小説

 今日2月11日は建国記念日。この季節にしては、生暖かい雨で変な感じです。

 最近あまり本を読めていませんでした。いつも一冊はカバンに入れていますが、一昨年は司馬遼太郎の「坂の上の雲」に時間が掛かり、昨年は何故か進みが悪く。今年は意識して読んでいます。

 私は実用書より小説です。事実でなくて良いという制限は、書き手の全てを問われていると思うからです。親愛なる開口健は「小さな説を書いて飯を食っている」といつもうそぶいていました。その説を教えられたり、共感したりしたいのです。

 最近読んだ2冊は「坂の上の雲」と比べて進むのが早いこと。司馬作品は好きなのですが、ちょっと時間が掛かるところが難点です。

『秘密』 東野圭吾 
2009/12/29~2010/1/21 
 ある日突然スキーバスの転落事故で、妻と小学校5年生の娘を失う。娘は奇跡的に助かったが、何故か精神だけが妻になっていた。

 娘の体で生きる妻は、色々な問題をかかえながらも、中学生、高校生と成長して行く。その過程は、夫婦とも親子とも言える奇妙な関係との葛藤だった。

 ある日、妻である時間と娘である時間が交互にやってくるようになる。徐々に妻である時間は減り、完全に娘となる日がやって来た。

 娘の結婚式の日、あることに気付く。娘が、最期の日までもって行く秘密は……

『クローズド・ノート』 雫井脩介
2010/1/22~2010/2/8

 教育大学に通う、女子大生が引っ越した部屋に、前の住人のノートが残っていた。小学4年生を担任をする、新人教師のもので、ある日そのノートを見てしまう。

 そこには、生徒達からの温かいメッセージ、不登校児と新米教師の奮闘、適わぬ恋の話まで。どんどん引き込まれて行くことになる。

 女子大生は文房具屋さんでのアルバイトをしていた。万年筆売り場を担当し、そこで若いイラストレーターと出会う。そこから彼女の淡い恋も始まるが、ノートはある日突然途切れた。
その真相を確かめると、驚きの事実を知ることになる。そして更なる真実を知った時……

 映画化されて沢尻エリカが主演。舞台挨拶で問題を起こしたまさにその作品。

 あらすじだけを書いてみましたが、最近の流行作家の作品が何と面白いこと。特に東野圭吾は他にもベストセラーを連発し、「ガリレオ」等ドラマの原作にも多く使われていました。

 雫井脩介は初めて聞いた名前でしたが、題はなんとなく聞いていました。作品の中で、女子大生はアルバイト先の社長に「魂を込めて売れ」といわれます。更に社長の娘である先輩に、魂とは「共感出来るストーリー」の事と教られます。そこに、共感するのです。

 今は重松清の「流星ワゴン」を読み始めています。雨の日の午後は、のんびり読書でも。

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