11月に入り、今年も残すところ2ヵ月となりました。
今日、文化の日は朝一番の新幹線で岐阜羽島へ。
車では通過するものの、本格的に岐阜に来たのは学生時代以来でしょうか。
赤い車両の名鉄に乗り、岐阜の中心へ向かいます。
まずはアクア・トト ぎふへ。
世界最大級の淡水水族館です。
淡水ゆえ、派手さはありません。
しかし、それはそれでのんびりした雰囲気も悪くありませんでした。
見せ場はやはり世界最大の淡水魚ピラルクー。
その深いシワは老人のようでもあり、なかなかの迫力。
エサやりタイムは更に迫力がありました。
魚の切り身を食べる姿は、まさに獰猛なワニそのもの。
肉食魚で、作家・開高健はルアーで釣り上げていましたが、これは引くでしょう。
アクア・トト ぎふは、かなり良い評判を聞いていたので、正直言えばもっと期待していました。
もうひと押しを期待したいところです。
ここからは私の趣味に娘に付き合ってもらいます。
長良川沿いに建つ、長良川国際会議場。 安藤忠雄の設計で、1995年の完成です。
安藤の提案していたアーバンエッグは鹿児島大学だけで実現したのだと思っていました。
外観はモザイクタイルが貼られていましたが、これは竣工当時のままなのか。
鹿児島大学の稲盛会館のように卵型の空間があるのかは確認出来ませんでした。
それはやや残念でしたが、存在感は圧倒的でした。
そこから長良川を挟んで見上げる金華山。
その頂上に見えるのが岐阜城です。
ロープウェイで登れるのですが、標高329mにまさにそびえたっています。
山頂駅を降りてからも険しい階段が続き、こんなところを、攻め落とせる訳がない気がしてきます。
1567年、信長はこの城を攻め落とし、美濃を制定しました。
そして「天下布武(てんかふぶ)」の印を使い始めます。
地名も「岐阜」と変え、武力で天下統一を果たすという意思を世に示したのです。
長良川と濃尾平野を見下ろす景色は、まさに天下統一を目の前に、信長が見た景色でした。
司馬遼太郎の「国盗り物語」は、一介の油売りから身を起こした斎藤道三が、美濃の国を盗み取るのが前半。
後半は、娘婿となった信長が、天下統一への道をひた走るという歴史小説です。
司馬遼太郎作品の中でもベスト3に入る面白さだと思っていますが、岐阜は間違いなく日本の中心だったのです。
一日岐阜を回り、本当に美しい、豊かな町だと感じました。
見渡す限りの広大な平野に、突然緑深い山が現れます。
その間を縫うように、長良川が流れる景色は、由緒正しき日本と言えます。
広く、美しく、水が美しい。
海運だけがウィークポイントでしょうか。
金華山はもとは青葉山と呼ばれていました。
燃えるような夕日を浴びた姿をみて、金華山と改めたそうです。
私なりに、美濃に燃え立つ、信長の野望を感じた旅でした。
名古屋にしろ、岐阜にしろ、なんとも魅力的な街でした。東海地方もなかなか面白い。