられている訳ではないので、当然と言えば当然です。

 この原則を教えて貰い、只々懸命に働くしかないと分かっていますが、久し振りに湖上へもでたいもの。

 娘がトンカツ定食を食べられるなら一緒に行ってもいいよと。

 久し振りに奈良県下北山村、池原ダムまでやってきました。

 この日はショップのトーナメントがあり、桟橋は朝から賑わっていました。

 参加する人は開始時間が決まっているので、一足先に出船します。

 朝もやのかかる湖上に、ボート出す時ほどワクワクする時間はありません。

 朝一は、自分の狙いたい場所に向かいました。

 夏らしい展開で大物を……と行きたいところですが、残念ながら不発。

 上流まで移動してきました。

 必ず子供に釣らせるための本命ポイントです。

 娘も久し振りのはずですが、なかなか堂に入ったもの。

 早々に1本目を釣り上げました。

 暑い季節なので、沢から流れてくる風は天然のクーラーです。

 また、そんな所は水も澄んでいるのです。

 あれよあれよという間に4本釣り上げました。

 「十分満足した」とのことで、9時半に終了。

 過去最短で帰路につきました。

 私はその合い間に2本釣っただけ。

 しかし、子供が同行してくれ、少しでも喜んでくれて、この景色が見れればそれで十分です。

 ボートの片づけをしている間も娘は読書。

 眼鏡女子になってしまいましたが、これだけ本が好きなら仕方ないかなと思っています。

 大阪までは2時間半の道のりですが、1時間程は川沿いの山道です。

 運転中は、尊敬する稲盛さんの講話を聴いたり、好きな音楽を聴いたり。反対に何も聴かずに考え事をしたりと、私にとって大切な時間です。

 吉野川は水遊びをする人で賑わっていました。

 169号線を抜け、奈良盆地まで戻ってくると里山風景へと変化していきます。

 そんな景色を見ているだけでも飽きないものです。

 しかし、子供にとって山道はちょっと辛いもの。

 兄妹とも、酔い止めを飲んで寝ていることが殆どです。

 それもあってか、何かプラスアルファがないと「うん」と言ってくれないのです。

 トンカツ定食は、唐揚げ定食に変わりましたが、こんな時、温泉の食堂が美味しくて良かったと、心から思うのです。

 私も池原の大自然に、クリアーアップして貰いました。

 近くのお寺にこんな掲示がありました。

 真宗では家を出てする修行はない

 家の仕事がみな修行

 日常が修行でなければ、成長など勿論ありません。

 分かってはいましたが、いくら頑張っても魚釣りは修行ではないようです。

 月曜日の朝から、いやいや、大阪に帰った瞬間から修行に戻ります。

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極寒CRAZY!‐1561‐

 前回は、娘の奮闘記を書きました。

 facebookのほうには、お祝いのコメントを貰いました。娘に見せると更に喜んでいたのです。

 その記事の上に、スバコという会社の広告がでていました。リフォーム・リノベーションの紹介サイトですが、当社の作品がでています。

 記事のタイトルは「近隣問題&その解決法」

 なかなかに物騒なタイトルですが、内容と写真は関係ありませんでした。(勿論そのはずですが)

「高台の家」と共に「Shabby House」の写真も上がっていましたが、このサイトからは基本連絡はありません。

 スクリーンショットにも著作権があるというニュースがありました。仕事によって全く異なりますが、写真に価値有りと判断されることは、基本名誉なことだと考えているのです。

 遡って先週末。久し振りに湖上に浮かんでいました。

 この冬、池原ダムは雨が少なくかなり減水しています。

 間もなく昇降不可となりそう。

 最低気温-1℃。

 山はうっすらと雪化粧。

 この寒さの中でも、他に釣り人が居ることに驚きますし、理解もできます。

 しかし魚は正直です。

 ウグイが2匹釣れただけ。

 もっと釣っている人もいますが、自然相手なので全て受け入れるだけなのです。

 しかし、スロープの店主と常連さんが、「熊野まで食事に行くんだけど」と声を掛けてくれました。

 しかも店長の奥さんがハンドルキーパーまで務めてくれるとのこと。

 喜んで同行させて貰いました。

 で、こちらのお店が凄く安い。

 そして凄く美味しい。

 グレの刺身、ヒラメの刺身、タチウオの天ぷら。

 サザエのバター焼き、すじ肉と全て500円。

 ゲソの酢ミソに至っては300円。

 売り切れ御免という「サバのぼうずし」だけが700円ですが、そのレア感が絶妙でした。

 お腹一杯食べて飲んで1人3000円ちょっと。

 これだけ海の幸がよければ、熊野水軍もこの地を手に入れたくなるはずです。

 金額も合せて、大満足でした。

 プリンセス・プリンセスの歌に、「GET CRAZY!」という曲がありました。

 キ○ガイという日本語を使ってはならないので、氷点下の湖にでている人を「極寒CRAZY!」と呼んでみます。

 その私が好きな釣りですが、アメリカでは釣果を競う試合があります。

 「トーナメント」といわれ、トップカテゴリーでは賞金が1億円という試合もあります。また、テレビ中継もされる人気コンテンツでもあるのです。

 日本にもトーナメントはありますが、野球選手がメジャーリーグを目指すように、多くの日本人が夢を求めてアメリカへ渡りました。

 そんな中、昨年末にアメリカでの引退を発表した選手がいます。

 1970年生まれ、吹田出身の清水盛三という選手ですが、その17年間にわたる挑戦が、テレビで特集されていました。

 日本のトーナメントで実績を残した彼は、2001年に単身アメリカへ。

 2006年には、世界最高峰と言われるB.A.S.S.の試合で優勝を成し遂げます。

 引退の理由は明確には述べませんでしたがこの言葉が一番印象に残りました。

 「勝負の世界でしか味わえない何かがある」

 全く同感です。

 誰しも好きなことがあります。楽しむだけなら、仕事としない方が良いかもしれません。

 しかし、全てを注ぎ込んだ真剣勝負でしか味わえない何かがあるのです。

 その分岐点にある言葉が「狂」だと思っています。

 しかし、ただの「狂」では意味がありません。その下敷きになっているのが、「好き」とか「愛情」でなければ。

 だからこそ「狂おしい」という表現があるのだと思っているのです。

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アトリ

愚痴は土俵外へ‐1542‐

 いつもお世話になっている、トボト・スロープの忘年会に参加させて貰いました。

 ダム湖での釣りは一種独特です。

 放流し続ければ水位は下がり、雨が降れば一気に増水します。

 海のような港は作れないので、スロープに固定した浮き桟橋が港代わり。

 そのボートを上げ下ろしする拠点がトボト・スロープです。

 忘年会と言っても、奈良県下北山村までは車で片道2時間半。

 コテージを借り切っての会でした。

 私は初めてでしたが、常連の人ばかり30人程が参加。

 超が付く釣り好きだけが集まります。

 地元猪肉の焼肉は、わさび醤油で。

 ぼたん鍋に、カキの蒸し焼き。

 タコのから揚げは、お客さんが釣った本物の明石ダコ。

 最高に美味しかったのです。

 トボト・スロープの店長、Tさんは奥さんと一緒にフル稼働でした。

 忘年会というよりは、お客さんの慰安会のようで、申し訳なくもあり、有り難くもあり……

 釣りという遊びの性格上、夏なら朝5時にはオープンします。超の付く釣り好きは、日没まで釣りをします。

 それでも、普段からニコニコと笑顔を絶やしたところを見たことがありません。

 面白いことに気が付きました。

 好きな釣りの話が中心にあるので、ネガティブな会話はありません。

 お酒が入り、ちょっと声が大きくなる人はいても、不平不満や愚痴が充満してる空気とは正反対です。

 先日「盛和塾」の解散を発表したばかりの稲盛和夫さんは「不平不満や愚痴の対極にあるのが感謝」だと仰っていました。

 感謝の気持ちというのは、自分が他の存在に対してへりくだる気持ちがなければ沸いてこないとも言われます。

 建築家という職業も、釣りという遊びも、また奈良にある大自然も、私より上位にある存在です。

 私が生み出したものではないからです。 

 心の中はいつも「感謝」と「不平不満や愚痴」が押し合いへし合いしています。

 「不平不満や愚痴」を辞めるというより、「感謝」に押し出して貰う方が簡単なのかもしれません。

 これを「感謝の寄り切り」としたいと思います。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm「回遊できる家」放映

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男類、女類、あわせて人類‐1535‐

 先週末は我が家の女子チームと出掛けたと書きました。

 リフレッシュが目的なので、普段は素通りの池原ダム自体も観光します。

 学生時代は学年で1、2を争うくらい足が速かったという妻も、小5の娘に負けてしまったそう。

 何といっても育ち盛りですから。

 ダムサイトを反対からみるとこんな景色。

 高さは110m。アーチダムとしては国内最大の貯水量を誇ります。

 今回は、水位の関係で池原ダムにボートを下すことができず。南隣にある七色ダムへ移動しました。

 これは七色名物、旧発電所跡。

 久し振りにやってきた七色ダムですが、その名の通り色彩がとても豊かな湖です。

 ボートを車で引っ張ってきて、湖に浮かべるのですがこれが一苦労。

 スロープのおじさんに教えて貰いながら何とか完了。何でもそうですが見るとやるとでは大違いです。

 娘が流れで削られたガラスの破片をみつけました。

 海辺でみつければシーグラスですが、リバーグラスとでもいえばよいのか。

 娘はこれが好きで、飽きずに延々と集めているのです。

 また、宿泊施設でもレストランでも、アンケートがあれば必ずと言って良いほど丁寧に書いています。

 これは私には全くないもの。女の子だからでしょうか。

 ベストセラー「話を聞かない男、地図が読めない女」は2000年4月の発売となっていました。

 もう20年近く経ったことになりますが、狩りにでて、家族に獲物を届けなければならない男に、会話など一切不要。むしろ獲物に気付かれるだけです。

 また、巣を守ること、巣で待つ女性陣の調和を保つことが重要だったので女性に地図は必要ありません。

 ビートたけしは、こんなことを言っていたと思います。

 男と女は、サルとチンパンジーくらいは違う。だから、男類、女類あわせて人類と言うんだ。

 男と女はこうも違うんだということを理解するのに、私も40年は掛かった気がします。(今でも勿論完全に分かった訳ではありませんが)

 付き合っていても、結婚しても、なかなか上手く行かないものだなと思っていたのは「人は分かりあえる」と考えていたからだと思います。

 しかし、分かりあえるかの前に「違う」のです。

 それでも、美味しい魚を食べた時、それ程違った味には感じていない気もするので、そうは違わないとも思っています。

 「違う」ところをフォーカスすれば違う、「違わない」ところをフォーカスすれば違わない。禅問答の世界です。

 こんな小話がありました。

 家に帰ってきたら妻が不機嫌そうな顔で「食卓の電球が切れたの」と言いました。

 夫は疲れて帰ってきたのですが「それなら新しいのと交換しよう」と言って、新しい電球を探しに行こうとします。

 妻は更に不機嫌そうな声で「そういうことじゃなくって!」と怒り出した、という話です。

 「じゃあどうゆうこと?」となりますが、そういうことなのです。

 問題を解決するのが要望でなく、話をすることが目的なのですから。

 先週の夜、「今日何時に帰ってくる?」と娘からメールがありました。

 「ちょっと分からないなあ。なんで?」と返すと、こんな写真が送られてきました。

 あっという間に、何とかかんとか15年が経ちました。

 男と女は違います。それでも求めあいます。

 神様は物事を複雑にするのが、大変お好きなようです。

 それでも、私たちの世代にとって、これからが収穫の秋であって欲しいと思うのです。

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春はあげもの、秋はまきもの‐1526‐

 昨年だったか、電車の中吊りで「春はあげもの」という広告を見かけました。

 ハイボールの宣伝だったと思いますが、もちろん枕草子の冒頭「春はあけぼの」に掛けてのコピーです。

 思わずくすりとした人が沢山いたのでは。秀逸でした。

 先週は国道169号線で崩土があり、目的地にたどり着けず。

 今週は、無事復旧工事が終わっていました。

 2ヵ月振りに訪れる奈良県下北山村の池原ダム。

 ボートであちこちと移動しながら釣るのですが、秋の湖上は素晴らしく気持ちが良いのです。

 バスフィッシングで聞く言葉に「秋はまきもの」があります。

 ルアーは大きく分けると、ソフトルアーとハードルアーがあります。

 ソフトルアーはポリ塩化ビニルで出来ているものが多く、消しゴムの柔らかいものを想像下さい。

 ハードルアーは、文字通りプラスチック、木、金属等でできています。

 人の方で動きを付けなければ、魚がエサと勘違いすることはありません。これらの一部を「巻き物」と言ったりするのです。

 水温が下がり、魚が動きやすい季節になると、バスはエサを求めて広範囲を回遊するようになります。

 今年は台風が続いたので濁りが残っており、こういう状況も巻き物が効くケースです。

 水通しのよい、岬まわりでいきなり来ました。

 クランクベイトの中でも5m潜るタイプを選択。

 急な冷え込みで、かなり深いレンジに居るようです。

 その後、上流部、中流域もチェック。

 とにかく釣るだけなら、ソフトルアーに軍配が上がりますが大きさは35cmまで。

 昼食休憩のあと、少し曇ってきたこともあって再びクランクベイトを巻きます。

 3本程続けてきました。くれば40cm以上で、今日はこちらが正解のようです。

 午前中にみつけたような条件を探して釣っていると、この日最大の魚が。

 45cmのコンディションのよい魚でした。

 すっかり日暮れも早くなり、16:30にはボートを上げたのです。

 「秋は巻き物」はいわゆるセオリーです。「春はあげもの」に続けたので、食べ物を想像させた人には失礼しました。

 セオリーはいつも効く訳ではありませんが、先人の経験則でもあります。

 ただ信じるだけでは駄目だし、否定的な見方をしても価値は生まれないと、この日も痛感したのです。

 何より、軸がなければ比べるという行為が発生しません。この部分がセオリーの最大の価値なのだと思います。

 スティーブ・ジョブズは数学を例にとって、こんな表現をしています。

 クリエイティブな人というのは、先人たちが残してくれたものに感謝したいと思っているはずだ。

 僕が使っている言葉も数学も僕が発明したわけではない。同じ人類の先人たちが作ってくれたものなんだ。

 勝者のメンタリティには、常にどこかに謙虚が隠れています。

 そう在りたいと、心から願うのです。

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晴れの日も、土砂降りの日も‐1508‐

 世はお盆休みです。

 建築業界では、15日(水)あたりまでを休暇とする会社が多いでしょうか。

 週末は長男と休みが合い、池原ダムへ行っていました。

 6月に行った前回から、面白さのステージがひとつ上がったようで、「行こうか?」と聞くと即答でした。

 気温的には30℃を越えていますが、滝からは谷筋の涼風が吹き降ろします。

 おのずとそんなポイントを回るのは、こちらの都合と魚の都合が一致するから。

 木陰に人が集まるように、条件が厳しければ魚の居所は絞りやすいのです。

 長男も今までで一番釣っていました。

 面白いと思えば、自分でしてみたくなります。

 ようやく一通りのことが出来るようになりました。

 暑い暑いと言っているううちに、山上湖では結構な数のトンボが飛んでいます。

 暦の上では立秋を過ぎました。

 長男も満足していたので、この日は昼前に上がりました。

 こうしてスロープでボートを上げ下ろしして貰います。

 セルモーターが回らない場面があり、湖上で少し慌てました。

 ボートもここに駐艇しているのですが、店長がエンジンを見てくれました。

 エンジンをかける時、セルモーターのギア部分がせり上がるのですが、そこがスムーズに動いていなかったようです。

 丁寧にグリスアップしてくれました。

 機械はいつも私の都合に合せてくれますが、メンテナンスをしなければ、言うことを聞いてくれないものです。

 昨年のお盆休みは、トレジャーキッズたかどの保育園の追い込みで、47都道府県制覇の旅を年末に延期しました。

 今年もあるプロジェクトの追い込みです。

 休んだお盆も多々あるのですが、何故か仕事をしている場面ばかり思い出します。人は本当に弱いものです。

 27歳から3年程の間、ひどい鬱に悩まされていました。

 何件かの病院で診察を受けましたが、こんなことを言ってくれた先生がいました。

 「あの人は何故あんなに休みがあるのだろうとか、何故若くしてあんなに給料を貰っているんだろうとか、人はどうしても周りと比べてしまう。

 それがストレスになって、精神をむしばんでいくのだろうね。

 でも、それは当たり前だから、趣味が一番で仕事が二番くらいの考え方が良いだろうね」

 解散してしまったSMAPのヒット曲ではありませんが、人はどうしても人と比べたがるのです。

 それらを認めた上で、自分の生き方、働き方を決めなければなりません。

 仕事があるうちが花。また、今週末も旅行が控えています。また、何としても完結させなければなりません。

 人は比べたがります。でも比べないと決めるしかありません。

 晴れの日も。

 土砂降りの日も全て受け入れて、自分の道を行くしかないのですから。

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子供ってのは、預かりもの‐1480‐

 連休明けの月曜日、大阪はしっかり雨が降りました。

 そのぶん、ゴールデンウィーク後半は天気に恵まれ、絶好の行楽日和でした。

 私たちは、奈良の池原ダム近くのバンガローを取っていました。

 いつもは夜に走る東熊野街道(169号線)も、昼に走ると新緑が目に痛いほどです。

 少し余裕があると全く違う景色が見えてきます。

 前回に続いて釣りですが、今回は多少趣きが違います。

 家族の反対を押し切って、船を乗り換えた結果を出さなければなりません。

 結果とは「楽しませる」と「釣らせる」です。

 子供たちはスピード大好きなので、湖面を滑走するだけで喜んでいました。

 むしろ、そっちの方が楽しいようですが。

 長男と同船するのはいつ以来か。

 受験、中学に入ってのクラブ活動と忙しく、3年振りくらいでしょうか。

 今回は幸先よく、1尾を手にしてくれました。

 「魚はお父さんの大事な友達なので」とずっと言ってきたので、リリースは丁寧です。

 今回は家族に楽しんで貰う釣行です。

 昼は早めに上がって、ぱぱっとパスタを作りました。ソースはレトルトですが。

 夕方の部は、妻と長男。

 妻と釣りをするのも、2005年に長男の生まれる前以来です。

 ということは13、14年振り。

 それまでは結構一緒に行っていたものです。

 僅かの時間でしたが手早く2尾をキャッチ。

 母親の面目躍如です。

 夜は、家族3人を温泉に行かせ、本気モードで、最速、最善を尽くして食事の準備をしました。

 たかが炭火焼、されど炭火焼です。

 渾身の焼き鳥とステーキを、3人とも喜んで食べてくれました。

 2日目の朝の部も、長男、娘と早起きして湖上にでました。

 以前はそこまで熱心でなかった長男ですが、中学生になって色々なことの呑み込みが早くなった感じ。

 今回の最大のサイズをキャッチ。全て自力で釣りあげました。

 こうなってくると娘に釣らせなければ、ヘソを曲げてしまうパターンです。

 多少裏技を使ってまずは1尾。

 そしてもう1尾は、正真正銘、全て自分で釣りあげました。

 これで最低限の任務は完了です。

 船上で湯を沸かし、インスタントラーメンと、お父さん特性のチーズレタスサンドの昼食です。

 娘はカップラーメンが辛すぎて嫌いなのですが、何とか食べられると分かったのがチキンラーメン。

 安藤百福さんに感謝です。

 反対に、長男はカレーヌードル大好き。これも日清とは、やっぱりすごいメーカーです。

 バックウォーター(最上流部)での冒険アトラクションも忘れてはなりません。

 オールを使っての急流下りも必須なのです。

 サルなどが出てきてくれると、更に雰囲気は盛り上がります。

 この時期は子ザルが多いので、出会える確率がぐっと上がるのです。

 私は自然の中に居るのが好きだし、この大自然を子供に見せてやりたいと思っています。

 また、深く自然と関われる釣りの楽しさも伝えたいとも思っています。

 現地で話した、同年代の子供を持つ男性が「釣らせたいから、もっとこうしなさい、ああしなさいというと、最終的には一緒に来てくれなくなった」と言っていました。

 よく分かります。

 親とはそういうものです。

 ビートたけしは、こんなことを言っていました。

 子供ってのは、預かりものだと思わないと。

 出来ているかどうかは別にして、この感覚もよく理解できます。子は自分の所有物ではないのです。

 神様なのか、天からなのか、お預かりし、何とか世の役に立てる人にしてお返しする。

 それが親としての究極の理想だと私も思います。

 長男の身長が160cmになり、足のサイズは私を超えました。

 中学2年生と言えば14歳になる歳です。大学で家をでるなら、一緒に暮らすのはあと5年弱。

 預からせて貰う時間も、終盤に入りました。

 力みすぎるでなく、達観するでなく、自分にできることをしたいと思うのです。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

【News】
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記<</a

男のロマンⅡ‐1474‐

 普段、アトリエmのwebサイトは100~250回の閲覧があります。

 土曜日の放送後は、900回以上の閲覧がありました。

 やはりテレビの効果は大きいものです。

 私も一視聴者として楽しませて貰いました。

 ものおじしない奥さんなので、テレビも絶対大丈夫だろうなと思っていましたが、自然体で「羽曳野の家」の特徴をあますことなく語ってくれました。

 ご主人、お子さんも活き活きと楽しそうで、本当にご紹介して良かったと思います。

 なぜかメールが上手く届かなったので、この場でお礼しておきます。

 週末は、雨予報で撮影が中止に。急遽、奈良県の池原ダムまで行っていました。

 20代前半から、海、湖へ行く時は車の上にボートを積んで運びました。これを「カートップ」と言います。

 私は四駆一筋なので、普通車に比べるとかなり高い位置に積むことになります。ギックリ腰になること3回。

 10年前くらいから、牽引でボートを運びたいと思っていました。

 先日、ようやく牽引登録を済ませ、バスボートに乗り換えることにしました。バスボートとは、ブラックバス釣り専用のボートです。

 家族には、「家を建ててから」と言ってきたので、勿論全員が反対。

 しかし、10年間自問自答してきました。

 「贅沢過ぎる? 分不相応? 分とは? 贅沢とは……」

 十分に蓄えはできた。しかし95歳になった。これでは意味がありません。

 今がその一点だという結論に至りました。全て言い訳ですが。

 スロープでは、スタッフがボートをおろしてくれます。

 ボートをおろして10分くらいで、幸先よく42cmの1匹目。

 この岬は、22年前の5月4日、当時日本記録級を釣った場所です。

 その対岸にある、小さな張り出しについて居ました。

 バス釣り専用のボートなので、魚群探知機もそれ用にセッティングされています。

 その10分後、今回最大の魚を仕留めました。

 50cm1.6kg。

 沖の立ち木に、6匹ほど群れていた鼻先に、水面に浮くルアーを投げました。

 ピクピクと動かすと、奪い合うような動きになりフックアップ。

 狙い通りの釣り方で、今回の中でも会心の1匹でした。

 バス釣りは、持って帰ったり、食べたりしないので、大きさと共に、釣り方に拘る人が殆どです。

 その過程を楽しむ遊びと言ってもよいでしょう。

 その後、小さい魚も釣れましたが、もう1匹50cmがらみを釣り上げました。

 澄んだ湖の上で、自分の思う場所へ移動し、魚を求める。

 ハンティングのような遊びなのです。

 エンジンも大きくなり、かなりスピードがでます。

 ちょっと怖いくらいなので、私は安全運転ですが。

 ゴールデンウィークの前半限定ですが、是非と言う方は2、3日中に連絡下さい。

 池原ダムのバックウォーターまでご案内しますので。

 2013年の5月、「男のロマン」は土間だと書きました。

 広辞苑で「ロマン」をひくとこうあります。

① 近代にロマンス語で書かれた、伝奇的要素の多い散文物語。

② 一般に、長編小説。

③ 夢や冒険への憧れを満たす事柄。

 私にとっての夢と冒険への憧れを満たす、物語の第2章が始まりました。

 「男のロマンⅡ」はボート(趣味)だとします。

 ロマンシリーズはⅢ部で完結します。「男のロマンⅢ」は今冬にUPしたいと思います。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

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趣味を仕事にする‐1438‐

 芸術家・岡本太郎は「私は趣味などという卑劣なものをもたない」と言いました。

 さすがは岡本太郎、といったところです。

 私の趣味は釣り。

 岡本太郎の域には達していないことになりますが、1年のうちの10日間、湖上に浮いている時間はやはり幸せです。

 妻に「休めそうなので釣りに行こうかと思う」と言うと、「この寒いのに?」と。

 確かに、明け方は氷点下。山頂部には冠雪も見えていました。

 しかし、好きや趣味に寒さは関係ないのです。

 奈良県下北山村にある池原ダムに魅せられて20年強。

 1988年、村が中心となりブラックバスを観光資源として放流しました。

 美しい大自然と共に、村が釣り客を歓迎してくれるのも、ここに通う理由です。

 放流されたのがフロリダバスという種で、 日本でも最大級の魚が釣れることでも知られます。

 そのひとつの基準が60cmオーバー。通称、ロクマルです。

 水面まで上がってきた時、久し振りに「超えたか?」と思いました。

 が、測ってみると57cm、2kg。

 残念ながら60(ロクマル)には届きませんでした。

 春、夏、秋に比べ、数が釣れない冬は基本大物狙い。

 若干濁りがあったこの日は、特大を狙って20cm以上ある巨大スプーン(ルアーの種類)でスタートしました。

 水温は低いものの、新鮮な水が流れ込んでくるエリアにいる、体力のある個体を狙いました。ここまで読みが当たるとまさに爽快。

 湖で食事をしていた時、スプーンを水中に落としてしまい、それに魚が食いついてきたのがその名の由来です。

 ルアーフィッシィングの始まりともいわれ、その後スポーツフィッシングとして、欧米で社会に浸透していきました。

 バスフィッシングにはプロの試合があり、それらに参加するのがバスプロです。

 サッカーにJ1、J2があるように、バスプロの世界にもクラスがあり、最上位のカテゴリーをTOP50と呼びます。

 昨年まで、このカテゴリーで活躍していた北山睦プロと、昼食が一緒になり、その世界での話を聞かせてもらいました。

 ちなみに、2015年に長男へルアーをプレゼントしてくれた山岡計文プロは下北山村の出身で、今年は年間3位の活躍。まさにトッププロとなりました。

 北山プロはTOP50の権利を持ちながら、諸事情で一旦撤退したそうですが、その話がとても面白かったのです。

 トップカテゴリーに参加するのにはいくらの費用がかかる、1位の賞金は数百万円で、6位は微々たるもの。

 また「この時期ならどの場所で、どんな深さを、どんなルアーで、どのようなコースを通すかで釣果は変わってくる。釣れる人と釣れない人の差があるとすればそれくらい」と。

 帰り際も、更に釣りの話を聞かせてくれました。

 トッププロだけあって、極めて論理的。聞いているだけで釣りが上手くなる気がします。

 この閑散期にやってきた甲斐がありました。

 年末年始もここで過ごすそうで、本当に釣りが好きなのだと分かります。

 サッカー少年がJリーガーになるように、好きが仕事になるのは理想的です。しかし、その道が楽であるはずがありません。

 スポーツとはそもそもが遊びや娯楽なので、行為自体に楽しみがあります。娯楽を仕事にする訳なので、もちろん競争は激しいものになります。

 また、それ自体に生産性がある訳ではないので、この大量消費社会、高度情報化社会であるからこそ、職業たりえるのです。

 「職業に貴賎なし」が大原則なので、軽んじるつもりは全くありませんが、はっきり言えば無くなったからと言って、生死に直接の影響はありません。

 若者が車を持たないなど、バスフィッシングも2000年あたりをピークに、どちらかといえば衰退傾向です。

 北山プロにしても、山岡プロにしても、そのあたりを分かっているので、裾野のファンを大切にするのです。

 大相撲の問題をみると、全く反対の印象を受けます。

 私の年代で、相撲ファンを見つけるのは相当に困難です。あまりにも低い道徳観と、世間とのギャップをみると、怒りに近いものを感じます。

 国鉄や郵便の民営化よろしく、国技という冠を外して欲しいとさえ思うのです。

 この類の話しを長男にしたとき、「建築家がいなくなっても、誰も死なないじゃない」といわれました。

 全くその通りです。だからこそ、違いを求める人達に選んで貰えるよう、仕事に打ち込むしかないのです。

 私の釣り自慢から少し話がそれました。

 元監督の野村克也は、タニマチの存在が一時、阪神の選手を駄目にしていたと言っていました。

 タニマチは相撲用語。甘やかす、は全ての巨悪の根源なのです。

 相撲協会は、勇気をもって極めて厳しい判断をしてもらいたいと思います。

 でなければ、未来はないというところまで来ていると思うのです。

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