昨日は中秋の名月でした。
薄雲をほのかに照らすさまは、名月にふさわしいもの。
中秋の名月は必ずしも満月でないそうです。よく見れば、僅かに左が欠けています。
明日が満月だそうですが、これは娘に教えてもらいました。
樹々も徐々に色づき始めました。
天高く馬肥ゆる秋です。
「馬肥ゆる」は、警告の意味も含まれていると昨秋の新聞で知りました。
収穫の秋を迎え、たっぷりとエサを食べ肥えた馬にのって北方の騎馬民族が略奪にやってくる。
それらを警戒する、中国の故事からきたものだそうです。
日本語は中国語を源としますが、同時に多くの故事、習慣も伝わっていますが、鬼門もそのひとつです。
「北東を鬼門、南西を裏鬼門とし、玄関や水廻りをさける」
これが一般的な解釈でしょうか。
住宅を設計する際にはよくでてくる言葉なので、以前その真意を調べてみました。概ね以下のような説に集約されると思います。
① 古代中国の家創りの風習で、黄河中流域(中原)から見て、北東から攻めてくる匈奴に代表される騎馬民族が、真っ先に侵入してこないよう玄関を設けない。
② 冬の季節風は北東から吹くことが多い。また、台風、モンスーンに代表される南西から吹く強い風で、カマドの火の粉が家の中に入らないよう、これらの方角には台所を設けない。
③ ②と同じく南西から吹く強い風で、家が吹き飛ばされないよう玄関を設けない。
④ 北東は日当たりが悪く湿気がたまりやすい。南西は日当たりが良すぎるので水や食べ物が痛みやすいので、水廻りを設けない。
世界最大の建造物、万里の長城は匈奴に代表される騎馬民族を中原に入れないよう築かれました。それほどまでに脅威だったのです。
④は北半球全体に言えることですが、①~③は中原にのみに当てはまる項が沢山あります。
しかし、まったく意味の無い物ではないので、鬼門除けを含めて、うまく活用すればよいと考えています。
日本語が中国語を源としているなら、言語としては親戚関係にあるといえます。それがなぜこのような関係にあるのか。
「遠きと交わり近きを攻める」
魏晋南北朝時代の兵法書にあることばです。
「攻める」はやめてもらいたいですが、大事が起る前に「交わる」ことはできないのかと思うのです。
2万年前まで日本と中国はつながっていました。1世代25年とすれば800世代。800世代前は日本人も中国人も無かったのです。
人類みな兄弟とまではいえませんが、親戚くらいではあると思うのです。