昨年の11月、こんな記事が出ていました。
人類の知性は2千~6千年前ごろをピークにゆっくりと低下し続けているかもしれない――。こんな説を米スタンフォード大のジェラルド・クラブトリー教授が米科学誌セルの関連誌に発表した。
人類の知性の形成には2千~5千という遺伝子が関係しており、ランダムに起きる変異により、それらの遺伝子は、働きが低下する危険にさらされている。
一瞬の判断の誤りが命取りになる狩猟採集生活を送っていたころは、知性や感情の安定性に優れた人が生き残りやすいという自然選択の結果、人類の知性は高まっていった。
真実かどうかは別にして、十分説得力のある話です。進歩発展を続けていると思っていた人類が、まさか後退していたとは驚きです。
千年単位の話ではありませんが、思い当たる節がないではありません。
一昨日、泉大津まで行っていました。
所用でクライアントと会っていたのですが、帰りに「羽衣の家」をのぞいて来ました。
この仕事のオファーを貰い、私は独立しました。
完成からはや15年。
庭木も更に育ち、ちょっとした雑木林のようになっています。
25、6歳の頃の記憶が、もっと言えば苦悩が、一瞬で蘇って来ます。
まさに青春の1ページと言えば、少々青臭いでしょうか。
42歳になったいま、当時より劣るものは何一つないつもりでした。が、先のニュースを読みふと思ったのです。私は進歩しているのだろうか、と。
―知性や感情の安定性に優れた人が生き残りやすいという自然選択の結果、人類の知性は高まっていった。―
表現はオブラートに包まれていますが、冷静でなかった人類は獣の餌食になったという事です。
不景気、就職難、デフレなど聞こえてきますが、生きることに命がけの時代に戻っただけのこと。ものは考えようです。
このあたりは進歩したのか、ただ図太くなっただけなのか。