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たかがスナックパーク、されどスナックパーク‐1139‐ 

 2013年4月24日、大阪市は「大阪駅前地下道」の占用許可を打ち切ると発表しました。

 公正な競争なく、営業を続けているというのが理由です。

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 「大阪駅前地下道」は、JR、阪神、地下鉄を繋ぐ、梅田の目抜き通りです。

 東端には、大阪市の説明に納得出来ないと、営業を続けるう串かつ屋。

 西端には「ぶらり横丁」があります。

 ここにある、そば屋の天丼のセットは500円。蕎麦のほうがお勧めですが。

 味にうるさい関西人は、安い、早いだけでは納得しません。結構いけるのです。

 競争を公正に戻すのは良いことですが、阪神百貨店の建て替えの為、この店舗スペースも無くなるようです。

 更に、2月21日(土)から始まる阪神百貨店建て替えにともない「スナックパーク」が無くなるようなのです。貼紙がありました。

 「阪神名物いか焼き」「浪速のお好み亭」「御座候」「元祖ちょぼ焼」は2月21日(土)から移転します。

 4店舗だけが、他の場所へ移動。テイクアウトのみの営業となります。その他の店舗は2月17日(火)で営業を終了します。

 テイクアウトって。

 ここで食べられる事に価値があるんじゃないかと、誰かしらに詰め寄りたくなります。

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 この日も、閉鎖を知ってか、いつも以上の熱気でした。

 味気ない蛍光灯。薄汚れた床のタイル。狭いテーブルにトレーを押し込んでくるおばちゃん。

 ここなら全て許せます。安いのですから。

 351円のラーメン+イカ焼きセット。131円のちょぼ焼きも、もう食べられなくなります。

 私の思う、最もコストパフォマンスが高いメニューは……

 「豆太郎」の「牛すじねぎ焼き丼」411円。と書いて有りますが実際は1円返してくれるので410円。

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お好み焼きとご飯を食べるのは大阪だけ、とは良く聞く話し。

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 しかも、ねぎ焼きをご飯の上にのせるなんて……ここではありです。

 前に並んだ人が、閉店の貼紙をみて「本当ですか?もったいないねえ」と話しかけていました。

 2005年の10月。阪急百貨店立替の際、コンコースが元ホームだった話。元改札の歴史を書きました。

 いつかは街の顔となることを望む、というメッセージを沿えて。

 しかし結論で言えば、当時の阪急百貨店に比べて、現在の建物が勝っている点は高く、大きくなっただけです。

 スナックパークが無くなると聞き、阪神百貨店の建て替えも、大いに危惧しています。

 海外の知らない街へ行った時、初めに行くのは市場です。その土地が良く分かるし、自分も食べなければなりません。また、同じものを食べてこそ、親近感が生れるものです。

 管理が難しいのは想像できます。しかし、大阪、日本が本気で観光都市を目指すなら、安く、気軽に立ち寄れる「スックパーク」の価値を熟考するべきです。

 タコ焼きも、イカ焼きも、ねぎ焼きも大阪ソウルフード。たかがスナックパーク、されどスナックパーク。

 一抹の寂しさ、以上のものを感じるのです。