縁側

 私の住む平野区は、大阪市の南東端にあります。

 >山々を低く覚ゆる青田かな 蕪村 

 市内ですが、ところどころに田んぼもあります。

 東に望む生駒山が低く感じるかは別ですが、青田の緑は一服の清涼剤というところでしょうか。

 先週は台風の影響もあってか、比較的過ごしやすい日が続きました。

 事務所は来客時以外、未だエアコン無しで頑張っています。

 我が家は築35年の木造住宅ですが、前に小さな庭があり、縁側があります。昨年までは2階で寝ていたのですが、今年は1階に布団を下し縁側と、リビングで寝ているのです。

 夕方、庭木にしっかり水をやると、かなり涼しく、朝方は寒いほど。

 必然的に子供たちは取り合うことになります。

 一昨年、偶然売りに出た家に縁側があったので、体感することになりました。

 暮らしてみて、また今年のように更に環境のことを考える機会があって、日本人の知恵を実感します。

 日本の家は、外部と内部をつなぐ中間領域を本当に大切にしているのです。

 ただ、これは縁側でないと駄目な訳ではありません。条件を整理してみました。

1. 掃出し窓である(床レベルまでの開口部)→冷たく重い空気の動きが良い
2. 前が庭など開け放てる環境がある→窓があっても開いていないと意味がない
3. 部屋の反対に窓がある→2方向通気の原則
4. 深めの庇がある→高い夏の太陽を部屋に入れない、暖めさせない
5. すだれが掛けられる→部屋内を暖めさせないが風は通す

 条件を満たせば、縁側である必要はありません。1.などは難しいかもしれませんが、2.が特に工夫次第で大きく変わるところです。

 窓があるかより、開けておけるかのほうが重要なのです。