日曜日の「ビフォーアフター大賞」は、思った以上に反響がありました。
もしかすると、7月の放送よりも大きかったかもしれません。とても嬉しいことですが、Facebookのコメントに、このようなものがありました。
人に安住してもらうために自分の立場に安住しないというのが素晴らしいです。
褒めて貰った事を、自分で再掲載するのもどうかと思いますが、非常に嬉しい言葉です。なにせ 我が家の家訓は「イメージ&チャレンジ」と「めんどくさい事、先にやる」ですから。
何とか、年末に引き渡せた「細工谷の家」。
検査の際に、バタバタと夕景を撮りました。
建物に初めて明かりが灯った時、ようやくここまで来たなと思えるのです。
1階はRC打放し。
それに取りつくスチールの階段、微妙にスキップする床と、狭小ゆえ難しい部分が多くありました。
それら全ては、監督を中心とした現場チームと、繰り返し行われる対話によって実現されます。
中でも、大工という仕事は多くの部分に関わるので、話す回数も自然と多くなります。
この現場に来てくれていた大工のSさん。昨年大病を患いました。
しかし、対処が早かったのが功を奏し、回復に向かっていると聞いていました。
終盤からですが、元気な姿を見せてくれました。
私達にとっては「Shabby House」の現場以来です。
若い頃は「なめられてはいけない」の一心で、無用に力が入っています。当然現場との対立も増えて行くのです。
しかし、真摯な姿勢で仕事に取り組んで来た、実力ある職人は、そんな私の心を見透かすように、なだめ、さとし、私の決断を待ってくれました。
本当に自分が良いと思う事は、結論がすぐに出なくても、表現を変え、時間を変え、繰り返し伝える。プロとアマチュアの違いは、掛けれる時間の違いだという事も分かってきました。
「危険」「汚い」「きつい」。
3Kと言う言葉がありますが、建築現場もこの範疇に入るでしょう。
そんな現場で、淡々と仕事をする職人の姿をみると愛おしく思えるようになってきました。
特に年配の職人が黙々と働く姿こそ、今の若者が見るべきものではないかと思うのです。
どんな素晴らしい大学に行くより、海外ボランティアに行くより、働く事の尊さを教えてくれるはずです。
実はもう一人、大工のMさんも体調を崩したと聞いています。口下手で、寡黙に働くMさんは、「イタウバハウス」を担当してくれました。
Mさんとも、また現場で会える事を祈っています。そんな事を思うのは、私も歳をとったからか、早い日暮れがそうさせるのか……
冬寒く、夏暑い。それが、僕らの職場です。