鶴橋

 今週の火曜日、初期相談があり鶴橋へ。この辺りは、かなり懐かしい所。

 大学を出てすぐに入った設計事務所は1年でクビに。その私を拾ってくれたのは、4、5歳上の若い建築家でした。

 その人も独立したばかり。自宅兼事務所のマンションが鶴橋にあったのです。

 鶴橋の駅は、JR、近鉄のガードが交差し、交点を中心に商店街が四方八方に伸びています。

 地下鉄もあり、初めて地上に上がって来た人なら「ここはどこ」という感じだと思います。

 戦後の闇市から発展したこの商店街は、通路の狭さ、密集度で他を圧倒しています。言葉にするならまさにカオス。

 未だに戦後の香りが残っています。

 商店街というよりは、商店街群とでも言うべきこのエリアには焼肉店、韓国料理店、またそれらの素材を扱う店舗が多くあります。

 店頭ではキムチ、チヂミが至る所で売られており、何とも言えない香りが漂っています。

 この迷路のような巨大な商店街を、そこそこ知っている事はちょっとした自慢でした。
 
 その歴史については、鶴橋商店街振興組合のwebサイトで。

 ところが、久し振りに訪れて、一番驚いたのは、その観光客の多さ。

 女性のグループ、家族連れがとても多く、かなりの人出で賑わっています。

 これは通天閣下のジャンジャン横丁でも、同じ傾向でした。

 私が良く来ていたのは15年ほど前ですが、鶴橋の商店街はもっと暗く、ちょっと怖い位のイメージを持っていました。

 街は変化して行くものなのですが、この商店街も、阿倍野の再開発のようにいつかは区画整理されるのでしょうか。

 特区という荒業があるなら、可能な限り残して欲しいと思います。
 
 もし焼肉へ行くなら、私のおすすめは「空」。ホルモンとバラック感が良い感じです。

 少し離れて良ければ「新楽井」。雰囲気は抜群ですが、店内はモウモウと煙が充満しているので服はジャージで良いくらい。

 と言いながら、5年以上行っていないことに気が付きました。久々に行くなら「アジヨシ」のタレも結構良かった、冷麺も懐かしい……

 浅田次郎の「メトロにのって」では地下鉄がタイムマシンになっていました。

 千日前線鶴橋駅で降りればそこは戦後の大阪。ちょっと大げさですが、かなり楽しめると思います。

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