棟上に思う

 建築工事には色々な工程と式典があります。

 中でも風景が大きく変わるのが棟上。

 一昨日、棟上式がありました。構造体の完成と、工事の無事を祝う式典なのです。

 どんな分野でも技術革新は進み、多くの作業はオートメーション化されます。

 効率がUPし、間違いが減り、コストが下がるのは良い点でしょう。建築の分野でもユニット化が進み、現場作業は減る傾向です。

 それでも、建築現場には多くの職人の手が必要で、その経験がものをいいます。木組みをするのは大工さんで、数人のチームが呼吸を合わせて進めて行くのです。

 経済効率には、手も汗も不要です。しかし、建築が立ち上がって行く姿を見る時、何度経験してもある種の感動が残ります。これは完成したものをいきなり見ても無い感情なのです。
 
 自然は飛躍しません。咲く、実る、散る。その過程を含めて、何かを感じると思うのです。もしそうでないなら、過程そのものである私達の人生も、意味の無いものになってしまうのです。

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