四ツ橋はその名の通り、4本の橋が架かっていたのがその由来。
アメリカ村の北、西心斎橋と言った方が分かりよいでしょうか。
リキテンシュタインの「OSAKA VICKY!」が迎えてくれます。
その北にあるキッチンハウスで、建築家・窪田勝文氏の講演がありました。
海外でも多くの賞を受賞する建築家で、現在55歳。
講演は建築家協会の主催で、世話役を務めるのがキッチンハウスの人だったのです。
彼は当事務所の担当でもあり「質疑応答で、挙手が無かった場合何か質問して貰えますか」と言われていました。
講演時間は1時間半。自身の生い立ちから、創作のストーリー、作品の変遷。また世界の名建築がなぜ名建築たり得るかなど、素晴らしい内容でした。
人と自然の間にある、建築がその関係を邪魔してはいけない。
ファンズワース邸を見てもよく分かる。
そして建築は、心を動かす事ができる瞬間がある、そう信じている、と。
講演が終わると挙手は無く、「仕込み」のあった建築家3人が質問をしました。
そして最後に私。
いくつか聞きたいことがあったのですが、答えは全て講演の中にありました。それでこう質問しました。
「多くの創り手が、自身の哲学や思想をダイレクトに表現したいと思っていると思います。その中でも、窪田さんは非常に多くのことを実現していると感じるのですが、何故それが可能となったのだと思われますか」
「昔から、何故フェラーリよりクラウンのほうがかっこいいという人が居るのだろうと思ってました。ずっと世の中がそうだと言っていると、同業者の人でも自分が気づかないうちに、社会に合せてしまってているのでは、と思う事があります。僕は、そこは曲げなかった、という事ではないでしょうか」
という答えでした。
この世に起こることは全て必然で必要、そしてベストのタイミングで起こる。
松下幸之助の言葉です。
自分に足りないものは何なのだろうと、いつも考えます。能力、努力など色々あると思います。しかし、真面目で一生懸命ではあるつもりでした。
「誰が一番真面目で、純粋なのか」というメッセージとも言えます。真面目さが足りてなかったとは……
全ては必然で必要、ベストのタイミングで起こるのです。