随分前に録っていた番組を見ました。
ダーウィンの「進化論」発表までを、ドラマ仕立てにしたものです。
チャールズ・ダーウィンは1809年生まれ。地質学者だった彼は、大陸から隔離された環境のガラパゴス諸島を訪れ、進化論の着想を得ます。
生物は同じ種であっても、性質には個体に差が有り、一部は親から伝えられる。生物は絶えず変異し、存続するための努力を繰り返す。しかし、実際に生き残れる自然界のキャパシティーは、繁殖力よりも常に小さい。よって、生存に有利な形態をもったものがより多くの子を残す。
解釈が大丈夫か、若干不安は残りますがこれが概容です。
生物の進化を、全くの無から解き明かした天才学者だと思っていたのですが(そうでもあるのですが)、彼が他の学者と決定的に違ったのは、その部分ではありませんでした。
19世紀のイギリスは、キリスト教の信仰が篤く、彼の進化論は、創造主である神を冒涜するものと捉えられかねないものでした。
神は、自分の姿に似せて人を創造したとなっていますが、進化論によると、人も一生物に過ぎません。今では当然のことですが、信仰を根底から覆しかねない説だったのです。
また進化論はダーウィンだけが考えていたものではありませんでした。
同時代の生物学者、アルフレッド・ウォレスからの手紙に、同じような考えが書かれていたのです。彼らは共同で、自然選択による進化理論を発表します。その後ダーウィンが出版した本が「種の起源」です。
先んじて自身の説を発表したい。また、世間からバッシングを受けるのでは、家族を不幸にするのでは等など、葛藤の中で生まれたものなのです。
彼が突出していたのは、真理を追求したいという情熱と行動力だったように思います。
ドラマ仕立ての番組だったので、作り手の解釈が入っていると思いますが、髭面の天才から、随分イメージが変わりました。